「東電と共に脱原発をめざす会」 「共の会」事前質問(2022.10.4)に対する回答 2022年10月21日に送られてきた回答書 |
2022.10.19 「共の会」事前質問(2022.10.4)に対する回答 当社福島第一原子力発電所における事故、および、放射性物質の漏えいにより、立地地域の 皆さま、さらには広く社会の皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけしていることを、心より深く お詫び申し上げます。 いただいた事前質問について、以下の通り回答いたします。 (山辺 真一さま) 〈汚染水対策について〉 ●ALPS処理水海洋放出について Q1.トリチウム放出完了のリスクについて 福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の取扱いに関する検討状況につい て2021-08-25 東電公表資料 https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/1635125_8711. html 別紙 2:多核種除去設備等処理水の取扱いに関する安全確保のための設備の検討状況につ いて https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/pdf3/210825j0102.pdf 3-(2) 放出シミュレーショ ン において? 55 頁〜 ケース A:タンク保有(780 兆 Bq)に加え、(汚染水)発生も見込んで年 間 22 兆 Bq を設定、2051 年度放出完了となる。事故前の福島第一の年間放出量は 2 兆 Bq。…4/21(東電)説明。 ? 汚染水発生量が 2025 年以降 100m3/日、年間 22 兆 Bq の放出量で 2051 年に放出を完 了するには、2050 年迄にデブリの取出し作業を終え、汚染水発生量がゼロになる前提によ る。…6/15(東電)説明。 ? 福一原発のリスクは、福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画T2.3「特定 原子力施設における主なリスク」及びT2.4「特定原子力施設の今後のリスク低減対策」に明示 し、原子力規制委員会より認可をいただいております。…8/27(東電)回答。 (継続質問) シミュレーション前提条件に「2050 年迄にデブリの取出しを終え、汚染水発生がゼロになる」記 載が必要です。 具体的な方策すら定まっていないデブリの取出しが終わらない限り、処理水の放出は 2051 年 以降も延々続く。 漁業組合をはじめ地元・関係者にとって受容れがたい「次世代へのリスク」ではありませんか。 原子力規制委員会の認可に「リスク」認識が欠けていたなら、改めて説明・協議を重ねるべき ではありませんか。 (回答) 実施計画T2.4「特定原子力施設の今後のリスク低減対策」に記載の通り、ALPS 処理水の海 洋放出を実施しない場合、廃炉作業に必要な施設の設置のための施設が確保出来ず、燃料 デブリの取り出しにも影響を与えることとなります。 当社としては、中長期ロードマップ策定時からの目標である「30〜40 年後の廃止措置終了」に 向けた取組を着実に進めていくことが重要であると考えており、引き続き、30〜40年後の廃 炉終了を目指し、取組を進めてまいります。 Q2.放出総量のリスクについて 福島沖に集中する実績の 10 倍を超える放出量について、リスクとして明示すべきではありま せんか。 ? 2022-7-22 認可された実施計画の「多核種除去設備等処理水(ALPS 処理水)の海洋放出 に係る放射線影響評価報告書」に、年間 22 兆 Bq のトリチウムを放出した際の放射線影響を 評価しております。 その結果、人への被ばく線量は年間 0.00003〜0.0004mSv となっており、一般公衆の線量限度 である年間 1mSv の約 3 万分の 1〜3000 分の 1 となり、線量限度を大きく下回っておりま す。 ALPS 小委員会報告書にも示されているとおり、国内外の原子力施設からトリチウムの海洋放 出が行われており、その量が福島第一原子力発電所の放出量年間 22 兆 Bq を大きく上回る 施設も多く存在します。 ・加圧水型軽水炉を有する発電所の事故前3年平均の実績は1発電所当たり約18兆〜83 兆 Bq/年、 ・沸騰水型軽水炉を有する発電所の事故前3年平均の実績は1発電所当たり約 316 億〜1.9 兆 Bq/年。 国内の原子力発電所では周辺海域でモニタリングが行われておりますが、周辺海域の海水濃 度は検出下限値未満〜1,100Bq/L でした。…8/27(東電)回答。 (継続質問) ・福島と同じ沸騰水型軽水炉の実績は1発電所当たり 2 兆 Bq/年未満、(上回る例はない) ・加圧水型軽水炉の実績は1発電所当たり約 18 兆〜83 兆 Bq/年、(上回る例がある) と示し た上で実績×年数を比較する丁寧な説明を公にする姿勢が必要ではありませんか。 沸騰水型の実績地域に 10 倍を超える放出量を押付ける感が拭えません。未経験のリスクで はないですか。 (回答) 当社が実施した放射線影響評価では、トリチウム放出量を 22 兆 Bq/年とした場合、人への被 ばく影響は 0.00003〜0.0004mSv/年と自然放射線量(日本平均:2.1mSv/年)に比べて十分低 い値であると考えております。 Q3.リスクの説明責任と回避策について 「2020 年内汚染水の発生ゼロ」計画が崩れたことで「処理水の保管」の破綻が迫り、放出を余 儀なくしている。 「発生ゼロ」を早期に達成すれば、放出によらない知恵を出し合う可能性が生まれるのではな いですか。 ? 中長期ロードマップに記載されている「2025 年内に汚染水発生量を、1 日当たり 100 ?以下 に抑制」目標の達成を目指して取組を継続しております。中長期的な汚染水抑制対策について は将来的な課題の一つとして、引き続き、検討してまいります。…8/27(東電)回答。 (継続質問) 「汚染水発生量の抑制」を目指すだけでは放出完了に至る道筋は見えません。 「汚染水発生量がゼロ」を目指して今から取組まねばなりません。「デブリの取出し完了」がロ ードマップを守れる保証が無いなら、デブリの存在・一次冷却水があろうとも「汚染水の発生ゼ ロ」の目標・方策の再構築が必要ではないでしょうか。将来的な課題ではありません。 (回答) 中長期ロードマップに記載されている「2025 年内に汚染水発生量を、1 日当たり 100 ?以下に 抑制」目標の達成を目指して取組を継続しており、抜本的な流入抑制対策についても引き続き 検討してまいります。 ●建屋滞留水について Q4.滞留水の高濃度放射性物質・沈降汚泥の認識と漏洩のリスクについて 2021-02-22 特定原子力施設監視・評価検討会第 88 回会合 https://www.nra.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi/140000121.html 同議事録 https://www.nsr.go.jp/data/000346444.pdf >75 頁:東電より JAEA(建屋滞留水)分析結果、数μm の粒子の検出から「沈降分離」の効 果を推測している。 >原子炉建屋からプロセス主建屋など集中廃棄物処理建屋に移行する中で、沈降分離する。 …報告がある。 同【資料 1-4】建屋滞留水処理等の進捗状況について(2021-02-22) https://www.nsr.go.jp/data/000343795.pdf 4 頁:建屋滞留水中の放射能濃度推移として、水溶性であるはずのセシウム Cs137 濃度が深 部で〜2桁高い、沈降粒子態を示す測定値(グラフ)が開示されている。 8-15 頁:α核種分析には、〜数μm の粒子の元素組成では鉄成分が主であること、α核種に 加えセシウム、コバルト等の放射性物質の付着検出結果が示されている。 ? 議事録・資料の通り、数μm 以上の粒子はプロセス主建屋等で沈降することとなりますが、 粒子であることから水よりも流れにくく、建屋外に出ていく可能性は更に低い状況です。建屋周 辺のサブドレン水のモニタリングは実施しており、その分析結果は、当社ホームページに掲載 しております。 …6/14(東電)事前回答。 ? 建屋内外の水位管理及びサブドレン水の放射能濃度測定により建屋外への漏えいがないこ とを確認しており、「サブドレンの沈降汚泥の採取調査」は必要ないものと考えております。…8/ 27(東電)回答。 (データ開示のお願い) 1)建屋滞留水深部(各号機 R/B,T/B,トレンチ及びプロセス主建屋等)の沈降汚泥の放射能 濃度データ 2)建屋各号機周囲のサブドレンの沈降汚泥の放射能濃度データ (継続質問) 「従来の」放射能濃度測定では見過ごされてきた汚染拡散を監視するには、沈降汚泥の採取・ 調査の手法(例:2号機 R/B 滞留水の採取器を用いたサンプリング法)を確立し、滞留水・建 屋内汚染水の分析結果報告に(従来データの連続性を尊重しつつ)沈降汚泥の結果を並記 し、全域の「真値」を報告するべきではありませんか R/B 滞留水から拡散している汚泥が、建屋外に出ていく可能性が低いものか、実測のない予 断は許されません。 「従来の」サブドレン水の測定では「沈降汚泥」が見えていない、建屋外への漏えいが「ない」こ とを確認しているとは言えません。「沈降汚泥」の採取調査によって「ない」ことの確認が必要で す。 建屋滞留水との比較の上で、まずサブドレン(海側)に着目、更に観測井(海側)及び遮水壁外 の観測井まで、沈降汚泥に桁違いの放射性物質の存在がないのか、検証し実態を探ることが 最優先ではありませんか。 (回答) 建屋内外の水位管理及びサブドレン水の放射能濃度測定により建屋外への漏えいがないこと を確認しており、「サブドレンの沈降汚泥の採取調査」は必要ないものと考えております。 Q5.滞留水の高い塩化イオン濃度と原因 【資料 1-4】建屋滞留水処理等の進捗状況について(2021-02-22) https://www.nsr.go.jp/data/000343795.pdf 8 頁:2020 年、2号機原子炉建屋滞留水のサンプリングにおいて、高い塩化イオン濃度が示さ れている。 