東電と共に脱原発をめざす会」
「共の会」事前質問(2022.8.3)に対する回答
     2022年8月26日に送られてきた回答書
3.11事故が起こる前から隔月で開催されている
「東電と共に脱原発をめざす会」
に私も数年前から参加。
遅まきながら順次公開する(できれば過去にも遡って)

<東電からの回答書(8月26日)>
2022年8/30対話会向け事前質問への回答
他の方からの質問にも回答

【注}整形のためのミス及び図表省略をご容願います。ご要望いただいたらPDFを送ります。

2022.8.26
「共の会」事前質問(2022.8.3)に対する回答
当社福島第一原子力発電所における事故、および、放射性物質の漏えいにより、立地地域の
皆さま、さらには広く社会の皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけしていることを、心より深く
お詫び申し上げます。
いただいた事前質問について、以下のとおり回答いたします。



(中村泰子さま)
〈汚染水対策について〉
●ALPS処理水海洋放出について
Q1.福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の取扱いに関する検討状況
について
2021-08-25東電公表資料https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/1635125_8711.html
別紙2:多核種除去設備等処理水の取扱いに関する安全確保のための設備の検討状況につ
いて
https://www.tepco.co.jp/press/release/2021/pdf3/210825j0102.pdf3-(2) 放出シミュレーショ
ン?55頁〜ケースA:タンク保有(780兆ベクレル)に加え、(汚染水)発生も見込んで年間22兆ベ
クレルを設定し、2051年度放出完了となる。事故前の福島第一の年間放出量は2兆ベクレル。
一桁違う。…4/21(東電)説明がありました。
?汚染水発生量が2025年以降100m3/日で継続したとして、年間22 兆ベクレル未満のトリチウ
ム放出量で2051年に放出を完了するには、2050年迄にデブリの取出し作業を終え、汚染水発
生量がゼロになる前提による。…6/15(東電)説明がありました。
デブリの取出し作業は具体的に方式、スケジュールが定まったものではありません。処理水の
放出完了を見込む上での信頼性の基となりますか。
「デブリの取出し」が完了しない限り、処理水放出は2051年以降も延々と続く。…実施計画及び
説明資料に、リスクとして明示すべきではありませんか。
(回答)
福島第一原子力発電所におけるリスクについては、福島第一原子力発電所特定原子力施設
に係る実施計画T2.3「特定原子力施設における主なリスク」および福島第一原子力発電所特
定原子力施設に係る実施計画T2.4「特定原子力施設の今後のリスク低減対策」に明示し、原
子力規制委員会より認可をいただいております。
Q2.トリチウムの年間放出量について、福島第一原子力発電所の放出管理値(年間22 兆ベ
クレル)をシミュレーションの前提とされていますが、事故前の年間(実)放出量はその一桁少な
い2兆ベクレルであった。
福島沖に集中する10倍を超える放出量には安全性を担保する実績の裏付けはありません。…
実施計画及び説明資料に、リスクとして明示すべきではありませんか。
(回答)
2022年7月22日に認可された福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画の一部
である「多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価報告書
(設計段階・改訂)」に示すとおり、年間22兆Bqのトリチウムを放出した際の放射線影響を評価
しております。
その結果、人への被ばく線量は年間0.00003〜0.0004mSvとなっており、一般公衆の線量限度
である年間1mSvの約3万分の1〜3000分の1となり、線量限度を大きく下回っております。
なお、ALPS小委員会報告書にも示されているとおり、国内外の原子力施設からトリチウムの海
洋放出が行われており、その量が福島第一原子力発電所の放出量年間22兆Bqを大きく上回
る施設も多く存在します。
例えば、加圧水型軽水炉を有する発電所の事故前3年平均の実績は1発電所当たり約18兆
〜83 兆Bq/年、沸騰水型軽水炉を有する発電所の事故前3年平均の実績は1発電所当たり
約316億〜1.9兆Bq/年でした。国内の原子力発電所では周辺海域でモニタリングが行われてお
りますが、周辺海域の海水濃度は検出下限値未満〜1,100Bq/Lでした。
Q3.漁業組合をはじめ地元・関係者に禍根を残さない合意を得るには、リスクをスルーしな
い。払拭する方策と共に、誠意を持って丁寧に説明する姿勢が必要ではありませんか。
リスクを払拭するには「汚染水の発生量をゼロにする」…目標を取り戻すことです。
*デブリの存在・冷却水があろうとも「閉じた冷却ループ」を回復することで建屋滞留水には漏
らさない。
*建屋地下の止水を一般建築物並みに復旧することで滞留水への地下水の浸入を抑止す
る。
具体的な方策を組立て、今、着手できる作業から真摯に取り組むことで、前提条件が整い、実
績に近い条件での放出完了までが見えてきます。前向きな取組みを見せるべきではありませ
んか。
「2020年内汚染水の発生ゼロ」の見通しが崩れたことで「ALPS処理水の保管」の破綻が迫り、
放出を余儀なくしている。「発生ゼロ」を早期に達成出来れば、放出によらない道筋について、
知恵を出し合う可能性が生まれて来るのではないですか。
(回答)
中長期ロードマップに記載されている「2025 年内に汚染水発生量を、1 日当たり 100 ?以下に
抑制」目標の達成を目指して取組を継続しております。中長期的な汚染水抑制対策については
将来的な課題の一つとして、引き続き、検討してまいります。
●建屋滞留水について
Q4.2021規制委議事録>特定原子力施設監視・評価検討会第88回
https://www.nsr.go.jp/data/000346444.pdf
>75頁:東電よりJAEA(建屋滞留水)分析結果、数μmの粒子の検出から「沈降分離」の効果
を推測している。
>原子炉建屋からプロセス主建屋など集中廃棄物処理建屋に移行する中で、沈降分離する。
…報告がある。
同【資料1-4】建屋滞留水処理等の進捗状況について(2021-02-22)
https://www.nsr.go.jp/data/000343795.pdf
4頁:建屋滞留水中の放射能濃度推移として、水溶性であるはずのセシウムCs137濃度が深部
で〜2桁高い、沈降粒子態を示す測定値(グラフ)が開示されている。
8-15頁:α核種分析には、〜数μmの粒子の元素組成では鉄成分が主であること、α核種に
加えセシウム、コバルト等の放射性物質の付着検出結果が示されている。
?提示いただいた議事録・資料の通り、数μm以上の粒子はプロセス主建屋等で沈降すること
となりますが、粒子であることから水よりも流れにくく、建屋外に出ていく可能性は更に低い状況
です。これらの建屋周辺のサブドレン水のモニタリングは実施しており、その分析結果は、当社
ホームページに掲載しております。…6/14(東電)事前回答を頂きました。
(2021既に規制委・東電で)原子炉建屋からプロセス主建屋等まで、滞留水には〜数μmの粒
子体で沈降する(深部で1〜2桁高い)放射性物質の存在が認識されている。建屋外に出ていく
可能性が低いものか、従来のサブドレン水のモニタリング「水中における濃度計測」では見えて
いない以上、実証を見ないで予断は許されません。
建屋内滞留水との比較の上で、まずサブドレン(海側)に着目、更に観測井(海側)及び遮水壁
外の観測井とも、沈降汚泥に桁違いの放射性物質の存在がないのか、検証し、実態を探るこ
とが最優先ではありませんか。
(攪拌サンプリングのご意見もありましたが、汚染拡散を招きかねない懸念も踏まえて、できる
限り静的な実態を探ることを優先すべきではないですか。例:2号機R/Bの滞留水の採取器を
用いたサンプリング法)
発電所から港湾内への流出の影響についても、モニタリング・データに「沈降汚泥の採取調査」
を加える、更なる深層・広域監視が必要ではありませんか。
(回答)
既に回答のとおり、建屋内外の水位管理及びサブドレン水の放射能濃度測定により建屋外へ
の漏えいがないことを確認しており、ご提案の「サブドレンの沈降汚泥の採取調査」は必要ない
ものと考えております。
Q5.【資料1-4】建屋滞留水処理等の進捗状況について(2021-02-22)
https://www.nsr.go.jp/data/000343795.pdf
8頁:高い塩化イオン濃度が示され、10頁:海水由来の元素が確認されている。とあります。
?事故当時の津波の浸入による海水の影響と考えております。…6/14(東電)事前回答を頂き
ました。
事故から11年、淡水化装置が稼働し、真水の地下水を受け続けているなら、表中の「海水イオ
ン濃度に匹敵する20,200ppm(2020.6.30採取)」はあり得ません。
建屋周辺の雨水等はフェーシングで排除が進み、山側地下水は地下水バイパスで回避され、
真水が減少していれば、海側潮汐の影響を大きく受けている可能性があります。建屋地下の
床面が海水面以下であれば、「地下水のみずみち」により、建屋滞留水への海水浸入と汚染
水漏洩を1日2回繰り返していることが考えられます。
流れのある海水は凍りにくい。管理区域全体のサブドレン、観測井の海水データ(塩化イオン
濃度)を分析・開示し、地下水の分布(塩水と汚染)・遮水壁の効果(浸入と漏洩)を検証・再評
価すべきではありませんか。
(回答)
2号機原子炉建屋深部の建屋滞留水は、震災初期の高濃度滞留水がよどみ状態にあること
から、塩化物イオン濃度も高いものと考えております。
Q6.原子炉建屋の高濃度汚染水を(遮水壁の外に在り)海に近いプロセス主建屋等に移送・
貯留していますが、滞留水が周囲の地下水、更に港湾外の海へ直接流出する恐れのある構
図と見えます。検証すべきリスク対象ではありませんか。
図1 プロセス主建屋等の位置関係

