原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その216 2020年1月28日
「女川原発2号炉の適合性審査について」回答しない原子力規制委員会
〜安倍政権と同様に「国民」の疑問に答えない原子力規制庁〜
 原子力規制庁が女川審査についての回答をしなかった。「審査中
なので回答を控える」と逃げた。
 1月24日(金)午後の院内ヒアリング集会「女川2号炉の再稼働審査
などを問う!〜被災原発を動かす必要はない、特重・バックフィット・
新検査制度はどうなる?〜」を開催したところ、原子力規制庁は女川
2号炉の審査についての回答を回避した。

 既に動画を三輪さんがアップされたので、前半部分を
ご覧いただきたい。
【動画】20200124 UPLAN
https://www.youtube.com/watch?v=3cJStRrY29s

 原子力規制委員会は、昨年11月27日に女川2号炉の設置変更許可
審査書案を確認して事実上「合格」とし、年末にパブリックコメントを
締め切り、現在最終的に設置変更許可の合格を決めようとしている。
 それ故、私たちは合格を確定する前に、原子力規制庁に疑問を
ぶつけた。
 山崎久隆さんと現地の方々とで用意した質問は次の16項目。

 1 複数号機立地問題・他号機の審査もしなければならない
 2 東北電力の経理的基礎を問うべき
 3 事故に対処する人員の確保が不十分
 4 東北電力の「経験」とは何を意味するのか
 5 地震想定の誤り
 6 津波想定の誤り
 7 竜巻想定の誤り
 8 火山対策の誤り
 9 外部火災の評価の誤り
 10 システムへの侵入防止対策の問題点
 11 安全保護系の安全対策の問題点
 12 火災損傷防止対策の問題点
 13 原子炉停止系と後備停止系の成立性の問題点
 14 発電所敷地外への放射性物質拡散対策の誤り
 15 防潮堤に関して
 16 格納容器破損防止対策と水蒸気爆発について

 この質問を集会の一週間前に議員事務所を通じて原子力規制庁に
送った時、私は原子力規制庁の実用炉審査部門の担当は辛い
だろうなと思った。
 2018年10月25日の東海第二の審査の院内ヒアリング集会で、
原子力規制庁の回答があまりに説得力が無かったから。設置変更
許可の「合格」確定、運転期間延長の審査中の、審査担当の苦しい
答弁を思い出させられたから。

【動画】20181025 UPLAN
【原子力規制委員会院内ヒアリング集会】
東海第二原発の再稼働審査を問う
    https://www.youtube.com/watch?v=QxzpZfB85s4

 それにしても、「適合性審査」を確定させようとしている段階で、
女川審査について「国民」の質問に全く答えられないとは何とも
情けない。
 このような対応は、「中立公正な立場で独立して職権を行使する
原子力規制委員会」(原子力規制委員会設置法)及び「原子力規制
行政に当たっては、推進側の論理に影響されることなく、国民の安全
の確保を第一として行うこと。」(設置法への衆議院附帯決議第一条)
に反している。
 正に原子力規制委員会が再稼働推進委員会である証明だ。

 安倍官邸は「桜を見る会」他で、記録を隠し、記録を廃棄し、
官僚にまともに回答させない。
 原子力規制委員会も、「黒枠・白抜き」で資料を隠し、大量の行政
文書を喪失(その213参照)し、そして今回の様に重要な回答を
しない。
 広島高裁ほか心ある司法の決定が示すように、私たちはこのような
原子力規制委員会を厳しく監視していかなければならない。