山側の地下水(真水)が減少してくれば、海側潮汐の影響を大きく受ける可能性があります。 「地下水のみずみち」により、建屋滞留水への海水浸入と汚染水漏洩を1日2回繰り返してい ることが考えられます。 流れのある海水は凍りにくい。管理区域のサブドレン、観測井の海水データ(塩化イオン濃度) を分析・開示し、地下水の分布(塩水と汚染)・遮水壁の効果(浸入と漏洩)を検証・再評価すべ きではありませんか。 ? 事故当時の津波の浸入による海水の影響と考えております。…6/14(東電)事前回答。 ? 2号機原子炉建屋深部の建屋滞留水は、 震災初期の高濃度滞留水がよどみ状態にあるこ とから、塩化物イオン濃度も高いものと考えております。…8/27(東電)回答。 (データ開示のお願い) 3)淡水化循環域、原子炉建屋1,3号機及びプロセス主建屋等の塩化イオン濃度データ 4)原子炉建屋の周囲サブドレン及び観測井の塩化イオン濃度データ (継続質問) 10 年、数百m2/日の滞留水回収・循環(淡水化装置)処理によって、どこによどみが残るとお 考えでしょうか。 2号機の特異な問題でしょうか、(滞留水循環系)淡水化システム全域の評価が必要です。 8 頁:塩化イオン濃度 13,875ppm(2020.2.13 採取)は滞留水底部と 1m上部で数値は一致して います。 トーラス室内でイオン水のよどみや偏在は考えられません。 同 :4ヶ月後に濃度 20,200ppm(2020.6.30 採取)と変化しているのは外部要因と考えざるを得 ません。 10 頁:海水由来の元素が確認されている。…自らの報告に原因調査が必要ではありません か。 (回答) 事故当時の津波の浸入による海水の影響と考えております。 2号機原子炉建屋深部の建屋滞留水は、 震災初期の高濃度滞留水がよどみ状態にあること から、 塩化物イオン濃度も高いものと考えております。 Q6.プロセス主建屋等滞留水の水位運用について 原子炉建屋の汚染水を(遮水壁の外)海に近いプロセス主建屋等に移送・貯留している。滞留 水が周囲の地下水、更に港湾外の海へ直接流出する恐れのある構図 と見えます。検証すべ きリスク対象ではありませんか。 図1 プロセス主建屋等の位置関係 表 1 プロセス主建屋等、(滞留水)内水位と建屋周囲(地下水)水位 単位:メートル プロセス主建屋 内水位 高温焼却炉建屋 内水位 サブドレン No.112 水位 プロセス主建屋(東)海側の 地下水位(上限-下限) 2012-3 月 T.P.+2.757 T.P.+1.489 T.P.+6.0 T.P. -T.P. 2015-3 月 T.P.+3.346 T.P.+0.945 T.P.+7.0 T.P. -T.P. 2018-3 月 T.P.+3.042 T.P.+0.867 T.P. T.P. -T.P. 2019-3 月 T.P.+2.674 T.P.+0.261 T.P. T.P. -T.P. 2020-3 月 T.P.+0.998 T.P.+0.697 T.P. T.P. -T.P. 2021-3 月 T.P.+0.667 T.P.+0.062 T.P. T.P. -T.P. 2022-3 月 T.P.-0.159 T.P.-0.409 T.P. T.P. -T.P. *たまり水の貯蔵及び処理の状況について-週報/廃炉・汚染水・処理水対策チーム事務局 会議-資料より ? プロセス主建屋等の滞留水は、1〜4 号機の原子炉建屋・タービン建屋と同様、周辺の地下 水位よりも低くなるよう建屋内の水位を運用し、建屋外に漏れ出ないよう管理を行っておりま す。…6/14 (東電)事前回答。 ? プロセス主建屋周辺は陸側遮水壁の南側の外側であり、西側(山側)からの地下水が陸側 遮水壁で遮られず、プロセス主建屋周辺の地下水位は陸側遮水壁内に比べ高い地下水位と なります。 2011 年 4 月〜2015 年 8 月のデータとなりますが、下記 URL に掲載の集中廃棄物処理施設 周辺のサブドレンピット水位計測結果をご確認ください。…8/27(東電)回答。 ■ サブドレンピット水位計測結果 https://www.tepco.co.jp/decommission/data/past_data/subdrain_pit/index-j.html (データ開示のお願い) 5)サブドレンピット水位計測結果 2015 年以降〜近年迄のデータ 6)プロセス主建屋の東側(海側)に位置する観測井の水位データ (継続質問) URL サブドレンピット水位計測結果 サブドレン配置図 No.112(プロセス主建屋北東角) アーカ イブPDF では 2011 年〜2015 年:OP+4.7m〜8.8m(TP+3.3m〜7.4m) と水位が上昇しています。 サブドレン No.112 の水位が TP+7m以上に上昇するのは、プロセス主建屋及び周辺の地下構 造物(サブドレンピットを含む)が南北に続く遮水壁となり No.112 以西の地盤地下水位を押し 上げている結果と考えられます。 ・(遮水壁効果の)水頭差が生じ、プロセス主建屋の東側地下水位は(西側より)降下する可能 性があります。 →原子炉建屋の場合、海側遮水壁により水頭差は無くなりますが、当該域に同様の効果はあ りますか。 ・サブドレン水により放射性物質の漏洩をモニタするには(海側)当該域の地下水位より低い確 証が必要です。 →原子炉建屋の場合、海側観測井による水位監視がありますが、当該域に水位監視の確証 はありますか。 山側地下水位にあるサブドレン No.112 で、(下流)海側地下水域の漏洩放射性物質を監視で きるのですか。 (回答) プロセス主建屋等の滞留水は、1〜4 号機の原子炉建屋・タービン建屋と同様、周辺の地下水 位よりも低くなるよう建屋内の水位を運用し、建屋外に漏れ出ないよう管理を行っております。 SD No112 はプロセス主建屋の海側に位置し確認しております。 Q7.プロセス主建屋の汚染水漏洩リスクについて 当該域は遮水壁の外、海側潮汐で「地下水のみずみち」より、海水浸入と汚染水漏洩を1日2 回繰り返す。 拡散の恐れを持って、当該域に観測井(海側)を設け、「沈降汚泥の採取調査」が必要ではあり ませんか。 海域モニタリングにおいても、「海側遮水壁の南岸域」について、注目・加える必要がありませ んか。 特定原子力施設監視・評価検討会第 98 回【資料 3-4】建屋滞留水処理等の進捗状況につい て (2022-03-14) https://www.nsr.go.jp/data/000383578.pdf において、 17 頁:3-1.プロセス主建屋,高温焼却炉建屋の滞留水一時貯留タンク概要 プロセス主建屋地下2階を大雨時等の流入量増大時に使用(室内水位が上昇)することを容 認しています。 21 頁:【参考】滞留水一時貯留タンクの概略系統図 滞留水一時貯留タンクの滞留水受払いフ ロー B 受入槽に沈降したスラッジ等は必要に応じて当面の間 PMB 地下に排出 とあります。 プロセス主建屋(PMB)の代替設備を作っても結局、沈降汚泥(スラッジ)は PMB に戻ってきま す。 (一時貯留タンクを作る以前に)むしろ一時止水対策が急がれる課題ではありませんか。 ? 既に回答のとおり、建屋内外の水位管理及びサブドレン水の放射能濃度測定により建屋外 への漏えいがないことを確認しており、ご提案の「沈降汚泥の採取調査」等は必要ないものと考 えております。 当社が計画する海域のモニタリングについては、2022 年 3 月 24 日に公表した海域モニタリン グ計画に関する資料をご参照ください。…8/27(東電)回答。 (継続質問) ・2015 年以降、地下水バイパスで(山側)の地下水位が下降し、相対的に(海側)の地下水位も より下降します。 →その上で、プロセス主建屋等の滞留水を周辺(海側)の地下水位よりも低くなるよう運用し、 建屋外に漏れ出ないよう管理されているのか、検証が必要ではないですか。 加えて「従来の」測定では見えていない「沈降汚泥」の採取調査によって「ない」ことの確認が必 要です。 建屋内滞留水との比較の上で、まずサブドレン(No.112)、更に海側の領域(観測井)に、沈降 汚泥に桁違いの放射性物質の存在がないのか、検証し、実態を探ることが最優先ではありま せんか。 (回答) 既に回答のとおり、建屋内外の水位管理及びサブドレン水の放射能濃度測定により建屋外へ の漏えいがないことを確認しており、ご提案の「沈降汚泥の採取調査」等は必要ないものと考え ております。 SD No112 はプロセス主建屋の海側に位置し確認しております。 ●汚染水発生ゼロに向けて Q8.「汚染水の発生ゼロ」の見通しが崩れたことで「ALPS処理水の保管」の破綻が迫り、追 い詰められる。 廃炉計画の核心が目標達成されずに消えたままで、廃炉スケジュールの信頼性が保てます か。 ? これまでに、原子炉格納容器の止水に向けて、遠隔の調査装置を用いて、漏えい個所の調 査を実施しており、1、3 号機で一部の漏えいを確認しましたが、全ての漏えい箇所を特定する ところまでは至っておりません。 閉じた冷却ループのためには、止水工事が必要であり、そのためには、漏えい箇所の調査・特 定、止水方法の検討、遠隔ロボットの選定・開発、止水方法のモックアップ試験、止水部分の 維持管理方法の検討等が必要となることから、相当の時間を要することが考えられます。…6/ 14(東電)事前回答。 相当の時間を要するからこそ、目標と定め、具体策を出来るところから進めて行く姿勢が必要 ではないですか。 * 「汚染水を漏らさない」:「閉じた冷却ループ」=注入冷却水を圧力抑制室(S/C)から回収す る。 格納容器(D/W、S/C)内の水位を下げ、外流れ・漏洩を抑止する。止水工事を必要としない方 策を提案します。 * 「汚染源に水を近づけない」:トーラス室を取囲む全ての地下室に、連通水を遮断し内外周 を止水(独立排水)、ドライアップ(除染まで)を完遂する。結果、汚染源トーラス室の「浸水と漏 水」を周りから抑止する。 ? 汚染水発生の抑制につきましては、引き続き、凍土方式の遮水壁、サブドレンの運用に加え て、建屋屋根損傷部の補修や建屋周辺エリアのフェーシングを進め、発生抑制に努めてまいり ます。… 8/27(東電)回答。 (継続質問) (2021 年)滞留水汚泥の「沈降する高濃度放射性物質」がプロセス主建屋まで拡散しながら、 処理装置には 2 桁減の上澄みしか回収できない、沈殿汚泥の拡散・蓄積が膨らむままの状 態、を規制庁・東電で認識されている。 ・汚染回収・処理機能が損なっているのに、ALPS 処理水だけが発生している状態は不合理で はないですか。 ・デブリ由来の汚染水に加えスラリー・スラッジまで、将来への課題・負債が積み上がるばかり ではないですか。 ・滞留水の沈殿汚泥の拡散・蓄積、管理区域・環境・海洋への漏洩・汚染リスクが高まっている ではないですか。 地下水の発生抑制に終始しているだけでは、廃炉に向けて本丸の環境整備に一歩も踏み出せ ていません。 「汚染水の発生ゼロ」に向けて「一次冷却水の閉ループ循環を取り戻す」ことで格納容器の漏 洩を止める。 方策の再構築によって、ロードマップの信頼を取り戻す。(相当の時間を要するからこそ)廃炉 スケジュールのマイルストーンとなる目標と定め、今、具体策を持ち、出来るところから進めて 行く姿勢が必要ではないですか。 改めまして 「II.福島原発事故 汚染水の発生対策(2022-10 改訂版)」(別添)を審議する意向 はありますか。 (回答) 中長期ロードマップに記載されている「2025 年内に汚染水発生量を、1日当たり 100 ?以下に 抑制」目標の達成を目指して取組を継続しており、抜本的な流入抑制対策についても引き続き 検討してまいります。 (さとう みえさま) 〈東電の姿勢について〉 Q9.『「廃炉」という幻想』吉野実著 光文社新書で(P.161)東電の対応について次のように書 かれています。「都合の悪い話はなるべく小さく表現する。難しい表現をして、聞いている方が 何だかわけがわからなくなるように誘導し、うやむやにしてしまう」。 7月13日、東京地裁の株主代表訴訟の判決文では「有識者の意見のうち都合の良い部分を いかにして利用し、また、都合の悪い部分をいかにして無視ないし顕在化しないようにするかと いうことに腐心してきた」とされ、そのため原子力事業者及びその取締役として「求められてい る安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と旧経営陣に多額の賠償を命じました。 本では、福島事故後の東電の対応について書かれていて、判決では福島事故前の旧経営陣 の姿勢が問われています。東電は福島事故前から都合の悪い話を無視していて、事故後もそ の体質がまるで変わってないということではありませんか。都合の悪い情報にも真摯に向き合 って対応してください。 (回答) 福島第一原子力発電所の事故以降、これまでの改革が有効であったかどうかを踏まえつつ、 現在、原子力改革を進めております。 原子力改革の活動は、いずれも継続的に活動し、理解と共感を得ていくことが重要であると考 えており、必ずや成し遂げるという覚悟で、しっかりと実施してまいります。 〈福島第1原発1号機の耐震性について〉 Q10.1号機の原子炉を支えるペデスタルの基礎が溶融しコンクリートが溶け鉄筋と鉄骨がむ き出しになっている問題で、森重晴雄氏(元三菱重工伊方3号機建設機器班長)は330ガルの 地震で汚染水タンク滑落、440ガルで原子炉が倒壊すると主張しています。東電はこの意見を 真摯に受け止め、耐震評価をし直すべきではありませんか。 福島事故対策検討会 http://www.internetkobe.jp/fukushima/000.cgi 森重晴雄×おしどりマコケン緊急 zoom 対談 「ふくいち 1 号機は今どうなっているの?」 https://www.youtube.com/watch?v=lr_ztngbe_c (回答) 1号機の原子炉圧力容器(RPV)および原子炉格納容器(PCV)の耐震性については、国際廃 炉研究開発機構(IRID)が事故後に評価を行っており、ペデスタルが一部欠損していたとしても RPV を支持する機能が維持される旨の確認を行っております。 この評価を踏まえれば、地震等により RPV および PCV の大規模な損壊に至ることは無いと 推定しており、仮にペデスタルの支持機能が低下した場合であっても、周辺の公衆に対し、著し い放射線被ばくのリスクを与えることはないと考えております。 引き続き、PCV 内部調査を慎重に継続し、新たな知見の拡充、評価を実施するとともに、着実 かつ安全な廃炉作業を進めてまいる所存です。 〈デブリの取り出しについて〉 Q11.燃料デブリの取り出しのために、原子炉のある建物全体を冠水するという計画がでてき たという 記事がありました。2022年9月3日東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/199875 調べてみると、これは9月3日に開催された第25回廃炉・汚染水・処理水対策福島協議会の 資料 5−1 東京電力ホールディングス(株) 福島第一原子力発電所の 廃炉のための技術戦略プラ ン2022 (案)についての P.8にでてくる冠水工法のことだと思われます。 https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/fukushimahyougikai/ 2022/25/shiryou_05_01.pdf 冠水して、放射線を遮蔽しないと燃料デブリは取り出せないが、冠水は難しく、汚染水も飛躍的 に増えてしまうというジレンマがあるのではないですか。デブリを取り出すなという提案をしてい る専門家も多くいます。たとえデブリを取り出せても、置いておくところも処分するところもないこ とは素人でもわかります。 デブリを取り出すという方針を見直すべきだと思いますがどうですか。事故から11年半以上た ってもまだこのような状態だという都合の悪い事実を認め、どうか真摯に廃炉と向き合ってくだ さい。 (回答) 燃料デブリ取り出しは難易度の極めて高い作業であり、今後とも現場の状況を勘案しながら、 徐々に得られる情報・経験に基づいて、柔軟に方向性を調整するステップ・バイ・ステップのア プローチで検討してまいります。 〈トリチウムの分離技術について〉 Q12.10月3日、日経 汚染水凍らせ放射性物質分離 技術で海洋放出に問題提起 挑む 昭和 冷凍プラントの若山敏次さん https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC211W00R20C22A9000000/?unlock=1 によると、トリチウムと水の融点の違いからトリチウムを分離する技術を完成させ、8月に特許 を出願したそうです。東電のトリチウムの分離技術の公募にこの技術は応募していますか。トリ チウム分離技術公募は、その後どうなっていますか。ぜひこの技術を採用して、トリチウム分離 をすすめるべきだと思いますがどうですか。 (回答) 当社は、ALPS 処理水の取扱いに関し、2021 年 4 月決定の政府方針を踏まえた対応を徹底 するとともに、トリチウム分離技術に関する新たな技術動向について継続的に注視していくこと としております。技術動向の調査に関して透明性を確保するべく、ナインシグマ・グループ(以 下、ナインシグマ)を選定し、ナインシグマは、2021 年 5 月 27 日から、国内外を対象に、 ALPS 処理水からトリチウムを分離する技術の公募を開始しております。 これまで、第1〜4回募集において、提案等総数 110 件(国内 71 件、海外 39 件)に対し、ナイ ンシグマの一次評価を実施し、14 件(国内 5 件、海外 9 件)が通過となりました。 また、第1〜3回募集において、一次評価で通過となった 14 件の提案について、提出された情 報を元に、各提案者に関する調査や、提案の中で参照・引用されている論文を確認し原理の 検証を慎重 に行うこと等、ナインシグマの一次評価の確からしさの評価を含めた当社による二次評価を実 施し 14件全件が通過となりました。 二次評価後のプロセスについては、ご参画いただける提案者さまにフィージビリティスタディ (技術及び実証データの精度・信頼性向上や具体的な条件を踏まえた実地適合性の検証等) を実施いただき、それらの結果を踏まえ、実用化に向け、解決すべき課題の明確化を図ってま いります。 なお、第1回募集・第2回募集で一次評価・二次評価を通過した提案は、いずれも現時点で直 ちに実用化できる段階にあるものはありませんが、ALPS 処理水等からトリチウムを実用的に 分離するために求める必須要件を将来的に全て満たしうる可能性があると判断されたもので す。 (木村 雅英さま) 〈全般 皆さんの受け止め〉 Q13.8月30日会合を受けて感じたことを以下に再掲します。 ・東電の原発推進政策 会社としても社員一人ひとりとしても「コメントは差し控え」られ残念で す。 何度もいいます『あれはあれ、これはこれ」は成り立ちません。 今の東電福島第一原発をよそに柏崎刈羽原発再稼働は許されません。 ・放射能汚染の影響 ストロンチウム、トリチウムの年間放出量を回答いただきましたが、セシ ウムが不検出ゆえ実質ゼロは納得できません。11 年間の総放出量を年間ベースで分かりや すく説明する資料を紹介してほしい。 ・イチエフ中長期ロードマップ 政府廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議が昨年 4 月以 来1年半開催されていません。ALPS処理水の処分の同会議は4 回も開催しているのに。 廃炉作業も頓挫している今、ロードマップ見直しが急務です。 ・イチエフ汚染水対策 希釈も拡散も解決にならない、地元漁協との約束を無視して IAEA・ 規制委頼みの「海洋放出」計画と工事強行に怒りを覚えます。 ・地下水流入対策 汚染水「放出」よりも優先して取り組んでいただきたい。 ・イチエフ事故責任 「3 つの誓い」「7 つの約束」を守ってほしい。 東電株主訴訟の「13 兆円余の賠償命令」を東電は重く受けとめるべき。 ・イチエフ事故原因追求 原因追及は道中半、11 年経って事故調査委員会の立上げが必要。 ・柏崎刈羽原発「一連の不適切な事案」が続いている。原発を断念する勇気を持って。 ・被ばく労働について 何度も言います、個人情報保護口実の被曝隠蔽をしないで。 ・東電のコンプライアンス 東電は率先して原発をやめて再生可能エネルギーに専念すべき。 私たちの東電への怒りを何度も書いています。しっかり受け止めて、東電の経営方針に生かし ていただきたい。何か改善されたことがあれば教えてください。 (回答) 柏崎刈羽原子力発電所の「一連の不適切な事案」を受け、原子力改革を進めております。 原子力改革は、核物質防護の不適切な事案と安全対策工事の一部未完了の事案に対し、リ スク認識の弱さ、現場実態把握の弱さ、組織として是正する力の弱さ、及び、組織間連携や当 社・企業間の連携不足などの弱みを認識した上で、地域の皆さまや社会から「信頼される発電 所」を目指した原子力改革に着手しており、豊富な経験を有する外部人財の登用や、本社・発 電所の一体的な運営を実現するための本社機能移転、発電所の一体感醸成のための対話活 動を進めております。 〈【東電の原発推進政策】 事故直後と、その後の11年間と、今〉 前回にお答え頂けなかった部分を踏まえ、新たにお聞きします。 Q14.「最悪のシナリオ」(近藤駿介)について、前々回は「使用済燃料プールの対応は、燃料 が露出・溶融に至った場合、周辺に及ぼす影響は甚大で、災害規模がさらに拡大する可能性 がありました」と回答され、前回は「3月25日時点では、災害規模の拡大を防止していたと認 識」と回答されました。 今のイチエフで「最悪のシナリオ」が起こることはありえませんか? (回答) 原子炉や使用済燃料プールの冷却を維持するよう以下の対応を実施しております。 原子炉注水系、使用済燃料プール冷却系や共用プール冷却系については、ポンプ、水源、電 源設備等を複数配備して多重化、多様化を図っております。 また、動的機器の機能喪失に対し、消防車、電源車等の可搬式設備を、地震、津波、竜巻等 の被害を想定し配備しております。 さらに、異常時を想定した定期的な訓練(1回/年以上)を実施しております。 Q15.ウクライナにおける原子力発電所の危機は続いており、南ウクライナ原発でも攻撃を受 け原子炉から300m先に着弾、ザポリージャ原発の所長がロシア兵に拉致された、などより危 険な状況になっています。 国が外交上・防衛上の観点から対処する、常時テロ攻撃を想定して警察庁および海上保安庁 とも連携、と回答されました。 この様に危険な施設を持たないことを消費者が願うと考えますが如何ですか? また、ウクライ ナ同様に外交・防衛上のトラブルで大事故が起こった場合の東電の責任はどうなるのですか? (回答) 原子力発電所に対し武力攻撃が発生した場合、又はそのおそれがある場合には、国からの命 令により原子炉の運転を停止し、又は事態の緊急性若しくは県からの要請等を考慮のうえ自ら の判断により原子炉の運転を停止するなど、放射性物質等の放出を防止するため必要な措置 を講ずることになっております。 Q16.日本原電の東海第二の為の資金支援について 東京電力からの 2019 年秋の日本原子力発電への 2200 億円の資金支援について、<東海 第二への 資金的協力については、日本原電から受けた受電条件の提案を含めた資金的協力 の依頼の内容を精査し、経済性に加え、地元のご理解や避難計画策定に向けた取組の進捗 状況、安全性向上対策への取組の進捗状況などを総合的に確認して判断>と回答されまし た。 どの様な事態になれば資金支援打ち切り、返還要求しますか? (回答) 仮定の話にはお答えしかねますが、当社としては、引き続き、取り組みの進捗状況等について 適宜確認し、適切に判断してまいります。 東海第二への資金的協力については、日本原電から受けた受電条件の提案を含めた資金的 協力の依頼の内容を精査し、経済性に加え、地元のご理解や避難計画策定に向けた取組の 進捗状況、安全性向上対策への取組の進捗状況などを総合的に確認して判断してまいりま す。 〈放射能汚染の影響〉 Q17.イチエフ放射能汚染の実体 前回も毎月の放出量結果の URL を教えていただきましたが、各年の気体・液体・固体の年間 推定 放出量を明示していただけませんか? また、前前回のご回答「海に排水している地下水バイパス及びサブドレン他の浄化水に含ま れる放射性物質としては、セシウムは測定結果は不検出(ND)が続いており、放出量としては0 (ゼロ)としております。」に対して、前回「実際の海への放出量をゼロと断定できる根拠を再度 説明してください。」の質問に「海に排水している地下水バイパス及びサブドレン他の浄化水に 含まれる放射性物質としては、セシウムは測定結果は不検出(ND)が続いており、放出量とし ては実質0(ゼロ)と扱っております。」との回答でした。 年間の排水量はどれだけですか? セシウム測定の検出限界値はいくらですか? 本当にセシ ウム放出量を「実質0」と扱っていいのですか? (回答) 前回の回答において「実質0(ゼロ)」に修正しております。 なお,放出量評価にあたって、不検出を ND(実質0)とするのは,他の原子力発電所において 国に提出している放射線管理報告書と同様の扱いとなっております。 新聞記事は削除いたしました Q18.東電処理水安全アピール実演について 10月3日の東京新聞の一面の記事<東電処理水安全アピール実 演、「印象操作」批判免れず、トリチウム検知できない線量計、セシ ウム高濃度でないと無反応>に驚きました。 この記事についての見解と説明をお尋ねします。 (回答) 一部報道において、福島第一原子力発電所をご視察いただいた際 に実施している、多核種除去設備(ALPS)処理水サンプルキットを 用いたご説明について、『「印象操作」批判免れず』と報じられた 件についてお知らせいたします。 当社の ALPS 処理水サンプルキットを用いたご説明の主旨は、以 下の通りです。 ? ALPS 処理水は、ALPS 等で浄化処理することで、セシウム 137 などのガンマ線核種等の 62 核種が十分に低減されていること ? その結果、外部被ばくとして人体に影響を及ぼすガンマ線は、バックグラウンドと同程度レベ ルまで低減されていること ? 一方で、ALPS 等で浄化処理後の水には、処理できないトリチウム(ベータ核種)が告示濃度 限度を超えて残っていること、このため海水で希釈を行ったうえで海洋放出を行う予定であるこ と? ALPS 処理水に含まれるトリチウムが出すベータ線は、紙1枚で遮られるほどエネルギーが 弱く、処理水サンプルキット(ボトル容器)でベータ線が遮られること ? 従って、仮にベータ線を計測する線量計で測定したとしても、放射線量を現場でお示しするこ とは難しいこと ? また、説明時に使用しているガンマ線を計測する線量計では、ベータ線は測定できないこと これらを、フリップおよびガンマ線を測定する線量計等で説明しております。 なお、ご説明場所(発電所構内)の空間線量率は約 0.12μSv/h であり、この場所でボトル容 器表面を、ガンマ線を計測する線量計で測定し、線量計の針が振れるには、ボトル容器内の 水のセシウム137 の濃度が計算上で約 4,000 Bq/L(告示濃度限度 90 Bq/L の約 44 倍)以上 あることが必要となりますが、ALPS で浄化処理した水の中には外部被ばくをするようなレベル の放射性物質は残っておりません。ALPS で浄化処理した水の中に外部被ばくをするようなレ ベルの放射性物質が残っていないことを、フリップを用いて、ALPS 等で浄化処理前と浄化処 理後のセシウム 137 の濃度を示しながら、ボトル容器内の ALPS 処理水は、セシウム 137 が 検出限界値未満まで浄化処理出来ていることを説明し、ALPS処理水の性状に関する理解を 深めていただいております。 当社は引き続き、ALPS 処理水に関する情報をはじめ、廃炉に関しても正確に分かりやすくお 伝えできるよう、様々な工夫をしながら取り組んでまいります。 〈イチエフ中長期ロードマップと実施計画〉 Q19.ロードマップ見直しの必要性を主張してきましが政府の「政府の廃炉・汚染水・処理水対 策関係閣僚等会議」にて見直しされるとの回答。同会議の開催履歴を見ると、ロードマップの 議論は第4回(2019年末)までで、第5回では汚染水問題だけが議論されています。 そろそろ第6回で本年末にでも開催してロードマップを見直すのではありませんか? その為に東電は「廃止措置等に向けた中長期ロードマップ(案)」を策定中ではありませんか? そうであればその案の概略をお教え願います。 予定引き延ばしばかりの真実味の無いロードマップでなく、専門家も「国民」も誰もが理解し納 得できる案を策定願います。 (回答) 中長期ロードマップは、政府の廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議にて見直しされるも のであり、見直し時期について当社は申し上げる立場にありません。 引き続き「復興と廃炉の両立」の大原則の下、廃炉を安全・着実かつ計画的に進めてまいりま す。 〈【イチエフ汚染水対策】 汚染水海洋投棄(「海洋放出」)計画〉 Q20.福島港内の海底土の汚染状況をどう把握しているかについて、一例として2月15日の審 査会合のスライド33を紹介されました。次の図です。 できれば過去10年の海底土の濃度の推移を教えてください。 2021年2月に試験操業で水揚げしたクロソイ(新地町沖8・8キロ、水深24メートルで捕獲) から、食品衛生法が定める基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える500ベクレル の放射性セシウムを検出しました。「海洋放出」で一層心配になる気持ちを理解できますか? (回答) 過去の港湾の海底土の分析結果は、以下をご参照ください。 https://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_111201_01-j.pdf https://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2013/images/ocean_soil_130415-j.pdf https://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2014/images/ocean_soil_14032802-j.pdf 福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策は、長期にわたるリスク低減の取組が必 要であり、福島の皆さまや広く社会の皆さまに、廃炉の取組みへのご理解を深めていただくこと が重要と認識しております。 