原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その145   2017年9月26日

これまでの姿勢も方針も変えない更田新委員長体制をしっかり監視しよう
〜規制委6年目に産経も日経も警戒感報道、「一往復記者会見」が示す規制委の逃げ姿勢〜
 原子力規制委員会が発足して6年目を迎えるが、メディアは規制委に厳し
い目を向けている。

(産経新聞)
 満4年を迎えた昨年<「四方八方から石が飛んでくる」田中俊一委員長任
期間近の原子力規制委が抱える火ダネとは>と報道した(その113参照)産経
新聞は、今年も<規制委手探りの審査 発足5年 合格は6原発12基>と題
して、<規制委が目指す「原子力規制行政の信頼回復」はどこまで進んだの
か>と問うた。そして、<■ゼロリスクなし、■揺れる「根拠」、■”汚名”
返上へ>と各項に厳しい題目を付けて不信感を表すばかりか、推進側の奈良
林直(北大特任教授)の「規制委が国民の信頼を失った」との指摘を紹介し、
東電柏崎刈羽問題で事業者の<適格性の判断に法的根拠はなく、審査が”手
探り”であることを露呈した>とも書いた。
(産経ニュース:http://www.sankei.com/life/news/170919/lif1709190021-n1.html)

(日本経済新聞)
 一方、日本経済新聞も、「原子力規制委が新体制に(22日) 透明性高め
信頼回復 課題」のタイトルで、<田中氏は初代委員長として原子力発電所
の安全審査に道筋をつけたが、世論調査では再稼働を不安に感じる国民はな
お多い。規制の透明性を高め、国民から信頼される組織にすることが新体制
の課題だ。>、<多くの研究者が手弁当で調べているが、「情報が膨大で知
りたいことが分からない」と不満が出ている。第三者によるチェックは規制
委の機能の監視役にもなり、この仕組みを定着させたい。資料を体系づけて
公表するなど、情報公開には改善の余地がある。>、<ただ、規制委が考え
る安全と国民が考える安全とはなお隔たりが大きい。隔たりを少しでも埋め、
信頼回復につなげることが新体制の責務になる。>
と日経も規制委を信頼していない。
(ニュースフォーキャスト:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21227590W7A910C1EA4000/

 9月22日(金)に更田豊志委員長と山中伸介新委員の就任記者会見があっ
た。更田新委員長はこれまでの路線を継承すると述べた。おまけに、東電柏
崎刈羽の設置変更許可の審査については、「技術的にはまとまった段階」、
「そう遠くない時期」に認可と回答し、田中体制と何ら変わることなく東電
の原発再稼働を認めるつもりだ。

 もう一つ気になることは、この記者会見で、「本日も多数の方がおいでで
ございますので、質問については、基本1往復でお願いします」として、回
答に対する記者からの追加質問を禁じていることだ。菅官房長官と同様に記
者の厳しい質問から逃げるつもりであろうか。規制委の姿勢を監視し続けな
いといけない。