原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その183 10月11日 クレーン不具合もトリチウム汚染水も無責任に批判し糊塗する更田委員長 〜東海第二原発設置許可の次の週に東京電力福島第一原発事故問題を取り上げる原子力規制委員会〜 |
2018年10月3日の規制委員会定例会議の議題2「東京電力福島第一原子力発電 所3号機燃料取扱機等の不具合について」で、更田委員長は「ちゃんとやればで きたはずのことができていないという話なので、私は、本件を重く見るべきだと 思っています」、「東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に関しては、これを前 に進めるということの責任を、規制を通じてその責任を負うのだということを明 確にしたいと思います。」と話し、傍聴した人も評価した。 しかしながら騙されてはいけない。さすが「再稼働推進委員会」なのだ。 ○東海第二原発設置許可認可後の東電福島第一原発問題議論 これらの不具合は今年の5月11日、8月8日、8月15日に起こっている。とこ ろが、このことを議論したのは、9月26日の東海第二原発の設置変更許可を認可 した次の週の定例会議。あまりに見え見えではないか? もしこの議論が先にされていれば、東電が日本原電に資金援助して東海第二原 発を稼働させることに一層批判が強まる。それを警戒して1週間あとで議論した のだ。 ○今まで何をしていたのか? 規制委は、2012年に発足した「特定原子力施設監視・評価検討会」を64回も開 催し、58回開催されてきた経産省「廃炉・汚染水対策チーム会合」にも出席して きた。それにもかかわらず、東電が「ちゃんとやればできたはずのことができて いない」トラブルを起こしたのだ。規制当局の責任も重い。 ○トリチウム汚染水について頬かむり 一方で、トリチウム汚染水について他核種に基準オーバーが多発し東電が自然 環境に放出する場合には二次処理をする意向を明らかにした。 ところが、更田委員長が5月30日に東電トップに海洋放出を主体的にやれと執 拗に迫ったことには知らん顔。おまけに「貯蔵している状態での濃度を問題にし てみても、これは議論の方向が少しあらぬ方向へそれていると認識をしていま す。」とALPSでトリチウム以外の核種も処理できていないことの問題を隠そ うとする。 ○東電柏崎刈羽原発にも東海第二にも設置変更許可認可を取り消せ その日の記者会見で「柏崎刈羽6・7号機の許可を受ける前に、東京電力は福 島第一原子力発電所の廃炉作業をきちんとやり抜くと約束をしたわけです。」 「あれはあれ、これはこれではなくて、福島第一原子力発電所の廃炉をきちんと やり抜くことが、彼らの原子力事業全体にとって重要だと認識をしています。」 と当然であるがなかなか立派なことを言った。 が、それは「原子力事業全体」を心配しているだけだ。まともな規制行政当局 ならば直ちに柏崎刈羽原発も東海第二原発も認可を取り消すべき状況であるのに、 この状況を糊塗しているのだ。 |