一方で、多くの関係者さまへご説明をさせていただく中で、風評影響等に対するご懸念や、安 全性に関する情報公開の声など、様々なご意見をいただいており、やるべきこと、できることが まだ多くあると考えております。 当社としては、ALPS 処理水の取扱いに関し、計画に基づく安全確保や、科学的根拠に基づく 情報発信、放射性物質のモニタリング強化など政府の基本方針踏まえた取組をしっかり進め るとともに、引き続き、地元の皆さま、漁業関係者の皆さまをはじめ関係する皆さまに対し、 ALPS 処理水の取扱いに関する当社の考えや対応について説明を尽くし、継続して皆さまのご 懸念やご関心に向き合い、一つひとつお応えしていくことで、多くの方に、廃炉の取組みへのご 理解を深めていただけるよう、全力で取り組んでまいる所存です。 Q21.世界三大漁場のひとつである北西太平洋漁場への影響をどう予測しているので四方)、 30年以「放出」し続けた場合の非定常のシミュレーションができていない、生物濃すか?に対し て、拡散シミュレーションの結果に言及されましたが、計算領域が狭い(490km縮を考慮して いない、などとてもこれで安全と言えないと考えます。如何ですか? (回答) 2014 年〜2020 年の 7 年間の計算結果から、計算領域(490km×270km)境界部の濃度につ いて確認したところ、計算領域の境界における日平均濃度の最大値は 0.014Bq/L でした。ま た、年間平均濃度の最大値は、領域の東側境界部で最大で 0.00026Bq/L(2015 年、最上層) でした。この濃度は、日本周辺海域における海水中トリチウム濃度(0.1〜1Bq/L 程度)と比較 して 3〜4 桁小さいこと、発電所周辺 10km×10km の評価結果と比較しても 2〜3 桁小さく、ま た年ごとの濃度の大きなばらつきも見られないことから、計算領域の大きさは十分であり、本評 価の計算領域の外側における放射線影響は十分小さいものと考えております。 Q22.漁協は今も反対しています。了解を得るまで「海洋放出」しないと言いながら着々と準備 を進めることは、漁業関係者など約束をした相手に対してあまりに不誠実ではないですか? Q23.了解が得られない場合を想定して、次の策を準備するべきではないですか? (回答)※Q22,Q23 同回答 2015 年の文書にあります「関係者の理解なしには放出しない」とした方針は変わりません。 福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策は、長期にわたるリスク低減の取組が必 要であり、福島の皆さまや広く社会の皆さまに、廃炉の取組みへのご理解を深めていただくこと が重要と認識しております。 一方で、多くの関係者さまへご説明をさせていただく中で、風評影響等に対するご懸念や、安 全性に関する情報公開の声など、様々なご意見をいただいており、やるべきこと、できることが まだ多くあると考えております。 当社としては、ALPS 処理水の取扱いに関し、計画に基づく安全確保や、科学的根拠に基づく 情報発信、放射性物質のモニタリング強化など政府の基本方針踏まえた取組をしっかり進め るとともに、引き続き、地元の皆さま、漁業関係者の皆さまをはじめ関係する皆さまに対し、 ALPS 処理水の取扱いに関する当社の考えや対応について説明を尽くし、継続して皆さまのご 懸念やご関心に向き合い、一つひとつお応えしていくことで、多くの方に、廃炉の取組みへのご 理解を深めていただけるよう、全力で取り組んでまいる所存です。 Q24.計画どおり「海洋放出」をする場合に、約1000個のタンクがどの様に推移するのか、ポ ータルサイトのあるいは「タンク内 ALPS 処理水等およびストロンチウム処理水の貯蔵量」がど の様に変化するのかを明示してください。毎日140立法メートルの汚染水が貯まる中で、一日 に処理できる汚染水の量を仮定すれば、すぐに出るのではありませんか? 「海洋放出」の不 確かさがあれば、いくつか場合分けして示してください。例えば、希釈前の汚染水(処理水)の 放出量が日量140立法メートルであれば、今のタンク数がずっと維持されることになりますね。 前回の質問でも回答いただけませんでしたが、これだけ多くの人々が反対している中で、もし このタンク推移予想図ができれば「海洋放出」への理解を増やす可能性もあるのではありませ んか? それともそれを明らかにできない理由があるのですか? (回答) 以下をご参照ください。 ■多核種除去設備等処理?の取扱いに関する安全確保のための設備の検討状況について https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/pdf3/210825j0102.pdf 〈地下水流入対策〉 2025 年までに約 100m3/日にまで抑制するべくご努力されると理解しました。 Q25.ご回答のとおり、2022 年 6 月 30 日時点の ALPS 処理水等貯蔵量が、今示されていま すが、前回の3 月 31 日現在の値と比較してみました。 (2022 年6月30日現在) 1,282,900m3 (2022 年3月 31 日現在) 1,266,400m3 ( 両者の差) 16,500m3/4-6 月 = 5500m3/月= 183m3/日 両者の差が 3 カ月間の貯蔵量の増加ですが、日量140m3 に減っているとはとても言えない 数字になります。私の試算に間違いがあればご指摘願います。 それとも、4−6 月は梅雨で流入推量が多かったのでしょうか? 前回の回答、2020 年度140m3、2021 年度130m3 の根拠データを示してください。 また、できれば、過去11年間の貯蔵量の推移を教えてください。 (回答) 以下をご参照ください。 ■2022 年 4 月 27 日(廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合 第 101 回事務局会議) 【資料 3-1】汚染水・処理水対策「建屋周辺の地下水位、汚染水発生の状況」 https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap_progress/pdf/2022/ d220427_06-j.pdf 〈イチエフ事故責任〉 <「3つの誓い」、「7つの約束」、「福島原発告訴団」裁判、あらかぶ裁判、多数の損害賠償裁 判などから、前前前回のご回答「当社が行ってきた原子力安全改革の原点に立ち返り、何が 不足していたのか、何が間違っていたのか、途中で劣化していたのか等、徹底的に調査し、対 策を講じることで、自律的に改善できる組織に生まれ変わることが重要であると考えておりま す。」を信じることができません。会社として態度で示してください。>を再掲します。 Q26.イチエフ事故対策費用が当初 5 兆円から 22 兆円と約 4 倍に達したことについて「東電 改革提言で示された金額は、当社が行った見積もりではなく、確たることは申し上げられませ ん」と再度の回答。「世界にも前例のない困難な作業」であることは理解できますが、なぜこれ だけの見積もりミスが起こったのかを国と東電で確認するのは当然だと思います。その確認が 今後の施策に生きるはずです。そういった議論をどこかでやっていないのですか? (回答) 当社としては、福島第一原子力発電所の廃炉については、世界にも前例のない困難な作業で あり、賠償・除染・中間貯蔵については、被害の実態を全て把握できていないことから、そうした 中で、福島第一原子力発電所事故に関連する必要資金を、具体的かつ合理的に見積もること は困難と考えております。 東電改革提言で示された金額は、当社が行った見積もりではなく、確たることは申し上げられ ませんが、同提言では、確保すべき資金の見直しに関して、除染が本格化し、中間貯蔵事業も 具体化、廃炉事業での抜本的な汚染水対策を講ずることとなったこと、その後、廃炉事業では 燃料デブリの取り出しという新工程を視野にいれた検討に移ること、賠償や除染に関しては営 業損害や風評被害の継続、作業費用の増大などが生じていることが整理されております。 〈イチエフ事故原因追求〉 Q27.「福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・ 検討結果」取りまとめの予定をお教え願います。次回(第6回)はいつ公表されるのでしょうか? (回答) 第 5 回進捗報告以降に得られた知見を踏まえて検討を継続しており、検討結果がまとまり次 第公表を予定しております。 〈柏崎刈羽原発について〉 Q28.「核物質防護違反」の他ゆえ「現時点では再稼働時期を申し上げる段階にはない」とのご 回答でした。その後岸田政権が「GX 実行会議」後に原発再稼働に前向きの姿勢を示しまし が、東電にも 6,7 号機の再稼働を期待する声が首相官邸や資源エネルギー庁から来ていま すか? (回答) 8 月 24 日の GX 実行会議において、世界や日本のエネルギーを取り巻く状況を俯瞰し、日本 のエネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの実現に向け、政治的決断の下で、あらゆる 施策を総動員する方策の検討の方向性について示されたものと受け止めております。 先日(10 月 12 日)首相との懇談会がありましたが、柏崎刈羽原子力発電所再稼働について、 特段の話はありません。 当社としては、四次総合特別事業計画でも示している通り、低廉で安定的かつ CO2の排出が 少ない電気をお届けするために、原子力は重要な電源と考えております。 まずは、核物質防護や安全対策工事の未完了といった諸課題に対応しており、信頼回復を目 指してしっかり取り組んでまいります。 Q29.9 月 14 日の原子力規制委員会定例会議で「議題3 東京電力ホールディングス株式会 社柏崎刈羽原子力発電所に対する今後の追加検査における確認方針」が了承されました。 どの様に受け止められましたか? (回答) 追加検査での原子力規制庁からのアドバイスや9月 14 日に示されました3つの確認方針も踏 まえ、設備更新や経営層が運用面の定着に関与するといった視点も織り込み、改善を進めて おります。 これまでの追加検査における原子力規制庁からの様々なご助言、ご指摘も踏まえ、36 項目の 改善措置活動に拘ることなく、発電所の核セキュリティ向上に向けた対策を進めております。 