原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その152   2017年12月12日
神戸製鋼データ改ざんも武力攻撃も複数基立地も既設炉基準大甘も先延ばし
〜委員長記者会見で明らかになる新規制基準と規制委対応の問題点〜
 12月6日の更田規制委員長の定例記者会見がなかなか面白い。フリーの
記者が切り込んで質問し更田委員長が苦しい答弁をして、今までこのシリ
ーズで書いてきたことを再確認させてくれた。
 以下にかいつまんで紹介するが、詳しくは次を注意深くご覧あるいは聞
いていただきたい。
原子力規制委員会委員長定例会見平成29年12月06日
 速記録【PDF:240KB】:http://www.nsr.go.jp/data/000212655.pdf
 YouTube :https://www.youtube.com/watch?v=Uph8kFpRfZ4

1 神戸製鋼所データ改ざんはできるだけ穏便に
調査を理由に大飯・玄海の再稼働が延期されたことについては「九州電
力並びに関西電力からの説明を聞いている上では、…、これは事業者とし
て正しい姿勢を示しているので、それは結構なことだと思っています。」
と静観するだけ。データ改ざん記録が最大で10年ぐらいしか保存されてい
ない、今回の自主点検が1年未満のみで過去に遡っては不明でいいのかの
質問に対しても、記録・保管の範囲を変えないと逃げる。
2 武力攻撃とテロ対策とは別で原発を止める気はない
 「アメリカでは原発を兵士150人で守っているが」などの質問に対して、
「武力攻撃の場合は、攻撃自体で受ける損傷が非常に大きい。それに原子
力災害が加わる。テロの場合は、それを引き起こすのは、テロによって引
き起こされる原子力災害がメーンになると、それが一番大きな違いでしょ
うかね。」と理屈に合わない答弁。武力攻撃対策をするつもりもそれを政
府に進言するつもりもない。「電車を止めるぐらいなら原発止めろ」は通
じない。
3 複数基立地・稼働についてはこれから
 規制委発足当時には更田委員が個人的には多数基立地ということが非常
に気になっている」と言ってのに、若狭について「世界にこれだけの集中
立地をしているところはない」、などの記者の指摘に対して、「議論は続
けているし、それから、感度を高めて様々な議論を追っているところでは
あります」と言いながら「一刀両断に何基まで」とまではいかないと逃げ腰。
4 新設炉の基準と既設炉の基準は別
 新設炉の規制基準の質問に対して「欧州などは、新設炉に対する基準と
いうものは既設炉に対する基準とは異なる。」と述べ、現「新規制基準」
が既設既存原発を稼働容認する為の基準であることを白状した。おまけに、
大間原発は既設原発扱いだそうだ。