原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その203 2019年7月10日 原子力規制委員会がリスクを矮小化していた 〜青木美希著<地図から消される街―3.11後の「言ってはいけない真実」>から |
古い話ではあるが、本シリーズ<その35 2015年1月20日福島第一原発 がれき撤去作業によるコメ汚染を否定する田中委員長〜「科学的・技術 的」でなく「非科学的・政治的」規制委〜>を、より詳しく再確認させ る本を見つけたので紹介する。 朝日新聞社記者の青木美希さん著<地図から消される街―3.11後の 「言ってはいけない真実」>(講談社現代新書)の「第4章 官僚たち の告白」だ。 <「まだダメだ。帰るんじゃない」大気中へ、海へ、原発の建屋から 放射性物質が拡散されて続けている。>(安倍首相:「アンダーコント ロール」の嘘)の2013年に「がれき撤去でコメ汚染」が起こった。 その時に「原子力規制委員会がリスクを矮小化」したのだ。 以下に同書から引用して経緯を要約する。 ○2013年8月13日 前日に作業員10人に社内基準以上の汚染が見つかる ○東電は10日程後に「汚染原因はがれき撤去の可能性が高い」と発表 ○2013年8月19日東電が当初は4時間で計4兆ベクレルと見積り、平均 放出量は1時間1000万ベクレル(ふだんの10万倍)。 ○学会誌「EnvironmentalScience&Technology」は、実測値から推計して 規制委が推計した放出量の3.6倍以上と結論。 ○2014年1月原子力規制庁職員は「2013年8月19日のがれき撤去が原因 である蓋然性は高いと考えています。東電をしっかりハンドルすること が不可欠だと思います」 ○もっともだと考えた農水省職員たち。だがこの後、思いもよらない壁 に直面する。 協力的だった規制庁の対応が一変したのである。1月中旬に田中俊一 原子力規制委員長に説明したところ、強く否定してきたということが 原因だった。 「委員長は、クロスコンタミ(混入)の可能性が高いのではないかと 強く言っています。 ○資源エネルギー庁側は「農水省の調査結果から考えると、昨年(2013 年)8月の放射性物質の飛散しか(原因は)考えられないと思います。」 と、規制庁がコメに付いた原因を「わからない」としているのに驚いた 様子。 ○東電社員は、がれき撤去とコメの汚染に関連がある可能性を認めた。 ○「原因不明」は再稼働のため。1週間後の2014年7月30日午前9時半 に“秘密会議”が開かれた。 ・復興庁、原子力規制庁、エネ庁、環境省、厚生労働省、農林水産省の 幹部を復興庁の会議室に集めて。 ・規制庁は「これ以上の調査や検討は必要ない」と述べ、農水省は粉塵 を詳細に調べないとわからないだろう、と主張 ・ここで、内閣府原子力被災者生活支援チーム(トップは経産省総括 審議官)が言った。「がれき撤去と基準値超過についてその要因を探す のではなく、『これだけのことを検討してきたが、がれき撤去が原因で あるとの結論は得られなかった』とするような言い方はできないでしょ うか。また、その説明ぶりを各省庁で共有できませんか」 ○ある官僚は筆者に、この”秘密会議”の狙いが、「避難指示の解除を 進め、賠償を打ち切り、東電を守るためだった」と打ち明けた。 規制当局である田中俊一原子力規制委員長の意向から、官僚たちが 「結論は得られなかった」と偽りの説明をしたのだ。 小児甲状腺がん多発について「現時点では甲状腺がんと被ばくとの 関連は認められない」と結論づけようとした県民健康調査と同様だ。 初代原子力規制委員会委員長、現飯舘村復興アドバイザーがまたまた どのような悪さをしているのだろう。また、官僚たちをしっかり監視 しないといけない。 |