今後も現状の計画や対策で十分と慢心することなく、今回の確認方針の内容や外部評価も踏 まえて、必要な対策を立案・実行していきます。 引き続き核物質防護機能の継続的な強化を目指し、改善措置が一過性となることのないよう 進めてまいります。 〈イチエフの耐震について〉 日本列島に大きな地震が起こる度に、近くの原発が大丈夫か?、特に稼働している原発 は?、と心配している一方、事故後の収束・廃炉作業が全くうまく行っていない東電福島第一原 発(イチエフ)はどうなんだろうと心配していました。汚染水「海洋放出」も許されないが放射性廃 棄物の塊であるイチエフが再び事故を起こしたら大変です。 現実に、福島事故対策検討会の森重晴雄さんが衝撃的なレポートを出しました。以下のことを 確認させてください。 Q30.イチエフの各施設の耐震性をどの様に確認しているのですか? 震度はいくらまでなら耐 えられると判断しているのですか? (回答) 原子炉建屋は、水素爆発による損傷を考慮した場合でも、東北地方太平洋沖地震と同程度の 地震(震度 6 強)の約 1.5 倍の地震動に対して十分な安全性を有していることを解析評価によ り確認しております。 1〜3号機原子炉建屋については、デブリ取り出し完了までの長期にわたって建屋健全性を確 認していく必要があることから、耐震壁等の調査を行い建屋健全性について継続的に確認して まいります。 Q31.1 号機の圧力容器/格納容器に耐震偽装の疑いがかけられています。特に、「東電の 評価は、せん断のみを抜き出して健全と評価しているが、曲げ(転倒)を過少評価している。」 の指摘についてはどう回答されますか? (回答) 1号機の原子炉圧力容器(RPV)および原子炉格納容器(PCV)の耐震性については、国際廃 炉研究開発機構(IRID)が事故後に評価を行っており、当社の評価ではありません。 地震応答解析結果として得られた地震荷重(曲げモーメント・せん断力)を、FEM モデルの解析 への入力条件(荷重条件)として考慮していることが IRID 資料に記載されております。(スライ ド No.35及び No.56 参照) なお、評価結果は、曲げモーメントによって生じる荷重も含め、対象部位の「ひずみ」として算定 していると理解しております。(スライド No.40 参照) また、曲げモーメントの数値については IRID の報告書(スライド No.56)に記載されています。 ■IRID 圧力容器/格納容器の耐震性・影響評価手法の開発 平成 28 年度成果報告 https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2017/06/20160000_11.pdf Q32.ペデスタルの損傷が非常に厳しく、今後の地震で原子炉倒壊の可能性がある様に見え ます。東電の見解をお聞かせ願います。 Q33.労働者及び周辺住民への被害が心配です。その備えは大丈夫ですか? また、前述の近藤駿介「最悪シナリオ」(半径250km・5千万人避難)以上の事態が起こる可能 性はありませんか? (回答)※Q32,Q33 同回答 1号機の原子炉圧力容器(RPV)および原子炉格納容器(PCV)の耐震性については、国際廃 炉研究 開発機構(IRID)が事故後に評価を行っており、ペデスタルが一部欠損していたとしても RPV を 支持する機能が維持される旨の確認を行っております。 この評価を踏まえれば、地震等により RPV および PCV の大規模な損壊に至ることは無いと 推定しており、仮にペデスタルの支持機能が低下した場合であっても、周辺の公衆に対し、著し い放射線被ばくのリスクを与えることはないと考えております。 引き続き、PCV 内部調査を慎重に継続し、新たな知見の拡充、評価を実施するとともに、着実 かつ安全な廃炉作業を進めてまいります。 〈東電のコンプライアンス、原発やめて再生可能エネルギーを〉 Q34.何度も言います。東京電力グループ<長期的な安定供給とカーボンニュートラルの両立 に向けた事業構造変革について>(2022 年 4 月 28 日)を読んで、一層東電がいち早く原子 力から撤退することを切に希望します。そしてイチエフの廃炉、汚染水対策には丁寧に対応し ていただきたいです。 ご回答を期待します。 (回答) 当社は、電気の安定供給とカーボンニュートラル社会の実現への貢献を通じて、社会の皆さま への貢献と福島への責任の貫徹を目指すことを、4 月 28 日に公表したところであり、カーボン ニュートラルを達成するためには、あらゆる手段を総動員する必要があると考えております。 太陽光や風力のような再生可能エネルギーは、電気出力が天候に左右される自然変動電源で あるのに対して、原子力発電は、天候に左右されない安定的な電気出力を出せること、ならび に、燃料資源の供給元が世界中に分散していることから、地政学的リスクの影響を受けにくく 安定的に燃料が確保できるものと考えております。 Q35.第六次エネルギー基本計画の本文に次の記載があります。 <依然として、原子力発電に対する不安感などにより社会的な信頼は十分に獲得されておら ず、また東京電力柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護に関する一連の事案など、国 民の信頼を損なうような事案も発生するとともに、使用済燃料対策、核燃料サイクル、最終処 分、廃炉など様々な課題が存在しており、こうした課題への対応が必要である。> 東電はこの記述をどう受けとめましたか? 再生可能エネルギーに注力すべきではありません か? (回答) 当社は、電気の安定供給とカーボンニュートラル社会の実現への貢献を通じて、社会の皆さま への貢献と福島への責任の貫徹を目指すことを、4 月 28 日に公表しました。 太陽光や風力のような再生可能エネルギーは、電気出力が天候に左右される自然変動電源で あるのに対して、原子力発電は、天候に左右されない安定的な電気出力を出せること、ならび に、燃料資源の供給元が世界中に分散していることから、地政学的リスクの影響を受けにくく 安定的に燃料が確保できるものと考えております。 当社としては、電力の安定供給や温室効果ガスの排出削減、経済性の観点から、再生可能エ ネルギー、原子力、火力をバランスよく構成し、最適な電源ポートフォリオを実現する必要があ るものと考えております。 (山崎 久隆さま) 〈福島第一1号機の耐震性について〉 Q36.6月20日付けで作成されている「原子炉格納容器の内部調査の状況について」(IRID・ 東電)によれば、原子炉圧力容器の耐震性、というよりも原子炉ペデスタイル部の耐震性とした ほうが妥当かもしれませんが、その評価書については、いくつかの疑問があります。 まず、事故前と事故後の圧力容器及び燃料体、さらには冷却材の総重量はどのように変化を したと考えていますか。6月13日の回答では「事故前の1号機の原子炉圧力容器は、燃料や 炉内構造物や水も含め、約 950tとなり、事故による燃料の溶け落ちや炉内構造物の落下等を 考慮すると、500t強となります。」の回答でしたが、この評価は依然として変わらないのでしょう か。 (回答) 現時点での評価としては変わりません。 Q37.原子炉圧力容器のメルトダウン時最高到達温度は何度と推計していますか。その根拠 は何でしょうか。資料があるのであれば、その場所を教えて下さい。 (回答) 燃料が溶融していく過程において、原子炉圧力容器内の温度として計測されたデータはござい ません。なお、事故進展解析コード(MAAP)による評価では、圧力容器内の炉心内最高温度と して、2800℃程度に至ると評価しております。 <参考;「福島第一原子力発電所 1〜3 号機の炉心・格納容器の状態の推定と未解明問題に 関する検討第 5 回進捗報告」添付資料 3「MAAP5 による最新の解析結果」> https://www.tepco.co.jp/decommission/information/accident_unconfirmed/pdf/2017/ 171225j0106.pdf 1号機:添付資料 3-11 ページ 図 1-4 2号機:添付資料 3-26 ページ 図 2-4 3号機:添付資料 3-41 ページ 図 3-4 Q38.メルトダウン時に生じた高温環境により圧力容器スタビライザは破損していると考えるの が妥当と思いますが、「内部調査」では健全性(初期性能)を保持している前提で評価計算をし ているように見られます。計算上、スタビライザの性能は除外して評価すべきではないですか。 当初性能を保持しているとする根拠は何ですか。スタビライザの損傷により水平方向への移動 は拘束されず、原子炉遮蔽壁に衝突する可能性があると考えられます。その場合には何が起 きると想定していますか。 Q39.1号機については、原子炉圧力容器上部に設置されていた9枚のコンクリートプラグが落 下し、一部は格納容器の上にのしかかっていると考えられています。これにより格納容器にか かっている 荷重は合計何トンになると想定していますか。東京新聞は9枚合計で518トンになるとしていま す。コンクリートプラグの重量による荷重の分布を明らかにしてください。それだけの荷重に格 納容器は耐えきれないと思われ、さらに11年半もの長期間、荷重がかかったままです。格納 容器上部が破損し、圧力容器上に落下している可能性はないのですか。 (回答)※Q38,Q39 同回答 1号機の原子炉圧力容器(RPV)および原子炉格納容器(PCV)の耐震性については、国際廃 炉研究開発機構(IRID)が事故後に評価を行っており、ペデスタルが一部欠損していたとしても RPV を支持する機能が維持される旨の確認を行っております。 この評価を踏まえれば、地震等により RPV および PCV の大規模な損壊に至ることは無いと 推定しており、仮にペデスタルの支持機能が低下した場合であっても、周辺の公衆に対し、著し い放射線被ばくのリスクを与えることはないと考えております。 引き続き、PCV 内部調査を慎重に継続し、新たな知見の拡充、評価を実施するとともに、着実 かつ安全な廃炉作業を進めてまいります。 Q40.上記を踏まえれば、「IRID圧力容器/格納容器の耐震性・影響評価手法の開発」(平成 年7月)」では圧力容器及びペデスタルの耐震性評価については、全体の高さを考慮すれば、 大きな曲げ応力(転倒させる力)とせん断応力(切断する力)の評価をするべきですが、圧力容 器からペデスタルについての曲げ応力は事実上無視されています。