コロンビアはラテンアメリカで第三位の人口(4100万人)を擁し、面積は第五位(114万1000平方キロ)、人口の56%、2300万人が、年間500米ドル以下で暮らしている。 700万人はさらに深刻な貧困のもとで生活している。 不平等は北米人にもよく知られている。 コロンビアでは、人口の1%が45%の富をコントロールしている。 上位10%が56%の富を所有している一方、下位10%が所有するのは0.38%である。 1990年に新自由主義「開放」が行われて以来、貧困と不平等は悪化している。 米州自由貿易地域(FTAA)のもとで、事態はさらに悪化すると予想される。 1990年に絶対的貧困は45%であったが、現在では56%である。
基本的に、合法的な経済活動は400名の人々の手に握られている。 これらの人々は国際資本と密接に結びつき、新自由主義「改革」から利益を得ている。 ポサダによると、住宅、スーパー、清涼飲料、そしてもちろんメディアは寡占状態である。 メディアが少数の手に握られているため、表現とコミュニケーションの自由が制限されている。 これはコロンビアでは重要である。
フェリックスは「逆土地改革」というプロセスについて話をした。 それは次のようなものである。「新自由主義以前」の経済は、農民への保障と消費者への食料の保障のために、農業への補助金があった。 けれども新自由主義は、これは非効率的であり、さらに重要なことには、不法で不公平だと述べた。 といっても、コロンビアにおいてはということである。 コロンビアという競争相手に保護撤廃を強制しながら、自国の農業には保護を与える米国とヨーロッパにおいてではない。 1990年以来、農業部門で14万の仕事が失われ、70万ヘクタールの土地が耕作されずに放置されることなった。 56%が貧困状態である。 これは十分悪いが、地方では、この数値は86%にのぼる。
あなたが、新自由主義政策によりたった今職を失った農業労働者だとしよう。 どこにいけばよいか?
他の形態の逆土地改革も存在する。 土地所有者が、小規模農家を追放するために金を出して準軍組織を雇い、大きな土地を手に入れて準軍組織に守らせるのである。 追放される農民が取ることのできる手だてについては、上を参照。
追放された農民により、コロンビアは大手コカ生産地となった。 15万家族がコカで暮らしている。 保健や教育、司法について国家の手が届かない地域では、しばしば、空白はゲリラによって埋められる。 コカにより、20億から25億ドルがコロンビアにもたらされるが、利益の大半は、メキシコのカルテルや米国のシンジケートが手にする。 それでも、20億ドルは、貧しい国にとっては大きく、暴力の動因となるに十分な額である。
ゲリラや準軍組織(パラ)といった武装勢力は、麻薬取引に課税することにより大きな収入を得ている。 FARCは約50%、パラは70%である。FARCは、誘拐や脅迫によっても収入を得る。 すべての武装勢力は規模も資源も増大させている。 こうした組織は年何億ドルもの資金を得ている。 FARCはこの15年間で、6000名から18000名にメンバーが増えた。 パラもこの10年で2000人から8500人に増えた。
軍も増大している。 軍の資金源は政府の資金であり−これは保健や教育に回すことができたはずだが−、そして米国の資金である。 フェリックスは、米国からの援助13億ドルは多額であるが、コロンビア政府自身は28億ドルを自ら費やしていることを我々に指摘した。 コロンビア人は、米国の利益に奉仕するために、自らの破壊の費用を自ら払っており、しかも、その栄誉ある立場を手にするために、米国の納税者の総額2倍を支払っているのである。
債務返済(40%)と官僚機構(50%)と軍事支出の間で、社会投資の資金はほとんど残されていない。 この事実と新自由主義とに挟まれ、失業率は1990年の9%から今日の20%へと上昇した。 地域によっては75%近いところもあり、月120ドルの最低賃金を得ているのは25%に過ぎない。 購買力は低下し、3百万人が過去3年間に、中産階級から貧困層へと移行した。 16歳から24歳までの若者の失業率は50%である。 武装勢力の兵士の多くが若いことは驚きではない。 6000人の兵士が16歳未満なのである。