原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その124   2017年2月8日
渡辺満久さん指摘「原子燃料サイクル施設を載せる六ヶ所断層」を無視する原子力規制委員会
再処理施設の審査で六ヶ所断層の科学的議論をし科学的評価をせよ

  2月2日に「なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク」が参議院議員会館に経産省(資源エネルギー庁)と原子力規制庁を呼んで中央省庁交渉を行った。青森からの訴えに対して、両省庁とも相変わらずの誠意のない通り一遍の回答であった。
 ここでは、今進行中である六ヶ所村再処理施設の審査について、またまた規制庁が非科学的・非技術的で政治的答弁をくり返したので紹介する。

質問 東洋大学の渡辺満久教授が活断層学会において核燃料サイクル施設東側に撓曲(とうきょく、地面の曲がり)が認められ、これが「六ヶ所断層」と言う活断層に由来するという見解を発表している。この見解について、再処理事業変更許可申請の適合性審査手続において検討されたことがあるか、あるとすれば、何回前の審査会合においてか。その検討結果如何。ないとすればその理由を明らかにされたい。
回答 審査では個別の専門意見には答えていない。審査において、南北トレンチ調査で活断層長さを伸ばし、断層幅を27kmに延長し、Ssに反映した。

 問題は、渡辺満久さんの指摘に対して、日本原燃も規制庁もまともに議論しないことだ。今までも、川内原発の審査において、火山予知できないという火山学会の指摘やこの耐震審査は違法であると指摘した石橋克彦さんらと意見をぶつけて議論するのではなく無視するなどの非科学的対応は何度もあった。しかしながら、「六ヶ所断層」の議論を避けることは、原子力安全・保安院と東電が津波対策を怠ってイチエフ事故を大きくした教訓に反するし、「安全」を重視するなら「科学的」に議論するべきである。まして、「六ヶ所断層」の主張は活断層学会で確認された知見であり、一方規制委では今も審査中なのだから。

 交渉では、福島みずほ議員と海渡雄一弁護士も規制庁に厳しく追及したが、担当はまともに応答できなかった。
 もんじゅも廃炉決定し「核燃料サイクル」は破綻している。六ヶ所村「核燃料サイクル施設」の審査を追及して追い落とさねばならない。

(参考)渡辺満久ほか「原子燃料サイクル施設を載せる六ヶ所断層」(岩波「科学2009年2月号」)
以上