原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その222 2020年5月1日 新型コロナ対策で原発を止めず、保安活動を手抜きし「新検査制度」を弾力的事業者任せ 〜「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」下でも「原子力緊急事態宣言」下でも、再稼働を優先し六ヶ所再処理工場認可に前のめり〜 |
原子力規制委員会は、新型コロナ対策に力を入れていて、 テレワークを進め、規制委定例会議も隔週に間引き、傍証を排除 している。 にもかかわらず、4月22日(水)の定例会議の議題1「新型コロナ ウイルス感染症緊急事態宣言を踏まえた原子力規制検査等の運用に ついて」はひどいものだった。 まず、「1.原子力事業者が行う保安活動について」で「事業者に おける点検等のタイミングや体制などについて弾力的に取扱う」ことを 確認し、「2.使用前検査等について」で「極力本庁からの検査官出張 は控え、運用上の工夫を行う」とし、「3.原子力規制検査について」 で「4月1日の原子力規制委員会で了承された検査計画を弾力的に運用 して実施する」と今年度から開始した「新検査制度」の運用まで弾力的 に運用する(結果的に事業者任せ)ことを決めたのだ。 この時期の定例会議で、この議題で、誰もが心配する「今原発を稼働 し続けて大丈夫だろうか?」の議論は一切しなかった。 九州電力玄海発電所で工事関係者が新型コロナウイルスに感染し 工事が中断している。柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)でも防災業務を 担当30代男性社員が新型コロナウイルスに感染し、5人が4月16日から 自宅待機中。 これらの報道を見るまでも無く、今稼働している原発で新型コロナ クラスターが発生したらどうなるのか、中央制御室で感染者が発生 すれば制御できなくなるのではないか、多数の原発労働者に感染が 及んだら、と多くの「国民」が心配している。 ところが、原子力規制委員会はこの問題について何ら議論をせずに、 この危機を悪用して弾力的事業者任せ運用を決めたのだ。 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉規法)」 では「許可の取消」を第33条に規程し、第25条(許可の欠格条項) の「三心身の故障によりその業務を適確に行うことができない者として 原子力規制委員会規則で定める者」を対象としている。 当然、上記議題1「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を 踏まえた…」では、今稼働中原発及び各地に保管されている 「核のゴミ」についてどのようなリスクがあるかを点検し、クラスター 発生などのリスクに対して事業者に必要な指示をする、そのような議論 をしないといけない。 さすがに当日の記者会見で運転員への感染を心配する記者の質問に 対して、更田委員長は「現地の規制事務所とともに強い関心を持って います。…。まずはとにかくサイト内での感染対策というのをきちんと していくというころは、…当然強い関心を持って臨んでいます。」と 答えた。だったら、なぜ定例会議で議論しないのか? 原発を止めたく ないから議論を避けたのか? 一方、記者会見では、六ヶ所再処理工場の審査書提出時期についての 質問に、当初補正書に50項目のミス・次に8項目のミスがあったと 言いながら「今度はもう大丈夫だろうとは思っています」、「来月の いずれかの時点で例えばパブコメを開始する、…まずとにかく審査書案 を委員会での遡上に上げて議論を始める、…5月中に始めたい」と 前のめりに回答し、さらに蒸発乾固の質問に「一般的な工学的な判断 からすると蒸発乾固は起こり得ないのだけれども、そこをあえてその 前提を取っ払って、起きるものとして考えて、起きても収束させられる ようにと言う対策をしています。」と怪しげな説明で 合格お墨付き回答をした。 パンデミック下に、再稼働を優先し六ヶ所再処理工場認可に前のめり の規制委は許せない。 私たち原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動も、定例会議が開催 される日には、感染を警戒しながら、「原発を直ちに止めろ」、 「規制委の審査が『不要不急』だ」などと訴えて抗議を続けている。 |