オバマはコロンビアで石油のための戦争を展開
人権と環境に対する戦争
2010年1月27日
ダニエル・コバリク
CounterPunch原文
昨年の夏、米国大統領オバマは、コロンビアとの間で軍事協定に署名した。この協定により米軍はコロンビアの軍基地7カ所を利用できるようになった。当時、英ガーディアン紙は次のように報じている。「提案されたこの10年リース契約により、米国はコロンビア軍基地少なくとも7カ所を利用できることになる。空軍基地3カ所、海軍基地2カ所、陸軍基地1カ所で、太平洋からカリブ海におよぶ」。それらの基地には、米軍の兵士800人と民間契約員600人が詰めることになる。ガーディアン紙も述べるように、周辺ラテンアメリカ諸国はこの発表を耳にして憤慨し、「バラク・オバマによるラテンアメリカ地域との関係改善は損なわれた」。
米国とコロンビアで人権と労働者の権利擁護で活動する人々も、この発表には憤慨した。というのも、これにより米国は、西半球で群を抜いて最悪の労働基本権侵害と人権侵害を犯している軍との緊密な軍事同盟を強化することになったからである。米国が提供する数十億ドル規模の軍事援助に後押しされたコロンビアにおける人権侵害は、悪夢のような状況にある。強制的に国内避難民とされた人々の数400万人近く----家を追われた人の数では世界第二位である(第一位はスーダン)、1986年以来、超法規的に処刑された労働組合員数2700人以上(群を抜いた世界トップ)、2009年だけでも殺された組合員は35人、2002年にウリベ大統領が就任して以来、コロンビア軍が超法規的に殺した民間人の数は約2000人。
コロンビア軍による超法規的殺害は、「フォールス・ポジティブ」スキャンダルの一環として行われたものである----コロンビア軍は民間人を殺してからゲリラに見えるような服を着せて、軍が殺したゲリラの数を水増しすることでさらなる米国の軍事援助を確保しようとしたのである。今月初め、このスキャンダルはさらに拡大した。コロンビア政府が期限内に訴追を行わなかったため、殺人に関与したことで裁判を受ける予定だったコロンビア軍兵士31人が刑務所から釈放されたのである。
米国は以前から、コロンビアで進めているのは麻薬に対する戦争だと主張してきたが、毎年毎年、そうした努力にもかかわらず、コロンビアで栽培されるコカの量もまったく減らなければ、米国に輸出される量も減っていないことをきまり悪そうに認めざるを得なかった。コロンビアで戦争をしている本当の理由は、これまでもずっと、豊富な石油資源を支配することにあったのである。実際、2000年に開催された「コロンビアにおける麻薬と社会政策」と題する議会聴聞会----クリントンによる新たなプラン・コロンビアで米国がコロンビアに数十億ドルの軍事援助をつぎ込むことについての意義を議論した聴聞会----で、クリントンの政策を支持する立場で証言した重要な証人の一人は他でもない、オクシデンタル・ペトロリアム社の副社長ローレンス・メリアージュだった。当然のことながら、メリアージュ氏はコロンビアにおける麻薬についても社会政策についても何一つ言うことはなく、その一方でオクシデンタルの石油パイプラインを守るために軍事援助が必要だという点については実に雄弁だったのである。
さて、2010年1月19日のブルームバーグの記事によると、「米国輸出入銀行[政府機関]は1月19日、米国の様々な輸出業者がコロンビア国営石油企業エコペトロルSAに財とサービスを販売するために必要なエコペトロル社向け融資として10億ドルを予備承認したと発表した」。エコペトロル社は、ロサンゼルスに本社を置くオクシデンタル・ペトロリアム社と提携していることに注目する必要がある。
ブルームバーグの記事は、ある専門家の言葉を引いて「エコペトロルは極めて積極的に開発生産を進めており」、輸出入銀行の財政支援によって「同社はコロンビアと周辺の南米諸国でさらに多くの油井を採掘するので2015年には現在の2倍近くの日産100万バレルを生産するだろう」と述べる。
人権団体アマゾン・ウォッチが2009年11月12日に出したプレスリリースも言うように、エコペトロルは現在、先住民ウワの聖地でウワの人々の意向を無視した石油採掘を進めている。こうしたときの常として、エコペトロルは調査と採掘の際、コロンビア軍と準軍組織を引き連れてきて、エコペトロルの作業の警護に当たらせているとウワの報道担当者は述べている。