表 1 プロセス主建屋等、(滞留水)内水位と建屋周囲(地下水)水位 単位:メートル
プロセス主建屋内水位
高温焼却炉建屋内水位
プロセス主建屋海側の地下水位(上限-下限)
サブドレン
海側の水位
2012-3 月 T.P.+2.757 T.P.+1.489 T.P. -T.P. T.P.
2015-3 月 T.P.+3.346 T.P.+0.945 T.P. -T.P. T.P.
2018-3 月 T.P.+3.042 T.P.+0.867 T.P. -T.P. T.P.+1.5
2019-3 月 T.P.+2.674 T.P.+0.261 T.P. -T.P. T.P.+1.0
2020-3 月 T.P.+0.998 T.P.+0.697 T.P. -T.P. T.P.+0.5
2021-3 月 T.P.+0.667 T.P.+0.062 T.P. -T.P. T.P.+0.5
2022-3 月 T.P.-0.159 T.P.-0.409 T.P. -T.P. T.P.+0.5
*たまり水の貯蔵及び処理の状況について-週報/廃炉・汚染水・処理水対策チーム事務局
会議-資料より
? プロセス主建屋、高温焼却炉建屋内の滞留水は、1〜4 号機の原子炉建屋・タービン建屋と
同様、
周辺の地下水位よりも低くなるよう建屋内の水位を運用し、建屋外に漏れ出ないよう管理を行
っております。…6/14(東電)事前回答を頂きました。
例えば2018-3月プロセス主建屋内水位T.P.+3.042mに対し(遮水壁内のサブドレン海側T.P.+1.
5mであるのに)遮水壁外の海側の地下水位は高くなり得ません。この疑念にデータの開示を
持ってお答え頂けませんか。
(回答)
プロセス主建屋周辺は陸側遮水壁の南側の外側であり、西側(山側)からの地下水が陸側遮
水壁で遮られず、プロセス主建屋周辺の地下水位は陸側遮水壁内に比べ高い地下水位となり
ます。
2011 年 4 月〜2015 年 8 月のデータとなりますが、下記 URL に掲載の集中廃棄物処理施設
周辺のサブドレンピット水位計測結果をご確認ください。
■サブドレンピット水位計測結果
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/past_data/subdrain_pit/index-j.html
Q7.当該域は、遮水壁の外にあり、海側潮汐の影響を直接・不断に受けています。「地下水の
みずみち」により、建屋への海水浸入と汚染水漏洩を1日2回繰り返すことが考えられます。
現在のサブドレンのモニタリングが表層・水中であれば、見えていない沈降汚泥を検証し、実態
を探ることが最優先です。拡散の恐れを持って、遮水壁外の当該域に観測井(海側)を設け、
「沈降汚泥の採取調査」が必要ではありませんか。
海域モニタリング(海水、海底土、海洋生物等の測定)においても、リスク対象として当該域の
影響を受ける「海側遮水壁の南岸域」について、注目・加える必要がありませんか。
(回答)
既に回答のとおり、建屋内外の水位管理及びサブドレン水の放射能濃度測定により建屋外へ
の漏えいがないことを確認しており、ご提案の「沈降汚泥の採取調査」等は必要ないものと考え
ております。
当社が計画する海域のモニタリングについては、2022 年 3 月 24 日に公表した海域モニタリン
グ計画に関する資料をご参照ください。
■多核種除去設備等処理水の取扱いに関する福島第一原子力発電所海域モニタリング計画
について
(概要)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_7.pdf
(別紙)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_6.pdf
(添付1)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_5.pdf
(添付2)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_4.pdf
(添付3)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_3.pdf
Q8.特定原子力施設監視・評価検討会第98回【資料3-4】建屋滞留水処理等の進捗状況につ
いて
(2022-03-14)
https://www.nsr.go.jp/data/000383578.pdfにおいて、
17頁:3-1.プロセス主建屋,高温焼却炉建屋の滞留水一時貯留タンク概要プロセス主建屋地
下2階を大雨時等の流入量増大時に使用(室内水位が上昇)することを容認しています。水位
による漏れ出ない管理は守られない。従来からの体制をそのままではないですか。
21頁:【参考】滞留水一時貯留タンクの概略系統図滞留水一時貯留タンクの滞留水受払いフロ

B受入槽に沈降したスラッジ等は必要に応じて当面の間PMB地下に排出とあります。
プロセス主建屋(PMB)の代替設備を作っても結局、沈降汚泥(スラッジ)はPMBに戻ってきま
す。
それが建屋外に出ていく可能性、「沈降汚泥の採取調査」は急務です。遮水壁のない海への拡
散の恐れを持って、(一時貯留タンクを作る以前に)むしろ一時止水対策が急がれる課題では
ありませんか。
(回答)
既に回答のとおり、プロセス主建屋についても建屋内外の水位管理及びサブドレン水の放射
能濃度測定により建屋外への漏えいがないことを確認しており、ご提案の「沈降汚泥の採取調
査」等は必要ないものと考えております。
●汚染水発生ゼロに向けて
Q9.「汚染水の発生ゼロ」の見通しが崩れたことで「ALPS処理水の保管」の破綻が迫り、追
い詰められる。
〈汚染水対策〉移送・貯留・処理を今なお続けることで、環境・海洋への拡散リスクが今後とも無
くならない。
「汚染水の発生ゼロ」の目標が達成されずに消えたままで、廃炉スケジュールの信頼性が保て
ますか。
? これまでに、原子炉格納容器の止水に向けて、遠隔の調査装置を用いて、漏えい個所の調
査を実施しており、1 号機、3 号機で漏えい箇所につながる一部の漏えいを確認しましたが、全
ての漏えい箇所を特定するところまでは至っておりません。
閉じた冷却ループのためには、止水工事が必要であり、そのためには、漏えい箇所の調査・特
定、止水方法の検討、遠隔ロボットの選定・開発、止水方法のモックアップ試験、止水部分の
維持管理方法の検討等が必要となることから、相当の時間を要することが考えられます。…6/
14(東電)事前回答を頂きました。
相当の時間を要するからこそ、廃炉スケジュールのマイルストーンとなる目標と定め、今、具体
策を持ち、出来るところから進めて行く姿勢が必要ではないですか。
*「汚染水を漏らさない」:原子炉格納容器の漏洩阻止に向けて、「閉じた冷却ループ」=注入
冷却水を圧力抑制室(S/C)から回収する。格納容器(D/W、S/C)内の水位を下げることで、外
流れ・漏洩を抑止する。
止水工事を必要としない方策を前回提案しています。
*「汚染源に水を近づけない」:地下水の浸入、建屋の止水を回復しなければ中枢の廃炉作業
が進まない。
床面露出したタービン建屋を緒として、連通水を徹底遮断し、外周止水と共にドライアップ(除
染・フェーシングまで)を完遂する。引き続き、トーラス室を取囲む全ての地下室について、同様
に遮断・止水と共にドライアップを完遂する。結果、汚染源トーラス室に対し「浸水と漏水」を周
りから抑止する。
*ここに被曝作業を抑える具体的な方策・技術開発を優先する結果が、今後の廃炉・被曝労
働を低減します。
「汚染水の発生ゼロ」に向けて、やれない理由を並べて先送りには出来ません。
今できる道筋を順序立てて、前回「II.福島原発事故汚染水の発生対策」を提案しました。
今回改めて提出する「II.福島原発事故汚染水の発生対策(改訂版)」(別添)を審議する意向
はありますか。
(回答)
汚染水発生の抑制につきましては、引き続き、凍土方式の遮水壁、サブドレンの運用に加え
て、建屋屋根損傷部の補修や建屋周辺エリアのフェーシングを進め、発生抑制に努めてまいり
ます。



(さとうみえさま)
〈フランスにある東電のプルトニウムについて〉
Q10. ふげんの使用済み核燃料の再処理とプルトニウムの譲渡について「日本原子力研究開
発機構(JAEA)は新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市、廃炉作業中)の使用済み核燃料の再
処理をフランスの核燃料サイクル企業であるオラノ・リサイクルに委託し、取り出したプルトニウ
ムの所有権を同社に移転する。再処理で生じる高レベル放射性廃棄物は日本に輸送し処分す
る。核燃料再処理で取り出すプルトニウムを日本が海外に移転するのは初めて」日経 2022
7 21 「フランスへのプルトニウム移転、核燃政策の曲折を象徴」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD117MV0R10C22A7000000/
とのことだが、フランスにある東電のプルトニウムをフランスに譲渡するということはありうる
か。
フランスにある東電のプルトニウムを、イギリスにある他電力のプルトニウムと交換する話より
はるかにわかりやすい話だと思うがどうか。そもそも保有プルトニウムの増加に困っているな
ら、まずは全量再処理政策を見直すべきだと思うがどうか。
(回答)
エネルギー基本計画においては、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化等の観
点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する原子燃料サイクル
の推進を基本方針としており、現時点で海外に譲渡する計画はありません。
当社としても、こうした国の方針を踏まえ、原子燃料サイクル事業を推進していく所存です。

〈東電株主代表訴訟について〉
Q11.7月13日、東電株主代表訴訟の13兆円をこえる賠償が認められた判決について、東電
のコメントをききたい。特に、福島原発事故は防げたとして、元取締役5人すべてに任務懈怠に
よる善管注意義務違反が認められたことを当社の現経営陣はどう認識しているのか。
控訴審では、東電が補助参加しないことを強く求める。
(回答)
個別の訴訟に関することは回答を差し控えさせていただきます。



