コロンビアの「ウォーターゲート・スキャンダル」
ギャリー・リーチ
2007年5月15日
ColombiaJournal原文
ほとんど毎週のように、政治的敵対者の盗聴、不法集団との関係、大統領の政敵の名を挙げたリストの提供といった不法行為に関与してきた政府高官の名前を明らかにする新たな証拠が出てきている。上院の聴聞会もメディアの大規模な報道も、当初は、ますます大きくなるこのスキャンダルと大統領を直接結びつけていなかったが、今や政府の信憑性を損ねる批判を開始した。政治の舞台にこのスキャンダルが持ち上がってから一年たたないうちに、不法盗聴に関与したとして、コロンビア大統領は同僚の二名を罷免せざるを得なくなった。一方、大統領支持者たちは繰り返し、政府高官の多くが犯罪で告発されてきはしたものの、大統領自身はどんな不法行為についても関与していることは示されていないと主張する。この説は、コロンビアで同時に起きている「パラ政治」に対してなされた説と不気味なほどにているが、実はこの同じ説は、一九七〇年代前半、ニクソン米大統領の退陣をもたらしたウォーターゲート・スキャンダルでも主張されていた。
ニクソン政権は「プランバーズ(配管工)」と呼ばれる工作員の小グループを作って、リークに蓋をし、政府の不法行為に関する秘密を守らせる任務に就かせていた。このグループが、ワシントンDCにあるウォーターゲート・オフィスに入っていた民主党全国委員会本部に盗聴器を仕掛けることを含む不法作戦をニクソン政権のために行っていたのである。盗聴が行われたのは一九七七年の大統領選挙戦のときだった。
プランバーズはスパイ行為と政治的破壊工作を行う小部隊であり、コロンビア最大の準軍組織コロンビア自警軍連合(AUC)が行う広汎な暴力と人権侵害を行ったわけではない。それにもかかわらず、プランバーズもAUCも、米国政府とコロンビア政府それぞれにより、選挙での勝利のために使われていた。プランバーズの場合、ニクソン再選を確実なものにするために、AUCの場合、アレバロ・ウリベ大統領とコロンビア北部の彼の議会のお仲間の勝利を確実なものにするために。
パラ政治スキャンダルとウォーターゲート・スキャンダルの間に見られる最大の類似性は、最初に犯罪が犯されたあとに展開したドラマの中にある。どちらの場合も、上院の聴聞会をはじめとする調査により、政府高官と不法グループが犯した秘密作戦とのリンクが暴かれた。コロンビアの調査は「標的リスト」---- 労働組合員をはじめとする、ウリベ大統領の政敵の名前が含まれていた----の存在を明らかにした。諜報担当の政府高官がこのリストを作成し、それをAUCに渡して標的を脅迫したり殺させたりしていたのである。同様に、ニクソン政権も政敵の名を挙げた「敵リスト」を作成し、米国の連邦法執行機関に不法な調査を行わせていた。
コロンビアでは、先週、ウリベ大統領がコロンビア国家警察の長官あるホルヘ・ダニエル・カストロ将軍と、諜報長官ギレルモ・チャベス将軍の辞任を求めた。国家警察が政敵に対する不法な盗聴を行っていたことが暴かれたあとだった。ウリベの報道官はすぐさま、大統領はこの問題について何も知らなかったし、政府関係者のこうした不法行為を許しはしないと発表した。同様に、ウォーターゲート・スキャンダルが表沙汰になってから10ヶ月たったとき、ニクソン大統領は側近の二人、H・R・ホールドマンとジョン・アーリックマンを、不法なウォーターゲート盗聴に関わっていた証拠が現れたため、罷免した。ニクソンの報道官たちは、すぐさま、ニクソンはそうした不法行為を知らなかったし、そうした犯罪を許しはしないと発表した。ウォーターゲート事件と同様、コロンビア政府高官が不法な盗聴に関与していたことが人々に知られることとなったのは、政府が行なった調査によってではなく、記者たちが行なった調査の結果である。
