原子力規制委員会は再稼働推進委員会・被曝強要委員会! その250 2022年1月8日 泊原発の地震審査やり直せ、柏崎刈羽の審査やめろ 〜年明け早々の規制委定例会議「審査の状況」を聴いて〜 |
2022年1月5日年明け早々の原子力規制委員会定例会議で「原子力発電所の新規制基準適合性審査の状況」が確認された。 女川2号の「設計及び工事の計画の認可」(2021年12月23日)と東海第二原発の「特定重大事故等対処施設」の設置変更許可(同日)のみがこの四半期の変更点として赤字で示された。自然ハザードの審査が遅れてきていて、プラント審査が待ち状態になっている様で、更田委員長が次は東通りか大間かと原子力ムラの焦りを意識してせっつく様子。 そんな中で2点の報告をする。 1 泊3号再稼動前提の地震審査をやり直せ 私が驚いたのは、北海道電力泊3号炉の審査状況の表(P.9)に 「震源を特定して策定する地震動 B ⇒ C 2021/10/22」 と赤字表示されていることだ。10月22日の審査会合の資料を見ると確かに北電が276ページの資料を提出し、石渡委員が 「泊発電所の敷地ごとに震源を特定して策定する地震動につきましては、これまでの会合でのコメントに対して概ね妥当な検討がなされているというふうに考えます。」と結んでいる。5日の定例会議でもこれからは津波の審査が中心になるような発言があった。 これまでの小野有五さんや渡辺満久さんの指摘はどうなったのか? ここでは、渡辺満久「泊原子力発電所の安全審査に関する問題―反論できないことは無視するのか」(岩波科学2022年1月号)を紹介する。 渡辺さんは2021年7月2日の審査会合から次の様に指摘している。〇「F1断層・F4断層・F11断層については、後期更新世以降の活動性はないことを示す、納得できるデータが示された。」と結論された。いよいよ泊原子力発電所の再稼動に向けて動き出しそうである。〇筆者は、規制委の役割は原子力発電所を再稼動させることであると思っている。そのため、審査会合で示された結論そのものには驚きもしないし意外感もない。しかし、事業者を助けるような指導ぶりや問題の本質をはぐらかすようなまとめ方には驚きを禁じ得ない。〇F1断層やF4断層の活動性について今回の審査会合では「後期更新世以降には活動していない」と結論されているが、これは明らかに間違っている。〇石渡委員の「まとめ」に違和感、問題の根幹が現れている。深く検討すべき問題点から国民の目をそらしてしまいかねない、極めて不適切。〇都合の悪い見解は無視して結論を急いだ。〇規制委は既存研究を把握しながら、北電が対応できそうな内容については追加資料を提示させ、反論できそうにない研究成果は無視させている。〇規制委は、正々堂々と反論を論破する姿勢を見せるべき。 2 柏崎刈羽6,7号の審査をやめろ核物質防護違反など数々のトラブルを起こした東電の柏崎刈羽6,7号の特定重大事故等対処施設審査進捗状況表(P.21‐22)に驚いた。規制委は多くの「国民」の「東電に原発うごかす資格無し」を無視して、次の記載の様に、審査を継続しているのだ。●令和3年12月24日の審査会合において、既許可の解析用物性値を特定重大事故等対処施設の地盤の安定性評価に用いることの妥当性等について説明するよう求めた。今後、事業者から説明を受け、内容を確認していく。●格納容器圧力逃し装置の隔離弁の手動による開操作の信頼性について、事業者に詳細な説明を求めている。引き続き、事業者から説明を受け、内容を確認していく。 さすがに「原子力規制委員会は再稼動推進委員会」だ。 総ての原発を止めて、廃炉委員会に改組するべきだ。 以上 |