(木村雅英さま)
〈全般 皆さんの受け止め〉
Q12.前回の文書回答と6月15日会合を受けて感じたことを以下に再掲します。
・東電の原発推進政策
会社としても社員一人ひとりとしても「コメントは差し控え」られ残念です。
何度もいいます『あれはあれ、これはこれ」は成り立ちません。
・放射能汚染の影響
事故年 3 月末日までの総放出量が一千ペタベクレルを超えるとの回答。
11 年間の総放出量を分かりやすく説明してほしい。
・イチエフ中長期ロードマップ
「復興と廃炉の両立」の回答では具体的姿が不明確で展望も見えない。廃炉作業も頓挫してい
る今、ロードマップ見直しが急務です。
・イチエフ汚染水対策
希釈も拡散も解決にならない、地元漁協との約束を無視して IAEA・規制委頼みの「海洋放出」
計画と工事強行に怒りを覚えます。原子力規制委員会による反対意見無視、問答無用の「審
査合格」を私たちは信じません。
・地下水流入対策
汚染水「放出」よりも優先して取り組んでいただきたい。
・イチエフ事故責任
「3 つの誓い」「7 つの約束」を守ってほしい。
司法判断を考慮すれば、賠償審査会の中間答申も改訂が必要。
東電株主訴訟の「13 兆円余の賠償命令」を東電は重く受けとめるべき。
・イチエフ事故原因追求
原因追及は道中半、11 年経って事故調査委員会の立上げが必要。
・柏崎刈羽原発
「一連の不適切な事案」が続いている。原発を断念する勇気を持って。
・被ばく労働について
何度も言います、個人情報保護口実の被曝隠蔽をしないで。
・東電のコンプライアンス
東電は率先して原発をやめて再生可能エネルギーに専念すべき。
以上のそれぞれについて、東電として、あるいは対話会ご参加の皆さんとして、受けとめと反論
をお聞かせ願います。
(回答)
繰り返しとなりますが、これまで当社として回答させていただきましたとおりであり、個人として
のコメントは差し控えさせていただきます。
〈【東電の原発推進政策】 事故直後と、その後の11年間と、今〉
Q13.3.11直後事故直後「最悪のシナリオ」(近藤駿介)に対して、「全力を投じ、災害規模の
拡大を防ぐことができた」と回答されました。最悪シナリオが起こりえたことへの東電の受止め
を再度お尋ねします、今東電に残っている皆さんの真摯な受けとめをお尋ねします。
(回答)
前回お答えいたしましたとおり、近藤駿介先生の「福島第一原子力発電所の不測事態シナリオ
の素描」が報告された 3 月 25 日時点では、4号機の使用済み燃料プールへの注水が行わ
れ、燃料の冠水を維持できることを達成した後であり、災害規模の更なる拡大を防止していた
と認識しております。
Q14.ウクライナの戦争により原子力発電所が核兵器同様に危険であることが明らかになりま
した。チェルノブイリ原発をいち早くロシア軍が征圧し、山火事が起こり、多数のロシア兵が被
曝し、ザポリジャ原発もロシア軍が征圧し、どちらもその後一帯を弾薬の集積場所や司令部の
拠点にしていると報じられ、世界中を不安に陥れています。
また、更田原子力規制委員会委員長は 3 月中旬に「直接的な武力攻撃については、軍事情
報にアクセスする立場になく、対策についての議論は事実上無理だ」、「大きな爆発力を持って
いれば、攻撃を受けただけで放射性物質を飛び散らせるので防護する手段は事実上ない」と
答えています。
これに対して前回東電は「外交上・防衛上の観点から対処されることであると認識しており、事
業者がお答えする立場にありません。」と回答されました。
事業者として無責任ではありませんか? 上記リスクについての東電の責任範囲を明示してく
ださい。
(回答)
繰り返しになりますが、軍事攻撃のリスクに対しては、外交上・防衛上の観点から対処されるこ
とであると認識しており、事業者がお答えする立場にありません。原子力発電所においては、
常時、テロ攻撃を想定して警察庁および海上保安庁とも連携の上、侵入防止や警戒等の措置
を講じております。
Q15.司法判断と事業者責任についての質問です。
〇6 月 17 日、避難した住民らが国相手に起こした集団訴訟で、最高裁が事故を防ぐ時間がな
かったとして国の賠償責任を否定する判断をくだしました。
最高裁の判決をどの様に受けとめましたか?国に賠償責任は無いと東電は考えていますか?
一方、三浦守裁判官が、国が東電に規制権限を行使しなかったのは「国家賠償法 1 条 1 項
の適用上違法だ」とする反対意見を書きました。この反対意見について東電はどう受けとめま
したか?
〇7月13日、東電の株主代表訴訟で、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長ら元役員 4 人に
13 兆 3210億円の支払いを命じる判決が言い渡されました。東電はこの判決をどの様に受けと
めましたか?
旧4経営陣と現東電との関係、特に金銭関係を確認させてください。裁判費用などはどう扱わ
れるのですか?
(回答)
いずれの内容についても、回答を差し控えさせていただきます。
Q16.日本原電の東海第二の為の資金支援について 東京電力は 2019 年秋に日本原子力発
電への 2200億円の資金支援を決めました。東海第二は司法により稼働を止められ稼働予定
も延期続きです。資金支援のその後の経緯を確認させてください。直ちに回収することはできな
いのですか?
(回答)
東海第二への資金的協力については、日本原電から受けた受電条件の提案を含めた資金的
協力の依頼の内容を精査し、経済性に加え、地元のご理解や避難計画策定に向けた取組の
進捗状況、安全性向上対策への取組の進捗状況などを総合的に確認して判断しております。
〈イチエフ放射能汚染の実体〉
Q17.前回の回答 url に該当 PDF が見つかりませんでした。それにしても改めて、各年の気
体・液体・固体の年間推定放出量を明示していただけませんか?
また、前回「海に排水している地下水バイパス及びサブドレン他の浄化水に含まれる放射性物
質としては、セシウムは測定結果は不検出(ND)が続いており、放出量としては0(ゼロ)として
おります。」とご回答いただきましたが、実際の海への放出量をゼロと断定できる根拠を再度説
明してください。セシウム以外はどうでしょうか?
(回答)
これまでも回答のとおり、事故直後(2011 年 3 月末日まで)における気体状の放射性物質の
総放出量として1千ペタベクレルを超えるものと評価しており、事故後以降の 11 年間の総放出
量の大半(事故後2カ月目以降の放出量とは桁数レベルの差)を占めています。
なお、毎月の原子炉建屋からの追加的放出量の評価結果を、当社のホームページ(下記URL
参照)にてお知らせしております。
■原子炉建屋からの追加的放出量の評価結果
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/emission/index-j.html
また、海に排水している地下水バイパス及びサブドレン他の浄化水に含まれる放射性物質とし
ては、セシウムは測定結果は不検出(ND)が続いており、放出量としては実質0(ゼロ)と扱って
おります。
また、ストロンチウムの放出量は平成 28 年度に 1.4E+6Bq、令和 3 年度に 4.7E+5Bq、トリチウ
ムの放出量は平成 26 年〜令和 3 年まで、年間最大 1.9E+11Bq(0.19 兆 Bq)となっておりま
す。
更に、敷地内に保管している主要な固体廃棄物の管理状況は、毎月当社のホームページ(下
記URL参照)にてお知らせしておりますので、ご確認ください。
■(最新分)2022 年 5 月 26 日 廃炉・汚染水・処理水対策チーム会合第 102 回事務局会議
【資料 3-4】 放射性廃棄物処理・処分
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap_progress/pdf/2022/
d220526_09-j.pdf
〈イチエフ中長期ロードマップと実施計画〉
Q18.前前前回のご回答で、イチエフ「廃炉」が全く姿も見えず定義もされず、「30〜40 年後の
廃止措置終了を目標に、燃料デブリ取り出し等の廃炉作業や研究開発等の進捗状況を踏ま
え、地元の方々をはじめとする関係者の皆さまや国、関係機関等と相談させていただきなが
ら、検討を進めていくことになる」状態であることを確認しました。 前前回は「復興と廃炉の両
立」の目論みについての質問に「より一層のリスク低減や安全確保を最優先に、地域とともに、
廃炉を着実に進めていく
ことが重要と考えており、廃炉関連産業の活性化を通じて、福島の復興に力を尽くしてまいりま
す。」との回答でした。
さらに前回のリスク低減についての質問に「燃料デブリや使用済燃料プール内の燃料等が主
なリスクとして存在し、リスク低減対策に取り組み、より管理された状態にしてまいります。」との

