原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その233 2020年10月21日
避難ができないのは内閣府の非なん?規制委の非なん?
〜IAEAでさえ要求する深層防護第5層が守られない、「御地元」は稼働拒否しよう〜
 「避難のできない原発やめろ!」
 これは、原子力規制委員会前でも経産省前でも堤さんがいつも言う
コールだ。
 「避難できても原発やめろ」と茶々を入れたくなるが、確かに
「避難ができない」のでは周辺住民の命は守れない、直ちに原発を
止めるべきだ。

 10月14日の更田委員長記者会見で次のやりとりがあった。
< https://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html

読売記者:平成30年の7月に東海第二の審査のときの記者会見において、
その規制委と内閣府でプラントの安全性と、それとあと避難計画の
策定を分けていることについて、……確認をまずさせてください。

 更田委員長:プラントの安全対策と防災上の準備といいますか、防災
対策とを分けた方がいい部分と、それから分けた方がいいけれども、
その間の連携が十分必要だというのは、同時に成立させなければ
いけない。…。
 深層防護の考え方というのは前段に期待しないということであって、
プラントがどれだけの安全対策を備えたとしても、事故は起きるもの
として考えて防災対策を考える。

読売記者:不備が見つかってもなかなか修正されていないという現状
が、既に再稼働された川内とか、…例えば志賀とかでも散見されて
おりまして、やはり規制委員会のような、衆人環視のもとでしっかり
審査していくところの組織が一括して見ていった方が、地元にとっても
リーズナブルなのではないかなという気がするのですが、…
いかがでしょうか。

 更田委員長:一括させた方が良いかどうかは、私は疑問もあるし、
大きな議論のあるところだろうと思います。
読売記者:今の内閣府原子力防災担当の審議官も参事官も、保安院から
規制委員会に来られた方々ですよね。佐藤暁さんにしてもそうですし、
坂内さんにしてもそうですし。だからもう一緒に仕事すればいいのでは
ないかという、素朴な疑問はあるのですよね。>

 更に共同通信記者の追加質問に答えて、更田委員長は安定ヨウ素剤を
飲むタイミングやベントの問題に言及し
 <シビアアクシデント対策を考えるのとの関連で防災上の対策という
のはどうあるべきかというのは、次のフェーズを迎えているような印象
を持っています>と課題があることを認めている。

 「避難ができない」ことは3.11事故を振り返れば明らかだ。
「UPZ(30km内)住民は屋内退避」何ていざという時に守れるはずが
無い。
 以前にも何度も書いた(例えば「その177」)ように、国際原子力
「推進」機関IAEAでさえ要求する「深層防護」では、第5層が
「住民避難等による放射線防護対策、その事前準備としての避難計画の
策定、充実・強化」であり、5つの防護層が独立に達成できないと
いけない。

 発足後いち早く「原子力災害対策指針」改訂をしながら、原子力
防災を内閣府任せにして、原子力規制委員会が深層防護第5層の判断を
全くしないのは本当におかしい。
 日本中どこの原発現地でも実現性がある原子力防災ができないから
だろう。
 「御地元」(ゴジモト、更田委員長が常用する気色悪い呼称)は原発
稼働を拒否するべきだ。
 県議会も県知事も、地元議会も地元首長も、この状態で原発稼働を
認めては住民の安全を守れない、無責任だ。
 11月3日には稼働原発が玄海4号一基になる今、「避難のできない
原発やめろ!」、「IAEA深層防護第5層を守れ!」と訴えて全国の
原発の再稼働を止めよう。