同社のウェブサイトで公表しているように、エコペトロルはペルーとブラジルでも石油探査を進めている。ペルーについては、危機に瀕した先住民族の権利を提唱している英国の人権団体サバイバル・インターナショナルが昨年、エコペトロルが進めるペルーのアマゾン・ジャングルの探索によりこれまで外との接触のなかった先住民族の存在が脅かされており、危機的な状況にあるという。外界と接触してこなかった先住民は「病気に対する免疫がないため外部との接触に対して極めて弱い」とサバイバル・インターナショナルは述べている。外からやってきた企業とこれまで外と接触してこなかった先住民が接触した先例では、先住民の50%が死亡している。
米国の現政権は石油のためにコロンビアとの致死的な同盟関係を深めようとしているようだが、その政策を頓挫させる機会はまだある。米国輸出入銀行の創設と規制に関わる法令によると、米国大統領(1979年に大統領令によりその権限を国務長官に委任した)は、上下両院の銀行委員会と諮問の上、貸付が「国際テロリズムや核拡散、環境保護、人権などに関する米国の政策に」「明白かつ重大な」影響を与える場合は、貸付申し込みを銀行が拒否すべきだとの判断を下すことができるのである。合衆国法典12第635条(2)(b)(1)(B)。
エコペトロルに対する融資拡大の予備承認は人権と環境に負の影響を与えることは明らかであるから、破棄されなくてはならない。米国の平和連帯グループにとって、人権侵害と環境破戒を理由に融資拡大を阻止する運動を展開することは重要だろう。同様に、コロンビアの軍基地7カ所に対するアクセスを確保するという米国の決定を妨げる機会もまだ残っている。先週のマサチューセッツ州での選挙結果に政権は動揺している現在、政権を恥じ入らせ、コロンビアそしてラテンアメリカ各地に破滅をもたらすことが予測される政策を転換させるには今がその機会なのである。
ダニエル・コバリクはペンシルヴェニア州ピッツバーグの労働・人権弁護士。
■ 辺野古通信
辺野古通信ご覧ください。
■ 京都 ヒロシマ・ピョンヤン上映と伊藤孝司監督講演
日時:2010年2月12日(金)
18時30分開場 19時開演
場所:キャンパスプラザ京都
(JR京都駅ビル駐車場西側)
主催:映画「ヒロシマ・ピョンヤン」京都上映実行委員会
問合せ先:FAX:075-752-1055
■ もう、ごめん!石原コンクリート都政シンポジウム
日時:2010年2月13日 (開場6:00) 6:30~8:30
場所:東京ウイメンズプラザホール(表参道駅 徒歩7分)
主催:東京を考えるシンポジウム実行委員会
呼びかけ人: 宇都宮健児、上原公子、鈴木邦男、土肥信雄 (12月5日現在)
賛同団体: 日本消費者連盟 外環道検討委員会 東京。をプロデュースⅡ 他
問合せ先:東京。をプロデュース
■ 戦争も基地もいらない WORLD PEACE NOW 3.20
日時:3月20日(土)開場12:00 開会13:00
パレード出発15:00(雨天決行)
会場:東京芝公園4号地(JR「浜松町」徒歩12分、
地下鉄三田線「御成門」徒歩2分、
地下鉄大江戸線「赤羽橋」徒歩2分)
詳しくはWORLD PEACE NOW HPで。
■ 韓国併合100年、東アジア共同体に向けた課題
-「建国記念の日」を考える2・11集会
主催:フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)
日時:2009年2月11日(木) 13:30~16:00 開場・受付開始13:00
場所:自治労会館6Fホール(第1会館)
千代田区六番町1 Tel03-3263-3739
JR・地下鉄 市ケ谷駅・四ッ谷駅・麹町駅下車
内容:主催者あいさつ
講演「東アジア共同体と中国・日本」
講師 莫邦富(モー・バンフ)さん (ジャーナリスト)
講演「愛するとき奇跡は創られる-在日三代史と未来への夢」
講師 宋 富子(ソン・プジャ)さん (高麗博物館館長)
参加費:500円(資料代を含む)
備考:チラシ
■ 韓国併合100年--3・1朝鮮独立運動91周年
今こそ100年に及ぶ不正常な関係に終止符を!2・27集会
日時 2月27日(土)午後6時半開会(6時開場)
