原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その190  2019年1月15日
「昔のままの政策が継続していることを白日の下に晒す」原子力規制委員会
〜古賀茂明さんが指摘する「東海第二原発運転延長認可でわかる原発政策の問題点」〜
 原子力規制委員会の東海第二原発の運転延長認可を受けて、古賀茂明さん
がメールマガジンで明解な指摘をしているので紹介する。
 まず、東海第二が福島第一原発と同じ沸騰水型で、40年経過し、東日本大
震災の時に津波の被害に遭った原発で、住民の不安が非常に高く電気が足り
ない訳でもないという声も強く、<常識的に考えれば、さすがに再稼働は
ないだろうと思える原発だ。>と確認しつつ、次の指摘。
 <しかし、規制委は再稼働を認めた。日本の原発政策は、福島第一原発の
大事故を契機として大転換を遂げたはずだったが、この運転延長は、実は、
ほとんど昔のままの政策が継続していることを白日の下に晒す結果となった
というのが私の率直な感想だ。>

 そう。東海第二の適合性審査合格と運転延長認可は、独立性が高い第3条
委員会として発足したはずの原子力規制委員会が「ほとんど昔のままの
政策」を継続させる「再稼動推進委員会」であることを「白日の下に晒」
したのだ。

 古賀さんは更に詳しく次のように規制委の運転延長認可の問題を指摘して
いる。

○福島第一原発事故後に作られた規制基準が「世界最高水準」とされている
のが実は嘘だったということがよくわかる。
○運転期限を40年とする一方で、例外は「極めて限定的」なケースとして
いたはずだ。…。40年昔に設計されたときには、福島事故のような事態は
想定されていなかったし、およそ根本的な設計思想が今日とは異なってい
たはずだ。
○40年経過が11月27日に迫る中で、規制委は人員を優先的に配置して、何
とか延長を期限内に認めるために突貫工事で審査を行った。まるで、認可
申請が出たら、期限内に審査を終わらせて承認するのが規制委に課された
義務であるかのような姿勢だ。これで、再稼働ありきの規制委だという
疑念をますます深めることになった。
○廃炉が決まったのは、60万kw以下の小規模の原発がほとんどだ。…、
電力会社が損得の判断で廃炉を決めたからだ。延長を認められた4基は…
いずれも大型原発だ。
○問題になるのが、日本の規制基準では、避難計画がなくても原発が動かせ
ることだ。…。

 日本では、IAEAの5層の防護という考えが無視され、シビアアクシ
デントの際の最後の基準である、とにかく住民を安全に避難させるという
ことができなくても再稼働を認める仕組みになっている。