回答でした。
以上の状態を長らく放置する理由を教えてください。
(回答)
当社といたしましては、中長期ロードマップで示された「30〜40 年後の廃止措置終了」を目指
し、復興と廃炉の両立により福島の復興が進められるよう、廃炉作業を安全・着実かつ計画的
に進めてまいります。
Q19.今後のロードマップの見直しのスケジュールについての東電の考えを教えてください。
福島の方々の願いは「事故前の生活を取り返して欲しい」だと私は考えます。東電はそう考え
ませんか? もしそうだとしたら東電はどう答えますか?
(回答)
中長期ロードマップは、政府の廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議にて見直しされるも
のであり、見直し時期について当社は申し上げる立場にありません。
引き続き「復興と廃炉の両立」の大原則の下、廃炉を安全・着実かつ計画的に進めてまいりま
す。
Q20.「廃炉中長期実行プラン 2022」を拝見しました。向こう3年の計画を確認し向こう10年ま
での実行プランなのですね。皆様のご苦労は大変だと思います。特に、真夏にも防護服に身を
包み汗拭きも排便も制限されている労働者のご苦労はいかばかりかと想像します。皆さんが当
面実施すべきことをされていると信じたいです。
だからこそ、「廃炉」の姿・定義を法律で明確にして、しっかりとした「廃炉」ロードマップを早急
に作り直すことが必要だと思います。次の世代に負債を押しつけてしまうことは確かですが、今
生きている「国民」を欺いて嘘のロードマップを続けないでいただきたい。
責任主体である東電が早急にロードマップの見直しを提案・推進することを強く要望します。
(回答)
当社は法律を制定する立場ではないため、コメントは差し控えさせて頂きます。
また、中長期ロードマップは、政府の廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議にて見直しさ
れるものであり、当社は、中長期ロードマップ、そしてそれを踏まえた廃炉中長期実行プランに
基づき、安全かつ着実に廃炉を進めてまいります。
〈【イチエフ汚染水対策】 汚染水海洋投棄(「海洋放出」)計画〉
Q21.福島港内の海底土の汚染状況をどう把握しているか教えてください。今後の「海洋放出」
による影響をどう推定していますか?
(回答)
港湾内の海底土の汚染状況については、2022 年 2 月 15 日に開催された第 9 回 ALPS 処理
水審査会合資料 1-1 スライド 33 に記載されております。
■ALPS 処理水希釈放出設備及び関連施設の新設について【資料 1-1】
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/examination/pdf/2022/
220215_01-j.pdf
今後の海洋放出による海底土の濃度については、2022 年 7 月 22 日に認可された福島第一
原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画の一部である「多核種除去設備等処理水
(ALPS 処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階・改訂)」においては、表
7-3-2〜7-3-4 に示される「評価に使用する海水中濃度」に表 7-2-4「海水と海底の堆積物の
濃度分配係数」を掛けた値を評価上用いています。
■多核種除去設備等処理水(ALPS 処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計
段階・改訂版)
https://www.tepco.co.jp/press/release/2022/pdf3/220715j0101.pdf#page=242
Q22.世界三大漁場のひとつである北西太平洋漁場への影響をどう予測しているのですか?
(回答)
2022 年 7 月 22 日に認可された福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画の
一部である「多核種除去設備等処理水(ALPS 処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価報
告書(設計段階・改訂)」に示すとおり、海洋拡散シミュレーションの結果から、年間平均のトリ
チウム濃度が海表面で 1Bq/Lを超える範囲は発電所周辺の 2〜3km に留まります。また、計
算領域(南北 約 490km×東西 約 270km)の境界における年間平均のトリチウム濃度は最大
でも 0.00026Bq/L でした。この濃度は、日本周辺海域における海水中トリチウム濃度(0.1〜
1Bq/L 程度)と比較して 3〜4 桁小さいことから、計算領域の外側における放射線影響は十分
小さいものと考えております。
Q23.漁協は今も反対 次の報道をご覧願います。
<7月27日は、東京電力の担当者が海洋放出の計画の説明のためにいわき市で開かれた県
漁連の会議に出席しましたが、会議の冒頭、野崎会長は「処理水の海洋放出については反対
であるということはいささかも変わらないということを改めて表明しておきたい」と話し、海洋放出
という処分方法をとるかぎり反対する姿勢は変わらないとする考えを強く示しました。>(NHK)
東電はこれ以上ごり押しを続けるべきではありません。直ちに「海洋放出」を断念してください。
(回答)
当社としては、ALPS 処理水の取扱いに関し、計画に基づく安全確保や、科学的根拠に基づく
情報発信、放射性物質のモニタリング強化など、政府の基本方針を踏まえた取組をしっかりと
進めるとともに、引き続き、地元の皆さま、漁業関係者の皆さまをはじめ関係する皆さまに対
し、ALPS 処理水の取扱いに関する当社の考えや対応について説明を尽くし、また、様々なご
意見をお伺いし、ご懸念やご関心に向き合い、一つひとつお応えしていくことで、廃炉の取組み
へのご理解を深めていただけるよう取り組んでまいります。
Q24.この問題に関して IAEA レビューなど国際的な協力を得ている様ですが、東電はどの様
な海外原子
力関係会社や国際的原発関連組織と交流しているのか概要を教えてください。
(回答)
廃炉事業全般における国際的な協力としては、IAEA の専門家等からレビューを受けている
他、海外の原子力関連施設の廃止措置の経験を有する機関・事業者等との協業、支援、技術
交流等を行っております。
Q25.8 月 2 日に福島県知事と大熊町長と双葉町長が海底トンネルなど放出設備の本体工事
開始に同意したと報道されました。漁業関係者や県民や国民の合意形成無きままの工事推進
に強く抗議します。
なぜ強引に工事を強行するのですか?
(回答)
福島県、大熊町および双葉町から工事の「事前了解」をいただくにあたって、県技術検討会の
報告
書で当社に示された 8 項目の要求事項、ならびに、福島県知事、大熊町長、双葉町長から頂
いたご意見(8項目の確実な実施、汚染水発生量のさらなる低減、二次廃棄物の適切な管理・
処分、管理体制の徹底など)を重く受け止め、一つひとつ真摯に対応してまいります。
ALPS 処理水希釈放出設備等の設置にあたっては、安全最優先で進めるとともに、引き続き、
安全を確保した設備設計や運用、放射性物質モニタリングの強化等、政府の基本方針を踏ま
えた取組みを徹底してまいります。
加えて、廃炉作業の一環である ALPS 処理水の取扱いについて、ご理解を深めていただける
よう、科学的な根拠に基づく情報を国内外に分かりやすく発信する取組みや、様々な機会を捉
えて皆さまのご懸念やご意見をお伺いし、当社からの説明を尽くす取組みを徹底してまいりま
す。
〈地下水流入対策〉
「海洋放出」の前に、汚染水と ALPS 処理水の増加を止めること、すなわちイチエフ建屋への
地下水流入量を減らす方策の重要性は理解され、2025 年までに約 100m3/日にまで抑制する
べくご努力されると理解しました。
Q26.もう一度、過去の流入水対策の目論みと最近の流入量を確認させてください。確か2021
年の実績は160?と発表されたのに、今は130?まで低減と発表されています。
(回答)
汚染水発生量については、中長期ロードマップにおいて、2020 年内に 150m3/日程度に抑制、
2025年内に 100m3/日以下に抑制という主要な目標工程が掲げられております。
実績として、2020 年の汚染水発生量は約 140m3/日であり、中長期ロードマップのマイルスト
ーンを達成しました。
以降の実績として、2020 年度は約 140m3/日、2021 年度は約 130m3/日となっております。
Q27.東電が計画どおり「海洋放出」する場合に、今後のタンク汚染水(処理水)の量がどう変
化するのかの目論みの図を示してください。まずは、東電が掲示しているポータルサイトのタン
クの図で毎年どの様に保管水が減っていくのかを示してください。なお、同サイトでは8月2日時
点で3月31日現在の数値しか出ていません。もう少し頻繁に増減を示すべきではありません
か?

(回答)
告示濃度比総和別の分類にあたり、満水となったタンク群毎にタンク内の水を採水し、分析を
行う必要があります。そのため、当該のグラフは四半期毎に更新することとしており、四半期末
までのデータを翌月整理・確認し、翌々月末に公開する予定としております。
そのため、8 月末に 2022 年 6 月 30 日時点のデータへ更新の予定です。
〈イチエフ事故責任〉
<「3つの誓い」、「7つの約束」、「福島原発告訴団」裁判、あらかぶ裁判、多数の損害賠償裁
判などから、前前前回のご回答「当社が行ってきた原子力安全改革の原点に立ち返り、何が
不足していたのか、何が間違っていたのか、途中で劣化していたのか等、徹底的に調査し、対
策を講じることで、自律的に改善できる組織に生まれ変わることが重要であると考えておりま
す。」を信じることができません。会社として態度で示してください。>と前回に書き、「改めてお
詫び申し上げ」られました。
Q28.イチエフ事故対策費用が当初 5 兆円から 22 兆円と約 4 倍に達したことについての質問
に対して、「東電改革提言で示された金額は、当社が行った見積もりではなく、確たることは申
し上げられません」との回答。あまりに無責任ではありませんか? 組織間の多くの祖語があっ
たとしても、当初どう考えて5兆円と見積もり、その後どのような見込み違いで4倍に達したのか
きっちり説明してください。その総括が無い限り、今後の見込みも全く信用できないことになりま
す。経産省も東電も、税金を消費しながらあまりに無責任ではありませんか。
(回答)
東電改革提言で示された金額は、当社が行った見積もりではなく、確たることは申し上げられ
ません。
福島第一原子力発電所の廃炉については、世界にも前例のない困難な作業であり、賠償・除
染・中間貯蔵については、被害の実態を全て把握できていないことから、そうした中で、当社と
しては、福島原子力事故に関連する必要資金を、具体的かつ合理的に見積もることは困難と
考えております。
なお、第四次総合特別事業計画では、当社が確保すべき資金と試算されている約 16 兆円の
確保のため、賠償・廃炉に関して年間約 5,000 億円を確保することに加え、除染費用に相当す
る株式売却益(4兆円)の実現に向けて、既存事業の深化・構造改革、事業領域の拡大等グル
ープ全体の事業ポートフォリオの再構築などを通して、年間 4,500 億円規模の利益創出を実現
していくことを掲げております。

