原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その123   2017年1月31日
玄海が稼働したらリラッキング(※)も許す?
微妙にリラッキングを容認していく田中委員長

 1月18日の記者会見で田中委員長は次のように答えた。
「リラッキングはだめだとかいう判断を、審査というか、許可しませんとか、そういう判断はするつもりはありません。」
 驚いた。これは明らかに以前からの発言と違う。

例えば、2016年2月3日の九州電力瓜生社長との会談(臨時会議)では、田中委員長は次のように発言した。
「実は、玄海がリラッキングの要求が一応出ていますけれども、私は基本的に、もうリラッキングなんていう考え方はやめるべきで、ドライキャスクに保管していく方がより安全だという、これは世界的にもそういうのが普通になっているんですね、どの国でも。」

更に、2016年11月30日の記者会見でも次のように答えた。
「玄海3・4がリラッキングの申請は出ているけれども、基本的にはそういうふうな方向についてはとらないで、できればプールから、冷却がある程度、5年か7年ぐらいたてば容器に入れられますから、そういう方法をとりながらプールをあけていった方がいいということは申し上げていますけれども、リラッキングの是非については、これからもし本当にそういうことになれば、審査をしなければいけないということになると思います。」

 すなわち、プールからドライキャスクへと促していることは一貫しているが、リラッキングについて、九電に対して「やめるべき」と言っていたのに、「審査をしなければならない」に、そして今年になって「許可しませんとか、そういう判断はするつもりはありません」に、徐々に無責任に退歩しているのだ。
 同じ記者会見で「リラッキングのような、ある意味では少し苦し紛れの方策ですから、そういうことではなくて、より安全サイドを求めていくという事業者の取組が必要だと思います。」と話しながら、いざ申請が出たら許可するつもりらしい。
 さすがに再稼働推進委員長である。

(なお、高密度プールの危険性については「その78」で紹介したように、「日本における使用済み燃料貯蔵の安全性とセキュリティ」(エドウィン・ライマン:憂慮する科学者同盟、岩波「科学2015年12月号」)に詳しい。

以上