原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その138 2017年6月27日 IAEA保障措置問題を隠す原子力規制委員会! 日経記事を否定して「プルトニウム査察問題なし」を発表 |
6月6日に日本原子力研究開発機構(JAEA)の茨城県大洗研究開発センター で起こった被曝事故は、22万ベクレルあるいは36万ベクレルの被ばくをした作業 員が入院・退院・入院を繰り返す中で、情報公開されず作業員の命と健康が心配 である。 一方、ずさんなプルトニウム管理も大問題だ。日経新聞が6月17日に「原子力 機構で被曝事故―プルトニウム管理に疑問」と報道し、世界で原発を推進する国 際原子力機関IAEAの「保障措置」問題を取り上げた。 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO1779290016062017EA5000/ これに対して、6月21日に原子力規制委員会は「平成29年6月17日、日本経済 新聞朝刊の報道について」をホームページに発表し、IAEA「保障措置」問題 を否定した。 http://www.nsr.go.jp/news_only/20170621_01.html 規正委の説明は次のとおり。 <(規正委発表文) 平成29年6月17日、日本経済新聞朝刊の報道について 6月17日(土)の日本経済新聞朝刊において、6月6日(火)に発生した日本原子 力研究開発機構大洗研究開発センターでの被曝事故について、「プルトニウム管 理に疑問」と題して、同施設における保障措置上の対応の妥当性について疑問を 呈する内容の報道がなされています。記事では、有識者の見解を引用し、プルト ニウムを保管する容器は封印され、その開封にはIAEA査察官の帯同を要する はずとの論調で、保障措置上の対応の不備を暗に提起する内容となっていますが、 事実関係は以下のとおりです。 (事実関係) 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター燃料研究棟 (以下、「燃料研究棟」という。)においては、IAEAとの合意のもとに適用 された保障措置が実施されており、IAEAから保障措置上の対応の不備は指摘 されていません。開封の対象となったプルトニウム保管容器には封印は適用され ておらず、開封に際してIAEA査察官の帯同を要しません。燃料研究棟に在庫 するプルトニウムは、決められた頻度でIAEAの査察を受けており、その際、 プルトニウムは容器に収納されたままの状態で、員数の勘定のほか、非破壊測定 装置による測定等が行われ、施設からの申告情報に相違がないことの確認が行わ れています。> 原子力規制委員会がIAEAになり代わって「保障措置」問題無しを強調して いる。 この問題については、田中委員長の記者会見答弁がその深刻さと規制委(とI AEA)の大慌てぶりを示している。 <(田中委員長談) 6月7日:「結構大きな被ばく量だなという印象」「(原子力機構は)もっと 真剣に、経営陣も含めて全部考えるべき」 6月14日:「問題が相当深刻だし、…、プルトニウムという特別な物質ですか ら、扱う場合にはそれなりの注意をするのは当たり前」「核物質防護上というよ りも、保証措置上の問題がないのかどうかということは少し見てくださいとはお 願いしています」 6月21日:IAEAが主体的にやるわけですよね。それで、どうもIAEAの 査察のやり方は、いろいろ聞いてみると、ああいったものについては、サンプリ ング調査みたいなことをして確認していくというようなやり方をしているのだそ うです。そういう点ではきちんとやっているので、当然、IAEAの問題があれ ば、私の言い方がちょっと皆さんにそういう誤解を与える。IAEAのそういう 査察上の問題が出れば、すぐに、即、そういう指摘がありますから、ないだろう なとは思っていましたけれども、一応、確認をしてくださいということを申し上 げて、ないということは報告を受けています。> 最後の発言は、IAEA補償措置問題無しとする為の苦しいごまかしだ。日米 原子力協定を考えれば米国も注目しているはずだ。 情報公隠蔽を許さず、日本のプルトニウム管理の杜撰さを追求していかねば。 |