原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その149   2017年11月10日
プルサーマル発電の危険性を無視する規制委員会
〜「新規制基準」による適合性審査で触れずに「石油ストーブでガソリン燃やし」を容認〜
 プルサーマル発電は危険だ。ウランを燃やすために設計された原子炉でプルトニウムを燃やすのだから。灯油のストーブでガソリンを燃やすようなものだ。これにより設計時に想定されていたはずの「安全余裕」を低下させる。国と電力会社は3.11前にプルサーマルで使うMOX燃料は全炉心の三分の一まで入れても安全と言っていた。もともと危険な原子炉をさらに危険にするだけだが、この判断について3.11以後何ら検討を加えられないまま、高浜3,4号機でプルサーマル発電され、伊方、玄海、柏崎刈羽などでプルサーマル発電が目論まれている。
 不思議なことに、このプルサーマル発電について、原子力規制委員会が作った「新規制基準」では何ら言及されず、各原発の審査でも議論された形跡がほとんどない。それでも、1つ高浜現地での記録を探し出した。

○関西電力(株)高浜発所原子燃料課との面談記録
1 件名:高浜発電所3,4号機プルサーマ計画の導入状況
2 日時:平成27年8月18日(火)15時45分〜16時15分
3 場所:高浜発電内第2ビル別館3階検査官室
4 出席者:
原子力規制庁:高浜原子力規制事務所 須々田、深沢、山西、福富
関西電力(株):関西電力(株):高浜発電所原子燃料係長、技術課員
5要旨
・高浜発電所におけるMOX燃料の計画ついて説明を受けた。
6 その他 
気付き事項特になし。

 この中で何が話し合わされたかは分からない。
 一方2013年6月に、田中前委員長が次のように記者に答えている。
○記者 電力会社がMOX 燃料を入れるということであれば、それで問題ないということでしょうか。
○田中委員長 問題ないかどうかも含めて、安全上の評価はきちんとやらせていただきますけれども、それでプルサーマルMOXの利用ができるかどうかということについては、これはまた別の問題が多分入ってくる可能性がありますので、そこは我々はコミットしませんけれども、技術的な点ではきちんと判断させていただきたいと思います。
 ここの別の問題とは、MOX燃料がウラン燃料と比べて十倍以上で高価、核燃料の高次化が進むため使用済みMOX燃料は毒性が高く再処理ができない、という問題であろう。
 今はプルトニウムを47トンも保有していて来年に日米原子力協定の満期を迎える日本、プルトニウムを見かけ上減らすために世耕経産大臣は電事連に対して危険なプルサーマル発電を推奨している。
 福島第一原発の事故時に核爆発かと言われている3号機もプルサーマル発電中であったことを考えると、イチエフ検証が不十分なままの基準と審査と再稼働の弊害がここにもある。
 国民の命と健康と財産を守るべき原子力規制委員会が、国のプルトニウム対策を忖度して、危険なプルサーマル発電を黙認しているのだ。
以上