アチェでの恣意的逮捕と処刑をめぐる行動要請
アチェ人権オンライン
2005年1月25日
犠牲者:ハムダニ・ハシェム(22歳)
侵害:
インドネシア軍(TNI)と民兵による恣意的逮捕と超法規的処刑
やっていただきたいこと:
国連事務総長コフィ・アナンに手紙/メールを送って下さい。
アナン事務総長のメール:ecu@un.org
Fax: +1 212 963 2155; +1 212 963 7055
CCを下記にお願いします。
atikah@kamlive.com, indonesia2@un.int, 1503@ohchr.org
ほかにできれば:
皆さんの国のインドネシア外交代表に要請を送って下さい
[インドネシア大使館の一覧はこちらにあります]
この要請を多くのかたに広めて下さい。
背景:
2005年1月23日(日)リスヤド一等曹長に率いられたTNI(インドネシア軍)部隊がPeusanganのAlue Iet村で農民ハムダニ・ハシェム(22歳)を拘束したのち射殺した。TNI兵士たちは、地域の村をパトロールする5人の武装民兵と一緒だった。目撃証人によると、軍と民兵は彼を殺した後で、彼がGAM(自由アチェ運動)のメンバーだったと主張して殺害を正当化するために携帯ラジオとアチェ旗を彼に持たせた。また、自分たちの主張が正しいとその植えつけた証拠を示すためにTNI兵士たちは人々が彼の遺体を葬儀のために運び去ることを妨害した。村人たちはハムダニはGAMのメンバーではなく、収入のために野菜を育てる貧しい農民家族の一人だったと語っている。
インドネシア軍はこのような暴力的な二枚舌プロパガンダを日常的に用いてきた。1975年10月16日、インドネシアによる東ティモールへの秘密侵攻を報道していた「バリボの5人」(オーストラリア人のグレッグ・シャックルトンとトニー・スチュワート、イギリス人のブライアン・ピータースとマルコム・レニー、ニュージーランド人のゲイリー・カニンガムの5人)は、豪のテレビネットワークのために国境に近い東ティモールのバリボ村で報道を行なっていた際、インドネシア軍によるフレテリンの攻撃で殺された。目撃証人によると、非武装だった5人のジャーナリストは「オーストラリア人だ、オーストラリア人だ」と叫び両手を上にあげたが射殺された。このときインドネシア軍はプロパガンダのためにフレテリンの軍服を5人に着せ、「オーストラリア人共産主義者」として写真に収めた後で遺体を焼いた。当時オーストラリア政府あこれに抗議もせず、この事件を隠蔽しようとするオーストラリアとインドネシアの共謀関係は今日まで続いている。
アチェでもまたインドネシア軍は「成功」を見せつけるために2003年5月の軍事戒厳令適用後、こうした嘘のプロパガンダを使って無実の人々を殺している。2004年9月27日、インドネシアは、7000人近いGAMのメンバーが殺されたか拘束されたかし(もともと粉砕すべき標的としてあげたGAMメンバー5000人よりも多い)GAMの拠点のほとんどを制圧したため、戦争に疲弊したアチェ州の治安は改善されたと発表した。
アムネスティ・インターナショナルは「2004年9月、インドネシア軍は2003年5月以来2879人のGAMメンバーを殺したと主張してきた。また、同じ時期662人の民間人犠牲者が出たことを認めている」がそれはGAMによるものだとしていると報じている。しかしながらインドネシアの人権団体と国際的な人権団体はいずれも、犠牲者のほとんどは地方部で掃討作戦を行なっているインドネシア軍に巻き込まれた民間人であることを確認している。
2004年12月26日の大地震と津波がアチェ州を襲った後も、双方ともに緊急事態の際は戦闘を行わないと述べているにもかかわらず、インドネシア軍とGAMとの散発的衝突が伝えられている。2005年1月20日、インドネシア軍参謀長リャミザード・リャクドゥ将軍は救援作戦を妨害しようとしていた120人のGAMメンバーを殺害したと豪語した。これは、アチェに数千人のインドネシア軍兵士を追加派遣したのはもっぱら救援活動だけのためであるというインドネシア政府の主張と矛盾している。
これに対し、GAM報道官テング・ジャマイカは、殺されたGAMメンバーは20人だけで、他の100人は非武装の民間人であったとしている。彼はまたGAMは援助車列を狙っていないと述べ、インドネシア軍が12月26日の津波後の非公式な停戦を破っていると非難している。GAM指導者たちは援助ワーカを襲撃していないと繰り返し述べ、援助活動のためにインドネシア政府と対話の準備があるとして、非公式の停戦を開始し、またインドネシア軍がアチェ州で活動する数千人の援助ワーカに治安対策を適用するための口実としてGAMを非難する主張を捏造していると発表している。
大規模な援助活動を行なっている海外の援助団体はGAM兵士による脅迫や攻撃は受けていないと報じており、バンダ・アチェの外に行くためには武装エスコートが必要であるとインドネシア軍が主張する理由について疑問を呈している。
インドネシア軍は体系的な弾圧を進めるための手段として民兵を使ってきた。1月21日サンフランシスコ・クロニクル紙は次のように報じている:1999年の東ティモールのインドネシアからの離脱[ママ]の際の暴力で何十人[ママ:本当は1000人規模]もの独立派支持者を殺したと同様に軍の後押しを受けた民兵は、津波の被害を受けたアチェ州で救援活動を開始したが、人々は軍が民兵を使ってアチェ分離派の停戦を破壊しようとしていると恐れている〔・・・・・・〕アチェの民兵メンバーは自分たちの上官はアダム・ダミリ少将であると述べているが、アダム・ダミリは1999年の住民投票の際民兵による襲撃を司令した者として東チモールの重大犯罪部により訴追されている。インドネシアは自国民の東ティモール当局への引渡しを拒絶しているため、彼は裁判を受けていない。インドネシア軍の参謀の第二の地位にいるダミリは1月1日にバンバン・ダルモノ少将と代わるまでアチェの津波救援作戦を支持していた。他の国と援助団体は戦争犯罪容疑者と共同で活動することを拒否したと伝えられている。津波が起きる前、アチェは外の世界から完全に遮断され封鎖されていた。インドネシア政府は、津波に対する援助活動を行なっている外国の部隊に3月26日までに撤退せよとの時限を設定することで、外国がアチェに関与することを避けたがる姿勢を示している。
手紙例文:
Mr KOFI ANAN
Secretary General of the United Nations
ecu@un.org
Dear Mr Kofi Annan,
I strongly protest the arbitrary arrest and extrajudicial killing of a farmer, Hamdani Hasyem, 22, on 23 January 2005 in his village, Alue Iet, Peusangan by TNI troops commanded by First Sergeant Risyad. The TNI troops are stationed in the village with five militias who are armed and patrol the villages in this area. According to eyewitnesses, after they killed him they placed a hand-held radio and an Achehnese flag on his body to justify their claim that Hamdani Hasyem was a GAM member. The TNI troops prevented people from coming to get his body for the funeral in order to show to the public the evidence of their claim. The villagers insist that Hamdani was not a GAM member and say he was from a poor family that depends on farming vegetables for their income.