現在のパラ政治スキャンダルが明るみに出てからまだ一年もたっておらず、今のところウリベ大統領と不法行為を直接結びつける証拠は出てきていない。ウォーターゲート事件でも、対応する時期には、ニクソンはまだ直接犯罪と結びつけられていなかった。ニクソン個人が不法行為を知っていたことが明らかになったのは、ウォーターゲート・スキャンダルが明るみに出てから二年後のことだった。さらに、ニクソン自身がそれらの不法行為を命令していた。けれども、それが明らかになったのは、パラノイドのニクソンがホワイトハウスの大統領執務室で行われたすべての会話を録音していたことがわかってからだった。それらのテープは大統領を引きずりおろす「できたてほやほや」の証拠であることがわかったのである。そのときまで、ニクソンはスキャンダルに関与していた自分の周囲の者たち全員を罷免しながら、自分だけは無実であると主張し続けてきた。ホワイトハウスのテープが見つからなければ、ニクソンは、一〇年後にロナルド・レーガンがイラン=コントラ・スキャンダルを逃れたように、政治論争から身をかわし続けることができたかも知れない。
ニクソンと同様、ウリベも、パラ政治スキャンダルに関わった側近全員を罷免している。そして、彼の政友の誰かが大統領に反旗を翻す決断をしない限り、あるいはウリベが隠していた明らかな証拠がない限り、彼はこのスキャンダルを生き延びるかも知れない。しかしながら、スキャンダルに直接関与していないということは、ウリベが「悪党でない」ということを意味しない。ただ単に、彼がニクソンほどマヌケではなく、彼のかわりに逮捕される忠実な政友を持っているだけかもしれない。結局のところ、ウォーターゲート事件から我々が学んだことは、周囲にもうもうと煙が立っているときにはその中心には火が燃えているということなのだから。
■辺野古関係情報
サンゴ調査でサンゴを破壊
辺野古情報
北限のジュゴンを見守る会
ジュゴンネットワーク沖縄
ジュゴンのすむ海を救うために、今すぐあなたにできること
■遺棄化学兵器被害チチハル事件訴訟 第一回口頭弁論
日時: 6月6日(水)13:30〜14:30
場所: 東京地裁 103号法廷
内容: 弁論 /原告 陳栄喜さん 王磊くん の陳述
◆12:30 入廷行進があります。
◆13:00までに玄関向かって右手にお並びください。(傍聴券配布)
◆終了後、裁判の説明(弁護士会館 5階 508ABC 15:30〜17:00)
◆霞ヶ関(丸ノ内線/千代田線/日比谷線A1出口下車1分)
※A1出口そばの地裁入り口にスタッフがいますので、
初めての方は声をかけてください。
■コマンダンテ
オリバー・ストーン監督が撮影したキューバのカストロに関する映画「コマンダンテ」が上映されてます。米国では上映禁止になったもの。
■共謀罪関係
◆6/21 院内集会
もっともっと国会へ
6・21共謀罪の廃案を求める市民と表現者の院内集会
とき 6月21日(木)12時30分〜13時45分
ところ 衆議院第2議員会館第3会議室
○東京メトロ有楽町線南北線永田町駅・千代田線丸の内線国会議事
堂前駅
◇発言
国会議員・法律家
表現者・市民団体
◇主催:共謀罪に反対するネットワーク
◇連絡先
盗聴法に反対する市民連絡会(日消連 Tel.03-5155-4765)
ネットワーク反監視プロジェクト(小倉 Tel.070-5553-5495)
◆7/5 連続学習会
共謀罪に反対するネットワーク連続学習会(第2回)
マイノリティーの権利と共謀罪
とき:7月5日(木)18時30分〜
ところ:東京・文京区民センター 3A会議室
○都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅、東京メトロ丸の内線・南北
線後楽園駅
◇お話:「マイノリティーの権利と共謀罪」(仮題)
森原秀樹さん(反差別国際運動日本委員会)
◇参加費 500円
◇主催 共謀罪に反対するネットワーク
◇連絡先
盗聴法に反対する市民連絡会(日消連 Tel.03-5155-4765)
ネットワーク反監視プロジェクト(小倉 Tel.070-5553-5495)
■六ヶ所村関係ミニレクチャー 〜六ヶ所問題理解のために〜
・第1回:6月6日(水)19:00〜 @中野ZERO 視聴覚ホール
『映画「核分裂過程ードイツ・ヴァッカースドルフ再処理工場反対運動の記録ー」を観て、ドイツの脱原発のエネルギーを学ぶ』
モデレーター:澤井正子
・第2回:6月8日(金)19:00〜 @中野ZERO 学習室A
『原発被曝労働の実態』
ゲスト:嶋橋美智子さん(「息子はなぜ白血病で死んだのか」著者)
