原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その136 2017年6月15日 非「科学的」で非「合理的」な基準地震動! 『これまで使われているのだから』正しくない 行政・電力会社の判断をそのまま認める裁判所 |
6月13日に佐賀地裁が玄海原発の再稼働差し止めを却下した。立川毅裁判長は 「想定される地震の大きさの算出方法は合理性があり、耐震安全性に欠けるとは いえない」とした。 高浜3,4号機の運転差止仮処分決定を取り消した大阪高裁(山下郁夫裁判長) と同じ理屈だ。牧野淳一郎さん(神戸大学理学研究科)が岩波「科学6月号」で 簡潔に大阪高裁決定を批判している。 < 3月28日の大阪高裁の決定により、高浜3,4号機運転差止仮処分は取り消さ れました。 ・福井地裁決定要旨(2015年4月)にある通り、「全国で20箇所にも満たない原 発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以後 10年足らずの間に到来」したという形で、基準地震動策定の「合理性」の「検証」 が十分でないということが証明されている。 ・大阪高裁の決定の論理は、例えば基準地震動について、「その合理性が検証さ れ広く用いられているものであり、…合理性を欠くとも認められない」、つまり、 これまで使われているのだから正しい、というものであり、基本的に行政および 電力会社の判断をそのまま認めるものである。 ・基準地震動については、実際に過去10年足らずの間に5回も基準地震動を超え る地震が起こった、ということから、適切な基準ではないことは常識的には明ら かに思えるが、そのような問題は無視されている。 ・これを「科学的」「合理的」とみるわけにはいかないように思われる。 > すなわち < 嘘を一度通してしまえば、通した、という実績によって無限に嘘をくり返せる、 ということであり、実際にそうなっている。> 今回の玄海3,4号機再稼働差し止め却下も同じだ。 多くの裁判所でこのように非「科学的」非「合理的」決定を続けさせてはならな い。 |