強制退去、失踪、超法規的処刑がウリベ政権下で増加
2008年10月6日
ギャリー・リーチ
コロンビア・ジャーナル原文
コロンビアのアレバロ・ウリベ大統領を支持する人々、そしてコロンビアと米国及びカナダとの自由貿易合意を弁護する人々の多くは、自分たちの主張を裏付けるために、最近、殺人と誘拐が減ったことを繰り返し指摘するが、その際、これらの人々はそれ以外の人権侵害が驚くほど増加していることを都合よく無視している。米国がスポンサーとなったプラン・コロンビア、そしてウリベのいわゆる「民主的治安戦略」は、とりわけ都市部で、コロンビア人の治安を改善した。けれども、コロンビアの紛争は農村地帯で続いており、暴力の犠牲となっているのは主に民間人である。急増する強制的な住居の撤去や失踪、超法規的処刑のますます多くが政府によりなされている点に、コロンビアの農村地帯の多くが経験する人権の現実が現れている。
コロンビア検察庁は現在、昨年に起きた1015人の失踪事件を調査している ----前年から4倍以上、2005年からは1300パーセントの増加である。この、最新の数値は、過去4年連続して失踪者の数が増えてきたという憂慮すべき傾向が現在も続いていることを示している。検察庁によると、調査している事件のうち90%異常が、政府軍兵士によるものではないかとの疑いがあるという。この1年に起きた1000人以上の民間人の失踪に政府が大きく関与しているという事態は、ウリベ政府が、チリの「汚い戦争」という暗黒時代の、アウグスト・ピノチェト将軍独裁と同質のものであることを示している。
コロンビア軍が使っているとされる失踪の手段の一つは、ボゴタの都市部にある貧民街から若者を誘拐することである。目撃者によると、失踪した青年たちは数百マイル離れた紛争地帯に送り込まれて処刑され、先頭で殺されたゲリラと見せかけるという。最近の4日間だけで、そうした若者46人が、コロンビア北部で見つかっている。
ウリベが政権に就いて以来、政府治安部隊による超法規的処刑も激増している。「超法規的処刑と不処罰を監視する国際使節団」によると、2002年から2007年に、コロンビア軍が行った超法規的処刑の中には、少なくとも955件、処罰されていないケースがあるという----その前の5年間の577件と比べると2倍近くに増えている。そうしたケースの多くで犠牲者は民間人であり、軍事作戦の際に殺されて、戦闘中に殺されたゲリラとして扱われ、それによって軍は倒した敵の数を水増しできる。最近、失踪した都市の若者46人が遺体で見つかった事件は、軍が超法規的処刑を相変わらず盛んに行っていることを示している。
人権について憂慮すべきもう一つの問題は、ここ数年で住民の強制退去が劇的に増えていることである。ウリベ政権初期にいったん減少したのち、暴力により無理やり家を追われるコロンビア人の数は驚くべき規模になった。2008年の上半期には、暴力により強制退去させられた人々の数は27万人を越えた。2007年の同期と比べて41%の増加である。「毎日、平均1503人の人々が家を追われている」と「人権と協定退去のコンサルタンシー」(CODHES)のホルヘ・ロハスは言う。「住民の大量追放は、コロンビアが現在経験している人道・人権危機の深刻で、重大な部分で、ずっと終わることなく続いている」。今年末まで同じペースで強制追放が進むならば、2008年は、2002年の41万2000人の強制退去という数を超え、過去20年で追放については最悪の年となるだろう。
農村部に暮らすコロンビア人が強制的に家を追われる理由は様々である。戦略的に重要な地域の支配権をめぐって左派ゲリラと右派準軍組織が繰り広げる戦いに巻き込まれる人々もいる。また、資源の豊富な地域や経済的に価値の高い土地に暮らしているため、準軍組織により追放される人々もいる。とりわけ、コロンビアの太平洋岸では、アブラヤシ栽培部門の拡大により、アフリカ系コロンビア人のコミュニティが脅かされている。
しかしながら、強制追放が劇的に増加した最大の理由の一つは、ウリベ政権下でコロンビア軍が対ゲリラ作戦を攻撃的に進めていることにある。コロンビア軍兵士が、これまでゲリラが制圧していた辺鄙な農村部のコミュニティに入り込んだとき、村人たちをゲリラのシンパと非難し、住民を無理やり追放することがしばしばある。この事態はとりわけ、ここ数年、紛争が最も激しかったナリニョ県であからさまに観察される。