〈イチエフ事故原因追求〉
Q29.「福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・
検討結果」取りまとめの予定をお教え願います。次回(第6回)は公表されたのでしょうか?
(回答)
第 5 回進捗報告以降に得られた知見を踏まえて検討を継続しており、検討結果がまとまり次
第公表を予定しております。
〈柏崎刈羽原発について〉
Q30.「核物質防護違反」の他にも、柏崎刈羽でもイチエフでも多くのトラブルが続出していま
す。これらからも汚染水「海洋放出」を東電に容認することが非常に危険だと考えます。私たち
の心配を理解できますか?
(回答)
柏崎刈羽原子力発電所での核物質防護に関する一連の事案を含め、地域や社会のみなさま
にご心配をおかけしていることに対し、お詫び申し上げます。
福島第一原子力発電所の事故以降、これまでの改革が有効であったかどうかを踏まえつつ、
現在、原子力改革を進めております。
原子力改革の活動は、いずれも継続的に活動し、理解と共感を得ていくことが重要であると考
えており、必ずや成し遂げるという覚悟で、しっかりと実施してまいります。
Q31.柏崎刈羽6,7号の原子力規制委員会審査はどのような状態で再稼働はいつを目指して
いますか?
(回答)
福島第一原子力発電所事故を深く反省し、安全最優先と信頼回復を大前提として、再稼働に
向けた柏崎刈羽原子力発電所の安全対策を着実に進めるとともに、原子力規制委員会の新
規制基準適合性審査及び核物質防護に関する一連の事案に対する追加検査に真摯に対応し
ているところですが、現時点では再稼働時期を申し上げる段階にはないと考えております。
〈被曝労働について〉
Q32.前回教えていただいた「福島第一原子力発電所作業者の被ばく線量の評価状況」から
月々の表を見ました。東電としてはこの11年間の被ばく線量推移をどの様に評価されている
のでしょうか?
(回答)
2015 年度以降、福島第一原子力発電所における作業員の月平均線量は 1mSv 以下で安定
しており、大半の作業員の被ばく線量は、線量限度に対し大きく余裕のある状況を維持してお
ります。(法令上の線量限度:50mSv/年かつ 100mSv/5 年)
今後も、きめ細かな線量管理を徹底し、個人の線量限度を遵守することはもとより、作業員の
受ける線量の低減に努めてまいります。
〈東電のコンプライアンス、原発やめて再生可能エネルギーを〉
Q33.前回の質問を少し加筆して再掲します。<大事故を起こし「廃炉」までの先も見えない。ま
た国
の「エネルギー基本計画」でも「可能な限り原発依存度を低減」と決めたはず。ウクライナ戦争
でエネルギー切迫を口実に原発推進は火事場泥棒。逆に、戦争は原発が自国に向けた原爆
になりうること、使用済み核燃料プールも冷やし続けないと危険なことが明らかになりました。
日本原燃(社長は増田元東電副社長)の六ケ所再処理施設が26回目の完成延期を発表、危
険な廃液を抱えた東海再処理施設でもガラス固化が難航、核燃料サイクルが破綻。
今こそ、事故を起こした東電が脱原発・再エネに方針転換するべきと考えます。>
これに対して、天候に左右されない、燃料資源が世界に分散、地政学的リスク受けず安定的
に燃料確保、それゆえバランスよく最適な電源ポートフォリオ実現の為に原子力発電が必要、
と答えられました。でも、この程度の理由の為に、非常に危険で核ゴミを貯め人と生物と地球を
放射能汚染する原子力発電を残すことは、ナンセンスだと思います。
ご回答で紹介いただいた東京電力グループ<長期的な安定供給とカーボンニュートラルの両
立に向けた事業構造変革について>(2022 年 4 月 28 日)をざっと拝見、素晴らしい事業構造
変革の計画と感じました。東電も原子力に固執しているのでなく、私たちから見て当然と思われ
ることも考えられていると感じました。
この資料で、原子力の文字をカウントしたら9、風力14,太陽光29,蓄電35と比較して非
常に少ない。エネルギー基本計画でベースロード電源とされているからやむなく原子力を残して
いる様に見えます。言い換えれば、この資料から原子力を取り除いても、何ら問題が無いと言
える資料だと思います。
原子力センターのみなさんには厳しいこととは存じますが、東京電力がいち早く原子力から撤
退することを切にお願いします。そしてイチエフの廃炉、汚染水対策には丁寧に対応していた
だきたいです。ご回答を期待します。
(回答)
繰り返しとなりますが、電力の安定供給や温室効果ガスの排出削減、経済性の観点から、再エ
ネ、原子力、火力をバランスよく構成し、最適な電源ポートフォリオを実現する必要があるもの
と考えており、再生可能エネルギーに加え、安全性の確保を大前提として、原子力発電が必要
と考えております。



(山崎 久隆さま)
〈福島第二原子力発電所3,4号炉使用済燃料プール冷却停止時における温度上昇確認につ
いて〉
Q34.7月20日付けで上記の文書が公表され、「燃料プール冷却浄化系運転停止」を行い、燃
料プールの冷却ポンプ(燃料プール冷却浄化系のポンプ)が停止したことを想定した試験を行
うようです。
例年行っているというのですが、これで「燃料プール水温が施設運用上の基準(65°C)未満
で推移することを水温測定と温度評価で確認」するというのです。安全性と計画の目的につい
て、詳しく説明すると共に、同様のことを第一原発で行っているのかも合わせてお答え下さい。
また、水蒸気の蒸発による放射性物質の建屋内及び環境への拡散を想定しているのですか。
Q35.この試験を積み重ねて、何を将来行おうとしているのでしょうか。制限温度65度に達しな
いことを確認して、恒久的にプールで自然冷却に移行するということでしょうか。(ありえないけ
れど)
目的を明確にしてください。
(回答)※Q34,Q35 一括回答
福島第二原子力発電所の3,4号炉使用済燃料プール冷却停止時における温度上昇確認につ
いては、以下をご参照ください。
■3,4号炉使用済燃料プール冷却停止時における温度上昇確認について
https://www.tepco.co.jp/2f-np/information/handouts/pdf/2022/j220720c-j.pdf
また、福島第一原子力発電所では、1号機では 2017 年 7〜8 月に、2号機では 2017 年 8〜
9 月に冷却停止試験を実施済みであり、自然放熱のみでも、実施計画上の制限温度(1号機:
60℃、2号機:65℃)に到達しないことを確認しております。
Q36.こうした試験を繰り返すよりも、乾式貯蔵に移すほうが安全性は向上するのではないでし
ょうか。
地震などでプールが損傷し水が抜けてしまえば、放射線と崩壊熱でいずれは燃料破損を起こ
すと思います。水が常に確保される状態で冷却に問題が無いとしても、水がなくなれば燃料破
損は免れないと思いますが、違いますか。水がない状態になった場合の燃料破損のシナリオを
示して下さい。
(回答)
一例として、福島第二原子力発電所1号炉の使用済燃料プールから冷却水が大量に漏えいす
る事象を考慮しても燃料の健全性は保たれることを、廃止措置計画認可申請書にて確認して
おります。
詳細は以下をご参照ください。
■(1号機)
福島第二原子力発電所 1 号発電用原子炉の廃止措置実施方針 添付(廃止措置計画認可申
請書)
https://www.tepco.co.jp/electricity/mechanism_and_facilities/power_generation/nuclear_p
ower/pdf/decommissioning_plan_2f1.pdf
Q37.第二原発でも燃料を早期に乾式貯蔵に移す(敷地は十分あると思いますが)計画はない
のですか。
明らかにしてください。
(回答)
福島第二原子力発電所においても使用済燃料プールから使用済燃料を計画的に取出し、廃
止措置を
円滑に進めるため、乾式キャスクによる貯蔵施設を構内に設置する計画としております。
〈第一原発の燃料プールからの使用済燃料取り出しについて〉
Q38.燃料取出については、現状では以下のように説明されています。
『冷却設備については,震災直後に設置した設備であるため,信頼性向上対策等を実施する
ことで冷却機能が継続できるよう対策を講じているが,これら機能が長時間停止した場合,使
用済燃料の崩壊熱により,最悪の場合,使用済燃料が溶融し,大気へ放射性物質を放出する
可能性が考えられる。その為,使用済燃料をより信頼性の高い冷却機能を有し,雰囲気線量
が低く管理しやすい,
共用プールに移送し,保管・管理を実施する。』 具体的に教えて下さい。現在残っているのは、
2,3号機と5,6号機ですが、それぞれの崩壊熱から、冷却材の注水が停止してから、制限温
度65度を超える時間、水が蒸発して燃料頂部が露頭する時間、放射性物質が放出され始め
る時間、これらを号機毎に示して下さい。
(回答)
福島第一原子力発電所 5,6 号機の使用済燃料プールおよび共用プールの冷却が停止した場
合、2022 年 8 月 1 日時点の崩壊熱を用いた、自然放熱を考慮しない保守的な評価で、実施
計画上の制限温度 65℃に到達する時間は、5号機と6号機は約 9 日後、共用プールは約 5
日後となります。
水が蒸発して燃料頂部+2mに到達するまでの時間は、最も短い共用プールで約19日程度と
十分余裕があり、消防車等による機動的な対応により燃料頂部の露頭は防止され、燃料破
損・放射性物質の放出を防止可能です。
なお、1,2 号機については、Q34,35 にて回答のとおり、制限温度に到達しないことを確認してお
ります。
Q39.『5,6号使用済燃料プールには約3,000体の燃料集合体が保管(5号機:1,542体,
6号機:1,654体)されており,これらの崩壊熱を除去するため,既存の燃料プール冷却浄化
系で冷却をしている。廃炉の決定を踏まえ,5,6号機使用済燃料プールの使用済燃料におい
ても,1,2号機の作業に影響を与えない範囲で共用プールに移送していく。』既に燃料移送作
業は5年以上遅れています。(1号機:令和9年度〜令和10年度燃料取り出し開始、2号機:令
和6年度〜令和8年度燃料取り出し開始)これが守れる保障はない。
5、6号機は既存の燃料移送装置が使えるはずなので、速やかに燃料プールからの取り出し
が可能だと思います。燃料の安全確保の観点から、こちらを動かすのが先ではないのでしょう
か。「共用プールへ1〜6号機使用済燃料プールの使用済燃料を受け入れることにより,使用
済燃料プールでの地震,津波等の外部事象の影響による冷却機能喪失時のリスクが低減す
る。」と、対策の適切
性を評価しているのは東電自身です。直ちに出来ない理由は何ですか。
(回答)
ご認識のとおり、1号機は 2027〜2028 年度に取り出し開始、2号機は 2024〜2026 年度に取
り出し開始を予定しております。この1,2号機の取り出しに影響を与えないという観点で、6号
機については 2022 年度より取り出し開始、5号機については 2024 年度頃より取り出し開始す
る計画を「廃炉中長期実行プラン 2022」でお示ししております。
Q40.3号機の566体,4号機の1533体が共用プール移送されていますが、これらのうち使
用済燃料以外は冷却管理は必要ないと思われますが、その数と今後の処理計画について明ら
かにしてください。核不拡散上も、これら燃料については何らかの方法で「無力化」(核分裂性
物質の取り出し防止措置)が必要と思われますが、どういう方針でしょうか。(例えば燃料加工
工場に送り返し
て解体し、別の燃料に加工し直すとか)
(回答)
共用プールに保管されている新燃料は76体ですが、将来的な取扱いについては検討中です。
Q41.震災後に使用済燃料プール循環冷却系を新たに設置しているということですが、具体的
な性能等を明らかにしてください。
(回答)
具体的な性能等については、実施計画U2.3「使用済燃料プール設備」に記載されております
ので、そちらをご参照ください。