Keeping in mind, the Indonesian military has a well-recorded history (including East Timor in September 1999) of taking duplicitous actions to justify its extensive human rights violations that are continuing with the back up of military-backed militia groups during the post-tsunami relief operations, I appeal to the United Nations to pressure the Indonesian government to indefinitely lift the deadline for the withdrawal of foreign troops and workers until the full completion of the reconstruction effort. The United Nations must establish, in cooperation with the international community, appropriate procedures and measures to ensure the future protection all Achehnese civilians.
I ask that you strongly urge President Susilo Bambang Yudhoyono to honour his electoral promise to find a solution to the conflict and press the Government of Indonesia to:
* guarantee an impartial and exhaustive inquiry into the murder of Hamdani Hasyem, identify those responsible, both the military and the paramilitary groups involved, and to prosecute those responsible to the fullest extent of the law
* immediately cease all offensive military operations in Acheh and put an end to the human rights violations which continue to be perpetrated by the Indonesian military and by civilian militia and paramilitary groups
* to immediately disarm all civilian militia groups in Acheh
* to allow unrestricted access to all areas of Acheh for UN human rights monitors, international and local human rights organizations, in order to provide ongoing human rights monitoring
* take steps to bring about an agreement with GAM for a complete cease-fire in the territory
* to support fully the current initiatives by Finnish President Martti Ahtisaari and the Crisis Management Initiative (CMI) to establish a peaceful and democratic solution to the conflict in Helsinki.
Yours sincerely
[あなたのお名前]
コピーを以下に送って下さい:
Mr ABDUL HAKIM GARUDA NUSANTARA SH. LLM, インドネシア国家人権委員会書記長
atikah@kamlive.com
H.E Mr. MAKMUR WIDODO, インドネシア国連大使
indonesia2@un.int
Mr Mike Smith, 国連人権委員会委員長
1503@ohchr.org
Mr HARI SABARNO, インドネシア政治治安相
polkam@polkam.go.id
手紙の主旨:
ハムダニ・ハシェム殺害に強く抗議します。あなたがインドネシアのユドヨノ大統領に対し以下を強く求めることをお願いします:
- 彼の殺害について公正な調査を行い責任者を処罰すること
- ただちに軍事作戦をやめ人権侵害をやめること
- 民兵の武装を解除すること
- アチェ全域に国連人権モニターおよび国内外の人権団体の派遣を認めること
- GAMとの完全停戦実現の手だてをとること
- ヘルシンキで行われているフィンランドのマルッティ・アハティサーリ首相と危機管理イニシャチブによる平和実現の努力を支援すること
緊急要請の担当組織:
「アチェ人権オンライン」(AHRO)および「アチェ危機下の女性達」(AWIC)は、オーストラリア・アチェ人協会の下位組織。メールは:
achehcomaust@hotmail.com
ahro_aca@hotmail.com
awic_aca@hotmail.com
以下のような写真展があります:
「ダール・ジャマイルが告発するファルージャの大虐殺」
▼日時: 2005 年2月19日 (土)、20日(日)
▼午前10時 から 午後5時まで
▼会場名: 阿倍野市民学習センターギャラリー
▼最寄り駅: 大阪地下鉄谷町線あべの駅 JR天王寺駅
▼入場料: 無料
ダール・ジャマイルは『ファルージャ2004年4月』の共著者で2004年4月にファルージャで救援活動を行なった他、2004年末からもイラクを訪れて継続的にイラクの状況を報道しているジャーナリストです。彼の記事の日本語版は「ファルージャ2004年4月ブログ」で紹介しています。
お近くの方、是非お誘いあわせの上、行ってみて下さい。
もう一つ。カットされた中には東ティモールの日本軍による元性奴隷の証言も入っているはずの・・・
NHK番組改変問題:東京大学キャンパスでの緊急集会
▼ 日時:2005年2月5日(土)14:00〜18:00
▼ 場所:東京大学経済学研究科棟 1番教室
(地下鉄丸の内線「本郷三丁目」下車3分)
会場地図はこちらをご覧ください。
▼ 資料代:500円
▼ 内容:ビデオ上映・パネル等