この根拠、妥当性について 東電はどのように考えているのでしょうか。 (回答) 地震応答解析結果として得られた地震荷重(曲げモーメント・せん断力)を、FEM モデルの解析 への入力条件(荷重条件)として考慮していることが IRID 資料に記載されております。(スライ ド No.35及び No.56 参照) なお、評価結果は、曲げモーメントによって生じる荷重も含め、対象部位の「ひずみ」として算定 していると理解しております。(スライド No.40 参照) また、曲げモーメントの数値については IRID の報告書(スライド No.56)に記載されております。 ■IRID 圧力容器/格納容器の耐震性・影響評価手法の開発 平成 28 年度成果報告 https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2017/06/20160000_11.pdf Q41.東電は、このIRID評価に基づいて、これまでの会への説明で耐震性について問題はな い、圧力容器が転倒するようなことはないと回答していると思われますが、それでよろしいです か。また、「今回の1号機PCV内部調査により、ペデスタル基礎部での鉄筋が確認されており ます。1号機の圧力容器及び格納容器の耐震性については、IRID において、事故後に評価を 行い、ペデスタルが一部欠損していたとしても支持機能を大きく損なわないことの確認を行って おりますが、今後さらに詳細なデータを取得し、改めて評価を行う予定です。」とは、6月13日 の回答ですが、この評価について東電内部でいかなるIRID評価について再評価をしたのです か。 (回答) 1号機の原子炉圧力容器(RPV)および原子炉格納容器(PCV)の耐震性については、国際廃 炉研究開発機構(IRID)が事故後に評価を行っており、ペデスタルが一部欠損していたとしても RPV を支持する機能が維持される旨の確認を行っております。 この評価を踏まえれば、地震等により RPV および PCV の大規模な損壊に至ることは無いと 推定しており、仮にペデスタルの支持機能が低下した場合であっても、周辺の公衆に対し、著し い放射線被ばくのリスクを与えることはないと考えております。 引き続き、PCV 内部調査を慎重に継続し、新たな知見の拡充、評価を実施するとともに、着実 かつ安全な廃炉作業を進めてまいります。 〈第一原発の燃料プールからの使用済燃料取り出しについて〉 Q42.燃料取出については、現状では以下のように説明されています。 『1号機は 2027〜2028 年度に取り出し開始、2号機は 2024〜2026 年度に取り出し開始を予 定』(6月13日の回答) 具体的に教えて下さい。2号機の取り出しが先行される理由は何です か。 現状では耐震性の不安から、1号機からの取り出しを優先すべきではないのでしょうか。 (回答) 1 号機は、大型カバーの設置、南側がれき、大型機器の撤去、ウェルプラグ処置などの工程 や、高線量下での現場作業などが必要となること、2号機については、地盤改良→南側構台設 置などの工程や、オペフロ環境、床面に加え天井・壁に対する線量低減対策が必要となること を踏まえた目標工程 を、中長期 RM にて示して頂いたものと認識しております。 Q43.『5,6号使用済燃料プールには約3,000体の燃料集合体が保管(5号機:1,542体, 6号機:1,654体)されており,これらの崩壊熱を除去するため,既存の燃料プール冷却浄化 系で冷却をしている。廃炉の決定を踏まえ,5,6号機使用済燃料プールの使用済燃料におい ても,1,2号機の作業に影響を与えない範囲で共用プールに移送していく。』ということですが、 一旦 5.6号機のどちらかに燃料体を移動し、空いたスペースに1号機からの燃料を取り出すなどの 対応が可能と思われますが、そうした方法を採ってでも1号機からの移送を優先できるのでは ないですか。 (回答) 1〜6号機燃料の取り出しに関しては、中長期ロードマップのマイルストーンとなっている、2031 年内の取り出し完了に向けて、計画的に進めているところです。 1 号機は、2027 年度〜2028 年度の使用済燃料の取り出し開始に向け、原子炉建屋全体を大 型カバーで覆い、カバー内でガレキ撤去を行い、ガレキ撤去後、オペレーティングフロアの除 染、遮へいを行い、燃料取扱設備を設置する計画です。 Q44.「共用プールに保管されている新燃料は76体ですが、将来的な取扱いについては検討 中です。」とのことでしたが、全体では新燃料はどれだけあるのでしょうか。5.6号機、1.2号 機の分も含め、号機毎に教えて下さい。 回答) 1 号:100 体、2 号:28 体、5 号:168 体、6 号:428 体(うち、新燃料貯蔵庫 230 体)、共用プー ル:76 体 計 800 体となります。 Q45.震災後の使用済燃料プール循環冷却系について、一つ分からないことがあります。系統 から投入できる最大の水量は毎時何トンになるのでしょうか。 プールの損傷に伴う流出が発生した場合、どの程度の流出であれば補給が流出を上回るのか を、号機毎に明らかにして下さい。耐震性に関連する事項ですから、当然評価していると思い ます。 (回答) 各号機の使用済み燃料プールについて、解析等の結果により耐震安全性は確保されるものと 評価しております。 使用済燃料プール冷却系は、ポンプ、水源、電源設備等を複数配備して多重化、多様化を図 っているとともに、非常用注水設備を有しております。 また、動的機器の機能喪失に対し、消防車、電源車等の可搬式設備を、地震、津波、竜巻等 の被害を想定し配備しております。 さらに、異常時を想定した定期的な訓練(1回/年以上)を実施しております。 なお、実施計画に記載しておりますが、各号機のポンプ容量は下記の通りです。 1 号:91.92m3/h(1 台あたり) 2 号:100m3/h(1 台あたり) 〈汚染水の海洋放出について〉 Q46.「関係者の理解を得る」ことは、現時点でもできていません。常に度確認しますが、設備 が完成したとしても県漁連や全漁連をはじめとした「関係者」の理解を得られぬまま放出を開始 することはないということでよろしいですね。 Q47.茨城県の茨城沿海地区漁業協同組合連合会の飛田正美会長は9月30日、反対である ことを表明し「この先、何十年も放出され、子々孫々まで生活に困るのでは大変だ」と、東電な どの説明会の後にも記者に語っています。これは今現在のことです。東電は、どのようにこの 声にお答えになるのですか。 (回答)※Q46,Q47 同回答 2015 年の文書にある「関係者の理解なしには放出しない」とした方針は変わりません。今後も 引き続き、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水・処理水対策は、長期にわたるリスク低減 の取組が必要であり、福島の皆さまや広く社会の皆さまに、廃炉の取組みへのご理解を深め ていただくことが重要と認識しております。 一方で、多くの関係者さまへご説明をさせていただく中で、風評影響等に対するご懸念や、安 全性に関する情報公開の声など、様々なご意見をいただいており、やるべきこと、できることが まだ多くあると考えております。 当社としては、ALPS 処理水の取扱いに関し、計画に基づく安全確保や、科学的根拠に基づく 情報発信、放射性物質のモニタリング強化など政府の基本方針踏まえた取組をしっかり進め るとともに、引き続き、地元の皆さま、漁業関係者の皆さまをはじめ関係する皆さまに対し、 ALPS 処理水の取扱いに関する当社の考えや対応について説明を尽くし、継続して皆さまのご 懸念やご関心に向き合い、一つひとつお応えしていくことで、多くの方に、廃炉の取組みへのご 理解を深めていただけるよう、全力で取り組んでまいる所存です。 Q48.工事の進捗状況について、最新(回答を作成しているとき)の状況を、日付を付けて教え て下さい。例えば陸上一時貯水タンク何パーセント、移送用配管設備何パーセント、トンネル掘 削何パーセント、沖合の放水用ケーソン何パーセントなど、工事ごとに教えて下さい。 (回答) 以下をご参照ください。 ■2022 年 9 月 29 日(廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合 第 106 回事務局会議) 【資料 3-1】汚染水・処理水対策 「多核種除去設備等処理水希釈放出設備及び関連施設等の設置工事の進捗状況」 https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap_progress/pdf/2022/ d220929_06-j.pdf Q49.海洋放出設備の建設について、ボーリング調査を行っていますが、その結果(ボーリング コアなど)は、何処かに展示などしているのでしょうか。「放水トンネルはすべての区間において 岩盤内を通る」との前回回答の根拠は?。 また、評価についても規制委に出している文書以上の詳細な分析評価について公表している のでしょうか。こうした調査は、東電から委託されていると思いますので、委託会社からの報告 があると思います。これを公表しているのかどうか、しているならばその場所を教えて下さい。 (回答) 廃炉資料館にボーリングコアを展示しております。(2022 年 10 月末まで展示予定) また、原子力規制委員会は当社が提出した文書を元に実施計画の認可を行っております。 詳細は以下をご参照ください。 ■多核種除去設備等処理水の取扱いに関する「福島第一原子力発電所特定原子力施設に係 る実施計 画変更認可申請書」の一部補正申請(3 回目)について https://www.tepco.co.jp/press/release/2022/1663446_8712.html ■東京電力福島第一原子力発電所 多核種除去設備等処理水の処分に係る実施計画に関す る審査会合(第 3 回〜第 15 回が該当) https://www.nra.go.jp/NuclearRegulation/ALPS/index.html ■東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計 画の変更認可申請(ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等)に係る審査書 https://www.nra.go.jp/data/000398680.pdf Q50.