主流派メディアのほとんどは、ウリベがこの6年間に行ってきた治安対策を、とりわけ殺人と誘拐の減少という点で賞賛しているが、農村部の貧しい人々が直面している苦しみは無視されてきた。紛争は地方部で依然として続いているだけでなく、人権侵害における政府の直接的な役割は劇的に増加している。ウリベ支持者とコロンビアと米国・カナダ間の自由貿易合意の提唱者たちは、戦略的都合から、政府が失踪、超法規的処刑、強制追放にますます大きく関与している事実に目をつぶっている。しかしながら、何百万人というコロンビア人にとって、ウリベ政権下での人権状況は、コロンビアで過去数十年続いてきた紛争期間のどの時期よりもひどいのである。
本記事で表明されている見解は著者のものであり、コロンビア・ジャーナル誌の見解を反映しているものでは必ずしもない。著作権(C)2000−2008、コロンビア・ジャーナル。版権保持。
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内藤正中著
『竹島=独島問題入門』
有限会社 新幹社(電話 03-5689-4070)
定価:本体価格800円+税
著者紹介
内藤正中(ないとう・せいちゅう)
1929年生。京都大学経済学部卒業。島根大学名誉教授。
〈主要著書〉
『竹島(鬱陵島)をめぐる日朝関係史』(2000年、多賀出版)
『竹島=独島論争』(2007年、新幹社、朴炳渉と共著)
『史的検証 竹島・独島』(2007年、岩波書店、金柄烈と共著)
■ 辺野古・高江
辺野古浜通信-photo-、辺野古情報をご覧下さい。
■ 辺野古新基地建設反対署名
個人署名用紙
団体署名用紙
お願い文書
【お願い】署名はボールペンまたはサインペンでお願いします。
【署名集約】2008年12月31日
【国会提出予定】2009年1月
【署名 目標数】3万筆
【呼びかけ団体】辺野古への基地建設を許さない実行委員会
【署名集約先】辺野古への基地建設を許さない実行委員会
郵送:東京都千代田区三崎町2-2-13-502
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック気付
郵送でお願いします。FAXまたはメールは、郵送できない場合に限ります。
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(件名:辺野古新基地建設断念署名。名前、住所、メールアドレスを明記)
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市民のひろば(03-5275-5989、木曜夜)
■ 反貧困世直しイッキ!大集会――垣根を越えてつながろう!!
日時 2008年10月19日(日)13:00~
場所 東京・明治公園
JR「千駄ヶ谷駅」9分、
都営大江戸線「国立競技場駅」A2出口7分
雨天決行(天候により、催し内容が変更となる場合があります)
参加無料
主催 反貧困ネットワーク
■ 2008年11・3憲法集会 生きたい!平和に
お話:
香山リカさん (精神科医 立教大学現代心理学部教授)
湯浅誠さん (NPO法人自立生活支援センター・もやい 事務局長)
谷山博史さん(日本国際ボランティアセンター代表理事)
金英丸さん(韓国・平和憲法市民連絡会/平和博物館活動家)
音楽:♪じょうづか さえこ さん(リブシンガー)
日時:11月3日(月・休日) 13:30~
場所:星陵会館(地下鉄永田町・国会議事堂前駅)
参加費:700円 学生500円 高校生以下無料
手話通訳あります。
主催:11・3憲法集会実行委員会
「憲法」を愛する女性ネット/憲法を生かす会/
市民憲法調査会/ 全国労働組合連絡協議会/日本消費者連盟/
VAWW-NETジャパン/ピースボート/ふぇみん婦人民主クラブ/
平和憲法21世紀の会/平和を実現するキリスト者ネット/
平和をつくり出す宗教者ネット/ 許すな!憲法改悪・市民連絡会
問い合わせ:TEL03-3221-4668