原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その179  8月21日
東海第二合格は経産省が進めるからですよ、と逃げたい原子力規制委員会
〜東海第二設置許可確認しておきながら、同時に東電資金支援問題を経産省に問う規制委〜
原子力規制委員会がおかしな問合せを経産省にしている。
 東海第二原発のパブコメ開始を決定した定例会議の議題をご覧いただきたい。

< 第18回原子力規制委員会の開催のお知らせ
日時 2018年7月4日(水)10:30〜12:00 場所 原子力規制委員会会議室A
議題1 日本原子力発電株式会社東海第二発電所の発電用原子炉設置変更許可申
請書に関する審査書案に対する意見募集等について(案)
議題2 東京電力ホールディングス株式会社による日本原子力発電株式会社に対
する資金支援について(案) >
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000347.html

 議題2で、東電による日本原電への資金支援について原子力規制委員会が経産
省に問うているのだ。
引用開始<…
 ついては、東京電力が日本原電に資金支援を行うことについて、貴職が上記回
答のとおり東京電力を監督・指導する上で支障とならないか貴職の見解を示され
たい。>引用終わり…と。

◎ 経産省は柏崎刈羽原発設置変更許可の折に「廃炉・損害賠償において東電を
適切に監督・指導していく所存」と答え、東電が日本原電に資金支援することが
福島第一原発廃炉作業と柏崎刈羽原発安全対策に祖語を来すことはないと説明し
たが、大丈夫か?と経産省に問うているのだ。
 これに対する経産省の回答は7月31日出され、「東海第二原発の設置許可をす
ることに異存はない、適切に対応していく、東電を適切に監督・指導していく」
と答えた。 http://www.nsr.go.jp/news_only/20180731_01.html

◎ 経産省と規制委との茶番だ。しかしながら、先の更田発言(その170)に照ら
してみても原子力規制委員会の逃げ腰が見える。
 川内・高浜・伊方・玄海・大飯と緩やかに過ぎ、合理性を欠く「新規制基準」
と審査で再稼働を推進してきたが、いくらなんでも東海第二原発を合格させるの
はと考えて、経産省に問うて責任を押し付けているのだ。
 なお、日本原電の「経理的基礎」問題を考えれば、これら規制委−経産省間の
やりとりが終わってから設置許可確認・パブコメ開始をすべきだ。そうはしなか
ったのは11月中に審査合格・運転延長合格を出す為であろう。これについて私は
パブコメで指摘しておいた。

◎ それにしても、誰が東海第二原発の運転延長・再稼働をしたいのであろうか?
 老朽・被災原発の超危険性は明らかだし、電気は足りているし、経営的にもあ
り得ないし、例えば1740億円もかけて防潮堤を造るのも本当にナンセンスだし、
…。
 やはり第5次「エネルギー基本計画」でいう「2030年の原発電源比率20〜22%」
の実現を目指しているからか。
 核燃料サイクル問題も止める提案を出すと損害を被るので国も日本原燃も言い
出せないと聞いた。
 東海第二原発は、今後の地元の反対がより盛り上がる前に、規制委が止めるべ
きだ。
 私たちがずっと言い続けてきた「原子力規制委員会は再稼働推進委員会」の汚
名を、今回ばかりは自分たちで返上してもらいたい。