〈汚染水海洋放出について〉
Q42.「関係者の理解を得る」ことは、現時点でもできていません。再度確認しますが、設備が
完成し
たとしても県漁連や全漁連をはじめとした「関係者」の理解を得られぬまま放出を開始すること

ないということでよろしいですね。
Q43.全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長は7月25日、「断固反対であること
は、いささかも変わらない」との声明を発表しています。これは規制委の審査後のことです。東
電は、どのようにこの声明にお答えになるのですか。
(回答)※Q42,Q43 一括回答
2015 年の文書にある「関係者の理解なしには放出しない」とした方針は変わりません。今後も
引き続き、漁業関係者を含む関係者の皆さまに、ALPS 処理水の取扱いも含め、福島第一の
廃炉・汚染水・処理水対策について、ご理解を深めていただけるよう、ご説明を尽くしてまいりま
す。
Q44.福島県、双葉町、大熊町の首長はは8月2日に小早川社長と面会し、海洋放出用トンネ
ルの建設に同意することを伝えました。これは設備着工(建設)の同意であって、汚染水放出に
ついての同意ではないとの理解でよろしいですか。
(回答)
8 月 2 日については、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等の実施にかかる
周辺地域の安全確保に関する協定書」に基づき、専門家や関係市町村で構成される福島県原
子力発電所安全確保技術検討会等の場で必要な安全対策の対応状況をご確認いただいた上
で、「ALPS 処理水希釈放出設備及び関連施設の設置」について、事前了解をいただいたもの
です。
Q45.海洋放出設備の建設について、ボーリング調査を行っていますが、これによりトンネル掘
削について影響のある結果は見つかったのでしょうか。
(回答)
海域ボーリング調査結果や既往地質データ等から、放水トンネルはすべての区間において岩
盤内を
通ると判断しています。
Q46.トンネル掘削用シールドマシンは、既に掘削を開始しているのでしょうか、工程について
具体的に教えて下さい。(明日にでも本格着工というニュースは質問締め切り日8月3日にNH
Kなどで
報じられています。)
Q47.海中放出用の構造物は、既に設置されているのでしょうか。その状況を教えて下さい。
Q48.陸上に建設される設備類について、進捗状況を明らかにして下さい。
(回答)※Q46〜Q48 一括回答
2022 年 8 月 4 日より、シールドマシンの掘削を開始しました。また、2022 年 8 月 4 日より、測
定・確認用設備や移送設備の設置に向けて、K4 エリアタンク周辺において循環配管や移送配
管等の敷設工事を開始しました。
工程については、以下をご参照ください。
■実施計画変更認可および廃炉安全確保協定に基づく事前了解を踏まえた多核種除去設備
等処理水
希釈放出設備および関連施設に係る設置工事について
https://www.tepco.co.jp/press/release/2022/pdf3/220803j0201.pdf
Q49.海水と混合した後には濃度を計測する方法は無いと思われますが「希釈後の水について
も当面は放出前に,その後も定期的に測定を行うこととしております。」としています。この手法
と測定サイクルについて教えて下さい。また、海洋のモニタリングの方法と、この測定結果に限
らず何らかの問題が生じた場合の希釈後の放出停止等、対処方法はあるのでしょうか。
(回答)
当面の間、放出の開始前に、少量の ALPS 処理水を希釈後、放水立坑(上流水槽)を使用し、
トリチウム濃度を直接確認した後に海洋放出を開始します。連続放出開始後は、毎日 1 回、
ALPS 処理水の希釈後である海水配管ヘッダ下流で採取し、トリチウムの測定を行います。
海域のモニタリングの方法については、2022 年 3 月 24 日に公表した海域モニタリング計画に
関する資料をご参照ください。
■多核種除去設備等処理水の取扱いに関する福島第一原子力発電所 海域モニタリング計画
について
(概要)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_7.pdf
(別紙)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_6.pdf
19
(添付1)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_5.pdf
(添付2)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_4.pdf
(添付3)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/newsrelease/reference/pdf/2022/1h/rf_
2
0220324_3.pdf
何らかの異常が発生した場合については、緊急遮断弁の自動作動又は運転員の操作により、
速やかに ALPS 処理水の海洋放出を停止します。
Q50.最も多い量のトリチウムを放出する想定の時期は、いつ頃で、その時に年間放出される
放射性物質の総量はどれだけになるのでしょうか。年間推計を明らかにして下さい。
Q51.最も多い量のトリチウムを放出する想定の時期は、いつ頃で、その時に日量放出される
放射性物質の総量はどれだけになるのでしょうか。日量の推計をして下さい。
Q52.最も多い量のトリチウムを放出する想定の時期は、いつ頃で、その時に時間当たり放出
される放射性物質の総量はどれだけになるのでしょうか。時間当たりの推計をして下さい。
(回答)※Q50〜Q52 一括回答
2021 年 4 月に決定された政府の基本方針を踏まえ、トリチウム放出量を年間 22 兆 Bq を下
回る水準で実施する計画です。トリチウム放出量が 22 兆 Bq の場合のトリチウム以外の放射
性物質の総量は、「多核種除去設備等処理水(ALPS 処理水)の海洋放出に係る放射線影響
評価報告書(設計段階・改訂版)」表 6-1-1〜表 6-1-3 に記載しております。また、2021 年 8
月 25 日に公表した資料中の放出シミュレーションでは、トリチウム総量が最も多いケースで、
2024〜2029 年度の年間トリチウム放出量を 22 兆 Bq と想定しております。
■多核種除去設備等処理水(ALPS 処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計
段階・改訂版)
https://www.tepco.co.jp/press/release/2022/pdf3/220715j0101.pdf#page=242
日量は、年間稼働率 8 割と仮定、すなわち放出日数が 292 日すると、年間の放射性物質量
を 292 日で割った値が推計値となります。時間当たりの量は、24 時間連続放出を仮定する
と、日量を 24 時間で割った値が推計値となります。なお、実際の日量及び時間当たりの量に
ついては、日々の運用状況や放出する水の性状で変わることがあります。
Q53.宮城県知事や漁協の意見について
「海洋以外の検討を」と語ったのは宮城県の村井知事です。「立地自治体が東京電力の事前
了解願いを受け入れたことは、それぞれの事情で判断がなされたものと考えている。宮城県と
しては、引き続き、海洋放出以外の処分方法の検討を求めていくとともに、より具体的かつ効
果的な風評対策などについて、国および東京電力の責務としてしっかり対応するよう求めてい
く」というコメントを出しました。また、宮城県漁協も「反対変わらず」としています。(NHK) この
発言について、東電はどのように答えるのですか。東北各県はこぞって海洋放出反対の声を
上げているのです。
(回答)
2021 年 4 月に決定された政府の基本方針では、当社に対し、「2年程度後に海洋放出を開始
することを目途に具体的な放出設備の設置等の準備を進めること」が求められており、当社
は、ALPS 処理水の取扱いに関し、計画に基づく安全確保や、科学的根拠に基づく情報発信、
放射性物質のモニタリング強化など、政府の基本方針を踏まえた取組をしっかりと進めるととも
に、引き続き、地元の皆さま、漁業関係者の皆さまをはじめ関係する皆さまに対し、ALPS 処理
水の取扱いに関する当社の考えや対応について説明を尽くし、また、様々なご意見をお伺い
し、ご懸念やご関心に向き合い、一つひとつお応えしていくことで、廃炉の取組みへのご理解を
深めていただけるよう取り組んでまいります。

