DebtNet通信 (番外編) |
「ジャカルタ会議の報告」 プレスレリース |
2006年6月12日 |
独裁者の債務を帳消しにせよ 不当な債務の帳消し国際会議は、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ15カ国の社会運動、市民社会組織を代表する150人が参加した。同時に債務奴隷のくびきと闘っている人びとに共鳴している国会議員や政府官僚たちも参加した。 会議の目的は、不当な(Illegitimate)、汚い(Odious)、独裁者(Dictator)の債務が南の国ぐにの貧しい人びとに及ぼしている影響していることをより深く理解することにあった。これらの債務の帳消しの戦いの中で得たそれぞれの運動と組織が得た経験を持ち寄った。そして、それぞれの国内、国際キャンペーンに見られた断固たる決意に勇気づけられた。債務に反対するグローバルな闘いは多くのものを獲得しており、この闘いを続け、強化していくことを確認した。 南の人びとは、過去数十年にわたり債務と債務の返済に何兆ドルも奪われてきた。これは経済的低発展性と社会的後進性の最大の原因となっている。毎年、何十億ドルも世界で最も豊かな国ぐにの銀行や国家に返済しているにもかかわらず、債務は減らないどころか、より増えている。2004年には2.6兆ドルに達した。南の政府の中には、国家予算の半分が債務返済に使われた例もある。これはアジア、アフリカ、ラテンアメリカの人びとを何代にもわたって苦しめてきた飢餓、貧困、惨めさの原因である。 貪欲なパリクラブ政府、銀行、国際金融機関などはこれらのことに無関心である。彼らが関心を持つのは、どのような社会的、文化的、また環境面でも主権を破壊するかではなく、ただ返済されるかにある。重債務貧困国イニシアティブ(HIPCs)、や多国間債務救済イニシアティブ(MDRI)といったいわゆる債務問題のイニシアティブさえも不幸にも単なる飾り物、あるいは不十分なものに過ぎない。同時、ノルウエー政府の「不当な債務の存在を認める」といった積極的な行動はあまりにも少ない。 債務の返済には、南の人びとの搾取、彼らの社会公共サービスへの権利を奪い、農業、林業、鉱物資源の略奪を伴う。債務はまたネオ・リベラルなグローバリゼーションの破壊的な一方的な政策を押し付けるのに使われている。このグロテスクな状況を終わらせるべきである。さもなければ、世界の大多数の貧しい人びとがさらに貧しくなる。北の政府はミレニアム開発ゴール(MDGs)や開発のための金融イニシアティブなどをレトリックから実行に移すことが求められている。 1. 南の債務の多くは、明らかに重債務であり、腐敗にまみれており、債権者に強制されたものであり、人びとと環境に害となるが、北の掲載政策に利益となるプロジェクトにために使われたため、債務を返済するためにまた借りているのである。人びとはこのような不当な債務の返済を拒否している。 2. とくに我々は、マルコス、スハルト、ピノチェト、デュバリエ、モブツなどの独裁者、アパルトヘイト政権、軍事政権といった世界でも最悪の独裁に北の債権者が喜んで貸した債務にぞっとしている。この債務は1950〜1996年間で4、510億ドルにのぼっている。これは単に独裁者と北の共犯者を富ましただけで、一方では、何十万人もの殺害、行方不明、拷問、人権侵害を生み出した。 3. 南の人びとは長い間債務を返済してきた。しかし、これは不当であり、汚い債務であったので返済すべきでなかった。このような長い間の不正義はわすれさるべきではなく、正されるべきである。 4. 南の債務と返済はあまりにも大きくなっており、さまざまな形態をとっているのでその全貌を知るのは困難になっている。北の債権者は自己の犯罪と与えた災害の大きさを隠すために使っている。 5. 我々は、この歴史的な重い、不正義の債務にたいする闘いが社会運動や市民社会組織の力の結集によるものであり、また進歩的な国会議員や政府官僚と協力した賜物であることを認める。我々は南と北において現在進行中のキャンペーンやイニシアティブに貢献する。すべての不当な、独裁者の債務の帳消しに向かって、以下のことを行う; a. 南の国に与えた債務の重圧とその影響を理解するために; 債務の重圧は現代の最も緊急な問題である。汚い、不当な債務の帳消しキャンペーンは南の債務と外国の支配を終わらせる闘いの第1歩である。しかし、南の人びとがこのように長い期間債務の重荷に苦しめられてきたばかりでなく、世界の一部の人びとが押し付けた貿易と投資の自由化、民営化、規制緩和といったネオ・リベラルな政策の結果でもあるのだ。 |