浜岡原子力発電所での被曝労働によって骨髄性白血病で亡くなった故嶋橋伸之さんについて、お母さんの美智子さんをお招きしてお話を伺います。
モデレーター:澤井正子
・第3回:6月19日(火)19:00〜 @原子力資料情報室
『六ヶ所村の歴史:むつ小川原開発から核燃料サイクル基地建設まで』
記録映画「田神有楽」を鑑賞しながら、六ヶ所村について考えます。
モデレーター:澤井正子+α
・各回とも、参加費¥1000-
会場・資料等準備の都合上、事前に申込をお願いします。第1回、4回のみ予約ナシの方もご参加いただけます。(合計6回ですが、今回は最初の3回だけ掲載)
・会場地図
中野ZERO(6/6.6/8.6/24)http://nicesacademia.jp/facility/index.html
原子力資料情報室(6/19.6/29)http://cnic.jp/map.html
・お問い合わせ:申込
原子力資料情報室(担当:永井・桑原・澤井)
〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B
TEL:03-3357-3800 FAX:03-3357-3801
mail : cnic@nifty.com
■教育3法案に反対する院内集会(6月8日)
日時 6月8日(金)15時00分〜17時00分
場所 衆議院第一議員会館第2会議室
発言予定者 小森陽一(東京大学教授)、国会議員、ジャーナリスト、
研究者、市民など
※14時30分から衆議院第一議員会館ロビーで通行券を配ります。
改悪教育基本法を具体化し、国が教育を統制するシステムをつくりあげる教育3法改悪法案の参議院の審議が山場を迎えています。まだまだこの悪法のねらいや内容が国民に知られず、本質的な審議が不十分であるにもかかわらず、政府与党は何が何でも今国会での成立をめざして、11日の週には強行採決をめざしていいるとのことです。私たちは、教育3法の廃案をめざして、緊急に委員内集会を開催します。ぜひ、多くの皆さんの参加をよびかけます。
呼びかけ団体(5月31日現在)
旧・教育基本法「改正」反対市民連絡会、子どもと教科書全国ネット21、憲法・1947教育基本法を生かす全国ネットワーク、憲法を生かす会、憲法を生かす会東京連絡会、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NET Japan)、盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会、ピースボート、許すな憲法改悪!市民連絡会
なお、院内集会に先立って、6日に議員要請行動を行ないます。こちらにもぜひご参加下さい。
日時 6月6日(水) 15時〜
場所 参議院議員会館ロビーに15時に集合
■Zakiさん(闘うミュージシャン)のブログ
http://zaki.seesaa.net/
■パレスチナ映画『レインボー Rainbow』上映と講演
●日時:6月9日(土)午後6時45分〜(開場6時30分) 2007年
・午後6時45分〜7時26分 『レインボー』上映
・午後7時30分〜8時30分 岡真理さんの講演
『占領とは何か パレスチナの占領と私たち』
・質疑応答など
(午後9時頃 終了予定)
●会場:ひと・まち交流館 京都 第4会議室(3階)
(河原町五条下がる東側)
案内:http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html
京阪「五条」駅下車徒歩8分/地下鉄烏丸線「五条」駅下車徒歩10分
会場TEL:075-354-8711
●参加費:一般1000円・学生500円
●主催:ピースムービーメント実行委員会
●問い合わせ:
TEL:075-751-0704(山崎)夜間21:30〜22:30
E-mail:ANC49871@nifty.com
■田中優の持続する志
田中優さんが「地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか」という新書を書きました。なんと(!)扶桑社新書。講演案内などは↑のブログをご覧下さい。