〈SGTS配管の撤去作業の中断と遅れについて〉
Q54.「模擬訓練が不十分だった。不具合が起きたときの対処策の検討もできていなかった」と
記者会見で語ったのは、東電福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者で7月28
日のことです。
このことが意味するのは、何でしょうか。SGTS配管とは何で、これが事故時にどのように汚染
され、その後、これが障害物となり如何なる支障を来してきたのか、そして現在の状況の説明
をお願いします。モックアップ試験(同材質かつ同口径の配管材で構成されたモックアップ試験
設備でSGTS配管の把持、穴開け、ウレタン注入、切断、閉止及び細断作業)と訓練が不十分
という主旨だと思われますが、どのように不十分だったのでしょうか。
(回答)
2011 年の事故時に原子炉格納容器ベントを実施しており、それにより SGTS 配管は高線量で
汚染された状態となっております。
SGTS 配管の撤去作業は、1・2 号機廃棄物処理建屋の雨水対策工事、ならびに1号機燃料取
り出し用大型カバーの設置工事を進めていくうえで重要な作業です。遠隔装置を用いた作業で
すが、安全かつ着実に作業を進められるよう、これまでモックアップ試験を繰り返し実施し、都
度改善を重ねてきたところです。
ワイヤーソーの刃が配管に噛み込んだ事象は、配管が自重で沈み込んだことが原因と推定し
ておりますが、モックアップ時に配管が自重で沈むことによる不具合に対する検証などができて
おりませんでした。
Q55.この配管は、撤去が出来ないまま長期にわたり作業被ばくの増大を引き起こしていま
す。この撤去作業については作業員が作業エリアで被曝労働を行うことは想定していなかった
とされていますが、現実には作業をせざるを得ない状況になったとされています。その間のいき
さつと、被曝量について説明して下さい。
(回答)
現在、切断途中の SGTS 配管については、作業中断中に配管歪みが起こらないよう固定する
こととし、主にクレーンで遠隔作業を行いますが、ワイヤーを主排気ダクトの土台等へ固定する
工程は有人となります。線量管理、及び作業時間管理を適切に行い、被ばく線量の低減に努
めております。
Q56.7月25日には、早々に年内作業の中止を発表しているようですが、今後はどうするつも
りですか。
(回答)
当該作業における今後の予定等につきましては、当社ホームページ(下記URL参照)にてお知
らせしておりますので、ご参照ください。
■1/2 号機廃棄物処理建屋(Rw/B)周辺工事のリスク低減のための工程組み替えについて
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap_progress/pdf/2022/
d220728_08-j.pdf
Q57.中途半端な状態で放置されたら台風などの強風と豪雨で汚染が拡散する危険性がある
のではないでしょうか。
(回答)
切断途中の配管については、落下の可能性は低いものの、台風などの影響により配管の歪み
が生じ
ないように固定します。また、配管切断面には閉止キャップの取り付けも実施します。
Q58.飛散防止剤を散布しても放射性物質の拡散しているようです。構内のダストモニターにお
いては
どのような測定結果になっているのでしょうか。
(回答)
配管切断作業にあたっては、ダスト飛散抑制を目的に、切断箇所への飛散防止剤の散布、飛
散防止カバーの取付、ならびに局所排風機によるダスト吸引等の対策を行ったうえで、慎重に
作業を行っており、仮設ダストモニタの指示値は、管理基準値に至っていないことを確認してお
ります。
また、切断作業中において、敷地境界ダストモニタならびに構内ダストモニタに有意な変動がな
いことを確認しております。
Q59.計画した方法では無理であるということなのか、やり方に問題があるので改良すれば良
いということなのか、明らかにしてください。「現行計画での作業を断念」と東京新聞は見出しで
報じてい
ます。
(回答)
SGTS 切断装置の信頼度向上による遅延リスクの低減として、中断期間を活用し、これまでの
切断装置不具合を振り返り、切断装置の改善検討、噛み込み対応方法の見直しおよびそれら
のモックアップ等を実施します。

〈柏崎刈羽原発のセキュリティ問題について〉
Q60.柏崎刈羽原発では、持ちだし不可のセキュリティ情報を持ち出すという問題が発生してい
ますが、具体的に何をどうしたのでしょうか。説明して下さい。
(回答)
核物質防護に係る情報(以下、「情報」)の取扱い資格を有する当社社員が、責任者から許可
を得る手続きを行わずに、印刷した情報をテレワークのために自宅へ持ち帰った事案を確認し
ました。
当該印刷物については、当該社員の管理下にあり、紛失や漏えいはありませんでした。
現在は、当該社員を核物質防護に係る情報の取扱者から除外するとともに、当該印刷物は適
切に回収したうえで社内で保管しています。
なお、当該社員を含む情報の取扱者全員に対して行った調査より、当該印刷物以外に許可な
く社外へ持ち出された情報がないことを確認しています。
Q61.規制委の検査報告の中に「柏崎刈羽の東京電力からの報告書における根本原因につい
ては、一つ目はリスク認識の弱さということで、要は、柏崎刈羽の発電所の担当部門である核
物質防護部門において認識が弱かった」との記述があります。核物質防護の認識が甘いとは、
どのような意味ですか。
(回答)
核物質防護の重要性の理解不足、厳格に警備業務を行える環境の不備、当社社員は内部脅
威になり得ないという当社社員および警備関係者の思い込みといった点に課題があったと考え
ております。
Q62.「内部には共有は必要ないんだと思い込むというような点」という指摘が見られます。近
年特に、東電に限らず重要な情報を共有しないで特定部門が抱え込む傾向は、非常に強く感
じます。例えば安全上重要と思われる情報を、他部門に知らせないことがセキュリティとしては
正しい姿勢と考える人が増えている陽にも感じます。むしろそうした風潮が強まっている中で起
きている事件が、今回の一連の柏崎刈羽原発での出来事と感じられます。これについて、ヒア
リングなどで明確になってきているのではないでしょうか。情報を共有することで、多くの知見が
集まり、そこからリスクへの対応が迅速かつ的確になるといった考え方をしていますか。
(回答)
今回の一連の事案を踏まえ、機密性が高いという核物質防護に関する業務の特殊性はあるも
のの、情報共有の重要性は認識しており、経営層、本社・発電所上層部の関与を強化する観
点から、それぞれの役割や責任を再整理するとともに、核物質防護に係る不適合やトラブル等
に関する情報の収集・整理、報告のルート、内容、頻度等情報伝達や指揮命令系統の見直し
を行うこととしています。
また、核物質防護に関する重要事項審議のための会議体の在り方についても整理を行いま
す。
Q63.「現場実態の把握の弱さ」という点も指摘されていますが、これも近年特に経験値の低い
現場においてよく見られる現象です。最近多く発生している重大インシデントの多くは、これが
関連しています。(KDDIやNTTの事件や鉄道での事件など)これは、目の前で起きていること
を「危険」と認識する力が落ちていて、むしろ正常性バイアスがかかって「たいしたことはないだ
ろう」との思い込みが起こっているのではないでしょうか。こうした姿勢は原子力の現場では破
局的災害にもつながりますので、そういった事態に従業員が陥っていないか、積極的に従業員
の間に入って管理者が把握に努めなければなりませんが、むしろ管理者にこそ欠陥がありそう
です。これをどの
ように解決するつもりでしょうか。
(回答)
今回の事案では、現場の課題が発電所上層部、本社主管部や経営層に伝わらず事態が悪化
してしまいました。核物質防護規定上、発電所防護管理GMが、不適合情報の傾向分析等を
行い、発電所上層部や本社主管部に報告することになっていますが、その分析内容や報告す
べき内容は定められていませんでした。今後は、核物質防護業務のパフォーマンスをモニタリ
ングする「型」を予め定め、発電所上層部、本社主管部や経営層に報告する仕組みを構築しま
す。
また、現場実態を把握するため防災安全部長が定期的に防護本部で執務し、自らの目で核物
質防護の現場を確認し、社員見張人との直接対話から現場の課題を把握できるようにするとと
もに、防護管理GMから権限委譲された課長を防護本部に配置し、厳格に核物質防護規定に
基づく警備業務を行う責任を担わせることで防護本部をサポートする体制も強化しました。

〈株主代表訴訟の判決について〉
Q64.7月13日に旧経営陣4名について、賠償請求を認める判決が出されました。
これについて被告は控訴をしたようですが、東電はこの訴訟について旧経営陣側に立って補助
参加をしています。控訴審については、補助参加をしないようにしてください。旧経営陣の任務
懈怠により原発事故が起きたことが認定されていますので、会社は出来るだけ賠償金を徴収し
て、被災者への損害賠償に宛てるべきです。これはお願いです。
23

(小倉 志郎さま)
(前回質問)
3・11フクシマ事故以後 11 年間、通常運転をしていない原発は通常運転をしている原発よりも
腐食などによる劣化が進んでいると思いますが、停止中の劣化防止のためにどのような対策
をし、劣化の程度について、どのように評価していますか?
(前回回答)
長期停止期間においては、「特別な保全計画」を作成し計画的な点検と一部の休止している機
器に対し順次適切な保管を実施しております。
保管中の機器については、使用前に点検を行い要求された機能を発揮できることを確認して
いきます。
計画した点検の結果については、点検時の機器の状態を確認し、計画していた点検が有効で
あるかの評価を行い、評価結果に基づき点検頻度やその点検方法について計画の見直しを
行っております。
Q65.(2022-08-30 向け質問)
「特別な保全計画」の海水系の一例を示してください。例えば「循環水系」など。
「評価結果」について海水系の一例を示してください
(回答)
「特別な保全計画」の一例として、「循環水系」は長期停止中は使用しない系統であるため、劣
化が進行しないよう乾燥保管を行っております。また、起動前に点検や試運転を行い、著しい
劣化が無いことや、動作に問題が無いことなどを確認いたします。
「評価結果」の一例として、長期停止中も使用している原子炉補機冷却水系は、プラント運転中
と同等の点検を実施しており、劣化の程度もプラント運転中と同等と評価しております。また、
点検時の機器の状態確認結果より、点検頻度は適切と評価しております。