東電によると設備建設費用は約350億円と推定している(4月12日)ということですが、 測定に要する費用約45億円を加えると3年間で約400億円と報じられています。(4月13日 毎日新聞)これについて、発表した内容を明らかにして下さい。文書であれば、その公表場所 を明らかにして下さい。 また、これでは3年分の推計となっていますが、放出終了時点での累積費用は全体でどれだけ になるのでしょうか。明らかにしてください。 (回答) 福島第一原子力発電所の廃炉作業にかかる費用は、廃炉等積立金制度に基づき、向こう 3 箇年の資 金計画について、毎年度経済産業大臣の承認を受けております。 https://www.tepco.co.jp/press/release/2022/hd11127_8712.html 当該の公表資料や会見での質疑を元に、当該の記事が作成されものと認識しております。 将来にわたって必要となるモニタリングや海洋放出設備の運用・保守に係る費用については、 具体的な運用方法を検討しているところであり、現時点で今後の ALPS 処理水の処分に係る 費用の総額の見通しをお示しすることは、難しいと考えております。 Q51.東京新聞によると、福島第一原発においてALPS処理水の「安全性」を広報する際、採 取され た処理水の入った瓶の外表面にガンマ線測定器をあて、針が触れないことを示した上で「安全 である」かの説明をしているとのことです。 このような方法でのデモンストレーションは、以前からずっと行われており、既に「1万五千人」 (10月3日東京新聞による)が説明されているそうです。この測定器は写真を判読すると「日立 アロカ社製 TCS−172」の NaI シンチレーション式サーベイメータ(GMサーベイメーター)とみ られ、測定できるのは「ガンマ線」測定器で、測定範囲は「50keV〜3MeV」です。京都大学原子 炉実験所の今村さんによれば「トリチウムのエネルギーは弱い。ろ紙などに染み込ませてベー タ線測定器を当てても、もっと濃度が濃くないと反応は出ないだろう」というレベル。この測定器 で優位な反応が出ればそれは重大な表面汚染であり、大変なことになる次元です。もちろん、 低レベルガンマ線しか出さないトリチウムの放射線量を測定できるわけもなく、仮にセシウムな どガンマ線を出す核種がかなり含まれていたとしても、ガラス越しでは減衰が大きく針は動かな いでしょう。 そもそもトリチウムは測定が困難で、計測して基準を満たしていることを確認するにも 1 日か かるといった説明をしておきながら、あたかもサーベイメーターで針が動かなければ安全と言い たげな説明は、どういう趣旨で行っているのですか。その点についても説明して下さい。 どうしてこうした科学的にはウソの説明を繰り返すのですか。直ちにこうした説明を行うのは止 めて下さい。東電は自ら信用を失う説明を繰り返していることになります。この「実演」が、科学 的に意味がないことは、少し放射線と放射性物質の知識があれば分かります。いかがお考え でしょうか。 (回答) 一部報道において、福島第一原子力発電所をご視察いただいた際に実施している、多核種除 去設備(ALPS)処理水サンプルキットを用いたご説明について、『「印象操作」批判免れず』と報 じられた 件についてお知らせいたします。 当社の ALPS 処理水サンプルキットを用いたご説明の主旨は、以下の通りです。 ? ALPS 処理水は、ALPS 等で浄化処理することで、セシウム 137 などのガンマ線核種等の 62 核種が十分に低減されていること ? その結果、外部被ばくとして人体に影響を及ぼすガンマ線は、バックグラウンドと同程度レベ ルまで低減されていること? 一方で、ALPS 等で浄化処理後の水には、処理できないトリチウム (ベータ核種)が告示濃度限度を超えて残っていること、このため海水で希釈を行ったうえで海 洋放出を行う予定であること? ALPS 処理水に含まれるトリチウムが出すベータ線は、紙1枚で 遮られるほどエネルギーが弱く、処理水サンプルキット(ボトル容器)でベータ線が遮られるこ と? 従って、仮にベータ線を計測する線量計で測定したとしても、放射線量を現場でお示しする ことは難しいこと? また、説明時に使用しているガンマ線を計測する線量計では、ベータ線は測 定できないことこれらを、フリップおよびガンマ線を測定する線量計等で説明しております。 なお、ご説明場所(発電所構内)の空間線量率は約 0.12μSv/h であり、この場所でボトル容 器表面を、ガンマ線を計測する線量計で測定し、線量計の針が振れるには、ボトル容器内の 水のセシウム137 の濃度が計算上で約 4,000 Bq/L(告示濃度限度 90 Bq/L の約 44 倍)以上 あることが必要となりますが、ALPS で浄化処理した水の中には外部被ばくをするようなレベル の放射性物質は残っておりません。ALPS で浄化処理した水の中に外部被ばくをするようなレ ベルの放射性物質が残っていないことを、フリップを用いて、ALPS 等で浄化処理前と浄化処 理後のセシウム 137 の濃度を示しながら、ボトル容器内の ALPS 処理水は、セシウム 137 が 検出限界値未満まで浄化処理出来ていることを説明し、ALPS 処理水の性状に関する理解を 深めていただいております。 当社は引き続き、ALPS 処理水に関する情報をはじめ、廃炉に関しても正確に分かりやすくお 伝えできるよう、様々な工夫をしながら取り組んでまいります。 〈新水棺方式の検討について〉 Q52.東京新聞の 9 月 3 日で「福島第一原発のデブリ取り出し 建屋を丸ごと水没させる工法 を検討技術的に可能? 実現は見通せず」との記事が掲載されました。この拝啓について御説 明下さい。 (回答) 現時点で決まった事実はなく、工法の成立性等を引き続き検討してまいりたいと考えておりま す。 Q53.この記事は、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が検討していて「機構の山名元理事 長」が説明したとの内容になっています。このような検討をしている経緯に、東電はどのように 関係しているのでしょうか。この会議の場にも東電は出席しているはずです。 (回答) 原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)が作成している「東京電力ホールディングス(株)福島 第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン(以下、戦略プラン)2022」の概要につい て、NDF の山名理事長がご説明されたものと認識しております。戦略プランについて、当社は NDF の廃炉等技術委員会に小野常務が出席しております。 Q54.率直に言って、現在の東電の廃炉の工法は、いずれも実現可能性は低く被ばくがとても 多くなることで、別の工法を検討する(遅きに失したとはいえ)時期に来たと思われます。廃炉 支援機構もそう考えていると思われます。東電として、現在の工法を続けても数年以内にデブり 取り出しが開始できる状況にはないことをもう明らかにすべきではないでしょうか。 (回答) 燃料デブリ取り出しは難易度の極めて高い作業であり、今後とも現場の状況を勘案しながら、 徐々に得られる情報・経験に基づいて、柔軟に方向性を調整するステップ・バイ・ステップのア プローチで検討してまいります。 Q55.全体をコンクリート建屋で密封することは、水棺工法を取るかどうかを別にしても、汚染 水の漏出防止と耐震性の強化のためにはいずれにせよ必要なことではないかと思いますが、 東電としてこうした工法を検討していますか。 (回答) 現時点で決まった事実はなく、工法の成立性等を引き続き検討してまいりたいと考えておりま す。 (小倉 志郎さま) Q56.武力攻撃に対して東電の現状の原発は耐えられると東電としては考えていますか?も し、耐えられないと考えているなら、政府に対して戦争を絶対に避けるよう公に判る形で要請し てください。 万が一、台湾有事から日本も戦争に巻き込まれる可能性が見えた時、原発の運転はどうしま すか? 現在政府はその有事があり得るとして、膨大な金額の税金を使って、日本の南西諸島を、ミサ イル発射装置を備えた要塞化の工事をどんどん進めています。少なくとも、政府は台湾有事が あり得ると考えていることは確かです。 (回答) 原子力発電所に対し武力攻撃が発生した場合、又はそのおそれがある場合には、国からの命 令により原子炉の運転を停止し、又は事態の緊急性若しくは県からの要請等を考慮のうえ自ら の判断により原子炉の運転を停止するなど、放射性物質等の放出を防止するため必要な措置 を講ずることになっております。 Q57.原発が重大事故を起した場合、その被害は立地自治体ばかりではなく、日本全体の国 民に及びます。これは汚染地域で生産・収穫された食材を食べざるを得ないことから、全国民 が影響を受けていることは3・11フクシマ事故の実態から明らかです。従って、今後、再稼働の 是非を判断する 場合には、全国民の意見を聴く必要があると思います。このような意見聴取を東電が進んで行 うべきだと思いますが、いかがですか? (回答) 当社としては、低廉で安定的かつ CO2 の排出が少ない電気をお届けするために原子力は重 要な電源と考えており、福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえた上で、安全最優先と信 頼回復を大前提として柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指してまいります。 Q58.3・11フクシマ事故は未だ終息していません。東電として、いつどのような形で事故が終 息すると考えていますか? (回答) 当社といたしましては、中長期ロードマップで示された「30〜40 年後の廃止措置終了」を目指 し、復興と廃炉の両立により福島の復興が進められるよう、廃炉作業を安全・着実かつ計画的 に進めてまります。 以上 |