原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その162   3月21日
あらら、あられもなくALARAを持ち出す原子力規制委員会
ICRP勧告によるALARA原則は危険!
 2月21日と3月7日に原子力規制委員会の定例会議が議題「中深度処分
等に係る規制基準等の策定について−浅地中処分におけるALARA適用
の考え方及び中深度処分等における人為事象シナリオの考え方について−」
が議論され、
1.浅地中処分におけるALARA適用の考え方(案)
2.中深度処分等における人為事象シナリオに対する考え方(案)
を確認した。
 その中で頻繁にALARAを参照して議論された。
 ALARA(あらら)は、国際放射線防護委員会(ICRP)が1977年
勧告で示した放射線防護の基本的考え方を示す概念で、”as low as reasonably
achievable”の略語。アララと呼ばれる。「すべての被ばくは社会的、経
済的要因を考慮に入れながら合理的に達成可能な限り低く抑えるべきである」
という基本精神に則り被ばく線量を制限する。

 皆さんはこのALARAを良としますか?
 私はこのALARAは非常に危険だと思います。
例えば、次をご覧いただきたい。
<ALARA原則は、コストー利益分析によるため、人命に値段をつけな
ければならなくなる。実際に、米国ではそういった計算も試みられていた
が、ICRPは厳密なコストー利益分析を行うのではなく、「許容できる
リスク」を想定して線量限度を決めた。>(直野章子)
<「合理的に達成できる限り」とわざわざ言っているのは、「例えば低く
することが経済的に見合わないと判断される場合は低くはしない」と言外
に宣言しているのだ。…
 放射能についてはアメリカを先頭にした原子力産業推進派が決定権を持
っているから、彼らに不利になるものは「不合理」として切り捨てられる
ことになるだろう。そういうものだからALARA原則は危険なもの。>
(山田真)
 すなわち、「合理的に達成不可能」であれば人びとに被ばくを強要する
つもりなのだ。まずは不合理な原発推進、核分裂、放射性物質拡散を止め
るべきであるのに。
 なお、国際放射線防護委員会(ICRP)は英国の非営利団体であり、
国際放射線防護学会やIAEAや英日などの政府関連団体などから財政的
な支援を得ている。

 原子力規制委員会は、あられもなくALARAを持ち出して「放射性廃
棄物埋設施設に対する規制期間終了後の放射線防護基準の適用の考え方」
を緩めようとしているのだ。
 おまけに、伴委員は、線量基準(案)にある「20mSv/年(現存被ばく状況
の参考レベル最大値)を越えないこと」から括弧内を削除させた。
 この定例会議でも、原子力規制委員会が原子力マフィアの為に人びとに
被曝を強要する委員会であることを明らかにした。
 私たちは、ALARA原則に騙されてはいけない。