(前回質問)
柏崎刈羽原発 6 号・7 号の運転要員の確保状況について、4月時点においても昨年 10 月 1
日付の回答と同じ次の通りという回答を得ていますが、約半数の運転員が運転実務未経験者
では直チームによるチームプレーが心配です。とりわけ、事故時にはチームとしての応用動作
が事故拡大防止に必須です。この点についての対策はどうされてますか?
(前々回回答)
運転員は、約 100 人です。そのうち運転実務経験者は、約 50 人です。
当直長は6人すべて運転実務経験者です。
(前回回答)
チームでの連携は重要ととらえており、プラント停止中の現在もチームで業務を行うことにより、
常日頃より連携を深めております。
なお、事故時の対応に対しては、シミュレータ訓練や現場操作訓練を繰り返しチームで行って
おります。
Q66.(2022-08-30 向け質問)
柏崎の BWR トレーニングセンターのシミュレーターには炉心メルトダウンのような過酷事故の
プログラムはインストールされていないと聞いています。過酷事故の対応訓練はどのようにして
いますか?
(回答)
シミュレータは、過酷事故の訓練が実施できるように更新しています。運転員は、過酷事故の
対応含めシミュレータ訓練を行うとともに、過酷事故の現場対応についても現場操作訓練を行
っています。
(前回質問)
原子力規制委員会は「審査基準を満たしているかを審査するが、だからと言って安全を保証す
るも
のではない」と公言しています。
東電の原発の安全はどこの誰が保証しているのですか?
(前回回答)
原子力利用に「絶対安全」はないと考えております。原子力規制委員会による審査基準を満た
すことはもちろんのこと、福島第一原子力発電所事故を決して忘れることなく、昨日よりも今
日、今日よりも明日の安全レベルを高め、比類なき安全を創造し続ける原子力事業者になるこ
とを目指し、引き続き安全を最優先に取り組んでまいります。
Q67.(2022-08-30 向け質問)
「比類なき安全を創造し続ける原子力事業者になることを目指し、」という気持ちはわかります
が、東電として「ここまで達成できたら合格点」という具体的な合格ラインを示してください。
(回答)
福島第一原子力発電所事故の反省には「ここまで達成していれば大丈夫だろう」というおごり
があったものと考えております。原子力規制委員会による審査基準を満たすことは最低限の合
格ラインであるとは考えますが、原子力利用に「絶対安全」はないため、「ここまで達成できたら
合格点」と思わず、更なる安全を目指して取り組んでまいります。
(前回質問)
政府は武力攻撃に対しては原発を守る方法はないと公言しています。
日本の仮想敵国が具体的にある現状では原発の再稼働は危険です。
この危険を避けるために、政府と共に対応策を相談していますか?
もし、相談をしているならその対応策はどのようなものですか?
(前回回答)
軍事攻撃のリスクに対しては、外交上・防衛上の観点から対処されることであると認識してお
り、事業者がお答えする立場にありません。
Q68.(2022-08-30 向け質問)
既に政府が守る方法が無いと公言しているのです。守れなければ原発が攻撃された後、国民
が大被害を受けます。原発の所有者の東電が答えなければ、私たち国民は安心できません。
この問題について、今後も国民に何も説明するつもりはないのでしょうか?再び「事業者がお答
えする立場にありません。」という回答が来た場合には、東電は国民の心配を解消するための
説明を拒否したものと解釈します。これは、東電が謳った「リスクコミュニケーション」の目的にも
悖ると思います。
(回答)
繰り返しになりますが、軍事攻撃のリスクに対しては、外交上・防衛上の観点から対処されるこ
とであると認識しており、事業者がお答えする立場にありません。原子力発電所においては、
常時、テロ攻撃を想定して警察庁および海上保安庁とも連携の上、侵入防止や警戒等の措置
を講じております。

Q69.(2022-08-30 向け新たな質問)
柏崎刈羽原発の再稼働を東電の方針として決定するのは社内のどの範囲のメンバーでしょう
か?
現在の役員に原発業務経験者はいないという回答をいただいています。そうだとすれば、社内
の原発業務の経験者が方針決定に参加をせざるを得ないと思いますが、役員以外でその決定
に参加するメンバーの名前とどのような原発業務の経験者かを教えてください。
(回答)
現在、原子力の業務経験のある取締役として、福田常務が在籍しております。
また、原子力業務に関わる執行役の在籍状況については、以下をご参照ください。
■第 98 回定時株主総会招集ご通知
https://www.tepco.co.jp/about/ir/stockinfo/pdf/220526_1-j.pdf



(堀江 鉄雄さま)
〈株主代表訴訟について〉
Q70.株主代表訴訟の判決では、取締役の損害賠償責任を認めて 13 兆円の支払いを命じて
います。東電は、被告の取締役には賠償責任はないとして、補助参加人として裁判には被告側
に参加しました。
この判決と判決内容をどのように受け止めているのでしょうか。
Q71.東電は株主に対する責務として、「被告の取締役には賠償責任はない」として参加して敗
訴した裁判の報告と責任は、いつどの様にして具体的に行うのでしょうか。
Q72.被告の控訴に対してどう対応するのか。控訴審にも補助参加するのかしないのか。それ
ぞれの理由は何でしょうか。
(回答)※Q70〜Q72 一括回答
個別の訴訟に関することは回答を差し控えさせていただきます。
Q73.今回の東電の補助参加した費用は、いくらになるのか株主に対して説明する義務があり
ます。その無駄な費用はいくらで会計処理科目は何で処理したのでしょうか。
(回答)
補助参加した費用につきましては、訴訟または個別の契約に関わることであり、回答を差し控
えさせていただいます。
Q74.判決に基づき被告に対して損害賠償請求あるいは差押え等の請求はいつ行うのでしょう
か。行わないとすれば、その理由は何でしょうか。
(回答)
個別の訴訟に関することは回答を差し控えさせていただきます。

〈原子力財産保険について〉
Q75.原子力財産保険は、事故前の 2010 年に解約し事故後も加入していないとのことです。
解約理由は、免責条項とのことです。東電にとって原子力財産保険は必要のないものなのです
か。
(回答)
「原子力財産保険」は、原子力発電所構内における、テロ・航空機墜落・火災・落雷等の一般
災害による物的(施設・設備・原子燃料)損害を担保する任意保険です。
地震もしくは噴火またはこれらによる津波については免責事項であり、これまでの保険料の支
払実績や受領した保険金の額等を勘案し、総合的な観点で評価して、現在は加入しておりませ
ん。
Q76.事故後も加入していないということは、経営権を持ち事業計画を作成し許認可権を持つ
原賠支援機構も経産省も、原子力財産保険は必要のないものと認定しているのですね。違うと
すれば、なぜ東電だけが原子力財産保険に加入しないのですか。
(回答)
ご質問については、当社がコメントできる立場にありません。
Q77.原子力財産保険は、株主の財産である建物、設備、機器等が原子力事故により破損、
損失、汚染した場合の保険ではないのですか。原子力事業を行う事業者としては、加入しなけ
ればならないものではないのですか。原子力事故から株主の財産はどう守れるのですか。
Q78.何か損失のあった場合は、原子力財産保険は必要ないとした取締役会および取締役が
損失の補填をするということですね。
(回答)※Q77,Q78 一括回答
「原子力財産保険」は、原子力発電所構内における、テロ・航空機墜落・火災・落雷等の一般
災害による物的(施設・設備・原子燃料)損害を担保する任意保険です。
地震もしくは噴火またはこれらによる津波については免責事項であり、これまでの保険料の支
払実績や受領した保険金の額等を勘案し、総合的な観点で評価して、現在は加入しておりませ
ん。
当社としては、新規制基準への適合はもちろんのこと、今後もより安全性を高める取り組みを
継続し、二度と福島第一原子力発電所のような事故を起こさないようにしていくことが責務であ
り、それに向けて一層努力してまいります。そのうえで、万が一損害損失が発生した場合には、
その内容等を踏まえ、適切に対応してまいります。
Q79.株主の財産には、社債等の一般担保権が付いています。この一般担保権を保証してい
るのが原子力財産保険ではないのですか。
(回答)
一般担保権と原子力財産保険の間には何等の関係性もございません。
Q80.金融機関からの融資条件等には、原子力財産保険の付保義務等があるのではないです
か。
(回答)
個別取引に関わる内容のため、回答は差し控えさせて頂きます。
Q81.免責条項を解約理由にしていますが、スリーマイル、チェルノブイリの事故原因は天災で
はありません。配管破断などによる過酷事故が起きた時に原子力財産保険は必要ないのです
か。
Q82.スリーマイルの事故では、財産保険から除染費用に対する保険金が支払われています。
今回のような損害賠償を伴わない事故の場合は、原賠法は適用されません。つまり支援機構
も交付金もないのです。原子力財産保険は必要ないとどうしていえるのでしょうか。
(回答)※Q81,Q82 一括回答
当社では、他社で契約されている保険契約の内容は承知しておりませんが、「原子力財産保
険」は、一般災害による物的(施設・設備・原子燃料)損害を担保する任意保険であり、その保
険で対象となる損害費用についても確認したうえで、これまでの保険料の支払実績や受領した
保険金の額等を勘案し、総合的な観点で評価して、加入しておりません。
当社としては、新規制基準への適合はもちろんのこと、今後もより安全性を高める取り組みを
継続し、二度と福島第一原子力発電所のような事故を起こさないようにしていくことが責務であ
り、それに向けて一層努力してまいります。そのうえで、万が一損害損失が発生した場合には、
その内容等を踏まえ、適切に対応してまいります。
〈一般負担金について〉
Q83.一般負担金は、19 年度 567 億円から 20 年度 678 億円になり、増額の 111 億円は過
去分「賠償負担金」の半期分とのこと。21 年度の一般負担金 675 億円は、過去分 222 億円と
すれば、その他一般負担金は 453 億円ということになり 114 億円減額されています。減額され
たのは何の分ですか。
Q84.その他一般負担金 453 億円の内訳は、「確保すべき資金」「将来の事故の備え」だけで
すか。別途、その他には何の分がありますか。
(回答)※Q83,Q84 同一回答
一般負担金については、万一の際の賠償への備えとして確保すべき資金として負担するものと
認識しておりますが、原子力損害賠償・廃炉等支援機構にて算出しているため、詳細につい
て、当社は承知しておりません。
Q85.その他一般負担金 453 億円それぞれの計上科目と金額はいくらですか。
(回答)
2021 年度の一般負担金については、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの通知額である
675 億円を電気事業営業費用へ計上しております。
Q86.支援機構に納付する一般負担金は、賠償負担金 8900 億円、確保すべき資金 4 兆円、
将来の事故への備えはいくらですか。その他にあれば、それは何でいくらですか。
(回答)
一般負担金については、万一の際の賠償への備えとして確保すべき資金として負担するものと
認識しておりますが、原子力損害賠償・廃炉等支援機構にて算出しているため、詳細につい
て、当社は承知しておりません。
以上