ジョージ・W・ブッシュと女性の権利
2004年11月5日
ジョージ・W・ブッシュ氏が米国大統領に再選される中、ちょうど届いた No-Nonsense Guide to Women's Rights (London: Verso and NI, 2004)に、ブッシュと女性の権利について簡単に箇条書きで整理されていたので、紹介します。ちなみに、このシリーズは入門書として大変良質な内容のものが多く、いくつかは、青土社やこぶし書房(『グローバリゼーションとは何か』)などから日本語訳が出版されています。原書は新書版なので、翻訳もそうして欲しかったと思いますが・・・・・・
もとの情報源はここ。このブッシュ氏と信頼関係にある小泉政権のもとの日本では、教育基本法の改悪を求める動きが強まっています。女は女らしく、男は男らしく・・・・・・市民は臣民らしく。
- どのようなかたちであれ中絶を支援しているような組織への資金提供は停止された。たとえば国連人口基金に対して米国議会が割り当てた3400万ドルや世界保健機関のリプロダクティブ・ライツ・プログラムへの300万ドルは凍結された。一方、国連の会議の場で米国ブッシュ政権は、中絶反対のアジェンダを推進している。
- 2003年6月の議会で、米国での妊娠中期以降の中絶[late termination]が法で禁止された----1973年に中絶が合法化されて以来の、中絶に対する最大の制限である。
- ブッシュは、海外に駐留する女性兵士とその被扶養者が、軍病院で安全な中絶を受けることを禁ずる政策を支持している。そのための金を払っても受け入れない政策である。
- 2002年の予算でブッシュは、女性の連邦職員とその被扶養者に対する避妊に要する諸事の無料補助を撤廃する提案を行なった。
- ジョン・アッシュクロフト司法長官は、暴力を受けている移民女性が庇護を求める権利を制限する、ジェンダー迫害法令を施行したがっている。
- 2001年1月19日、ホワイトハウス女性のイニシアチブとアウトリーチ局が閉鎖された。クリントン政権時代に、女性の政治的関心を吸い上げるために設置されたものであった。
東京都石原都政の教育委員米長氏は、教育問題の根元は95%母親、女がわがままになったので教育しなおすべき、父兄会に戻して母親を閉め出し女は学校に口出しさせない、父は憲法母は法律母は一歩下がって父をたてよ、女性にとって母性が一番大事、などと発言しています。米長氏の発言等については、こちらにも。
一言で言うと、単に惨めな自立していない人物ですが、こうした人物が意志決定に影響を及ぼすところに結構たくさんいて、お互いにもたれあっているのが恐ろしい。
活発な活動を続けている「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」が、『アブグレイブ:ブッシュ政権中枢の第一級の国家戦争犯罪』というパンフレットを出版しました(700円)。ブッシュが再選した今、改めてブッシュの政策が何をもたらしているのかを示すタイムリーな出版です。
戦争をエスカレートさせないよう求める署名も参照して下さい。