またまた、原子力規制委員会が我々の「生命、健康及び財産の保護、環境の保全」よりも原発稼働を優先させる組織であることを自明にした。
去る11月22日の原子力規制委員会定例会議の「議題2 仏国原子力安全局で確認された原子炉容器等における炭素偏析の可能性に係る調査の結果等について」で、「各実用発電用原子炉設置者からの報告内容及び面談において確認した各製造事業者の製造方法等より、製品中に規格で定められた炭素濃度を超えるような部分が残っているおそれはないと評価できる。」と容認したのだ。
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000184.html
さらに、11月28日の院内集会(グリーンピース・ジャパン、原子力規制を監視する市民の会)では、ドイツの核問題専門家や井野博満さん、田中三彦さんらや参加者の厳しい追及にも拘らず、どう考えても実施すべき現物の「非破壊検査」も「破壊検査」も規制委はしないと言いはった。
フランスの原発18基で炭素異常(炭素濃度が0.39%で仏規格0.22%の2倍近くなど)の恐れが発覚し、うち日本鋳鍛鋼の製品を使う12基についてフランスの原子力安全局が原子炉を停止し検査する必要があると発表、日本鋳鍛鋼の品質保証書や炭素濃度予測に疑いが持たれているにも拘らず、規制委は同社からの「報告内容及び面談」のみで安全と判断したのだ。
おまけに、規制庁根岸担当は「現地調査した」と何度も説明したが、何のことは無い、日本鋳鍛鋼に行って書類説明を受けただけ。それでも、もう一人の工学博士と称する片岡担当が日本鋳鍛鋼の鍛造(たんぞう)製品に切断不良がフランスで見つかったことを認める発言をした。異様だったのは、追加の技術的質問に対して根岸担当が何度も片岡担当からマイクを取り上げて発言を遮ったこと。
この様子を見て初鹿明博議員(民進党)も福島みずほ議員(社民党)も、日本鋳鍛鋼の製品の「非破壊検査」を厳しく要求した。
田中三彦さんが発言したように、規制庁は原子力安全・保安院から変わっていない、基本的にメーカを向いている、メーカが出したデータは疑わしい、サンプリング検査が必要だ。
また、井野博満さんが、鋳造においては中央部にも偏りができることもあり「均一性」が非常に重要と述べ、さらに規制委が検査のルールを変えようとしていることに警告を発した。
同社製品が使われている川内原発1号機(定期点検中)はもちろん、2号機も停止して非破壊検査(その結果によっては破壊検査)をするべきだし、伊方3号機についても停止して検査するべきだ。
再稼働推進委員会に期待するのは無理か?
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