場所 東京・文京区民センター 3F
(地下鉄「春日」or「後楽園」下車すぐ)
資料代 500円
講演 「韓国併合」100年-日本と朝鮮半島の過去・現在を問い直す(仮題)
伊藤 晃・元千葉工業大学教授(社会運動史)
報告 「在特会」による朝鮮学校襲撃を許さない
裵安・NPO役員 *襲撃当日の映像も上映
日本軍「慰安婦」問題の解決に向けて
西野瑠美子・VAWW-NETジャパン共同代表
歌 ノレの会
韓国ゲストの特別アピール
主催 「韓国併合」100年 真の和解・平和・友好を求める2010年運動
(略称・2010年運動)
連絡先 日韓民衆連帯全国ネットワーク(03-5684-0194)
新しい反安保行動をつくる実行委員会(03-5275-5989)
VAWW-NETジャパン(03-3818-5903)
基地はいらない!女たちの全国ネット(03-5670-4837)
許すな!憲法改悪・市民連絡会(03-3221-4668)
在日韓国民主統一連合(03-3862-6881) *順不同
(郵便送付先 東京都文京区小石川1-1-10-105 日韓ネット気付)
■ 在日外国人青年シンポジウム
-マイノリティとともに考える「多文化共生」-
日 時:2010年2月21日(日) 13:00~17:00(12:30開場)
場 所:大阪市立中央会館 ホール
大阪市中央区島之内2-12-31 TEL:06-6211-0630
地下鉄堺筋線・長堀鶴見緑地線「長堀橋」駅より徒歩8分
資料代:800円
主 催:在日コリアン青年連合(KEY)
■ 安保50年の「日米同盟」を読み解く
~普天間問題・米軍再編の行方~
講師 半田滋さん(東京新聞編集委員)
日時 2月8日(月) 午後6時半~
会場 東京・文京区民センター 2階A会議室
(春日駅すぐ・後楽園駅3分・水道橋駅8分)
参加費 800円(会員500円)
主催 国連・憲法問題研究会
■ 市民による「事業仕分け」―― 2010年度防衛予算を斬る!
日時 2010年2月5日(金) 午後7時~9時
場所 東京・富士見区民館 洋室C
[JR、有楽町線、南北線、東西線、大江戸線「飯田橋駅」徒歩5分]
(TEL:03-3263-3841、「国連・憲法問題研究会」名で借りています)
案件と仕分け人
PAC3用改修費(639億円)等「ミサイル防衛」経費(1,225億円)
杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)
大型ヘリ空母(ヘリ搭載護衛艦)建造費(1,208億円)
木元茂夫(すべての基地に「No!」を・ファイト神奈川)
海兵隊グアム移転費(472億円)を含む「米軍再編」経費(1,077億円)
山口響(ピープルズ・プラン研究所)
参加費(資料代) 500円
■ 「警察の正義のために」
警察、その正義とは? 情報公開とは?
講師 元愛媛県警巡査部長 仙波 敏郎 氏
日時 2月19日(金)午後6時半開場 7時開演
場所 佐賀県立美術館ホール
(佐賀県佐賀市城内一丁目、 佐賀県庁の南)
参加費 500円
特定非営利活動法人 市民オンブズマン連絡会議・佐賀
事務局 佐賀市松原 4-6-29 電話 22-6483
■ 韓国MediACTを救え! アクション
李明博政権によるメディア運動つぶしに反対する「韓国MediACTを救え!アクション」として、以下の3つの行動が呼びかけられています。呼びかけは、レイバーネット日本・OurPlanet-TV・市民メディアセンターMediRです。ぜひみなさんのご協力をお願いします。国際署名と韓国大使館署名は別ですので、ぜひ2つともお願いします。
1.国際署名(直接、韓国に届き、MediACTへの激励になります)
・英語 http://www.gopetition.com/online/33662.html
・日本語 http://vpress.la.coocan.jp/mediact.html
2.韓国大使館への抗議署名(2/1に提出します。締切は1/31)
以下で署名ができます。
http://www.labornetjp.org/Campaign/2010/savemediact
3.「MediACTを救え!緊急ミーティング」
2月1日(月)18時~
メディアール(東京・高田馬場)地図
現地とネット中継でつなぎ、現況を聞きます。