8月23日に沸騰水型柏崎刈羽原発6,7号機の優先審査が報道された(ロイター、毎日、東京など)が、明くる24日の記者会見で田中委員長はこれを否定した。
折しも凍らない凍土壁は大失敗で血税350億円を投じた政府・東電・建設会社の責任が問われている中で、今柏崎刈羽優先審査が明らかになると、原子力規制委員会の信用がますます悪くなるからだ。
もともと、2013年には「あれ(イチエフ)はあれ、これ(柏崎刈羽)はこれ」という訳にはいかないと言っていた原子力規制委員会が、2014年には柏崎刈羽原発の優先審査を開始した(「原子力規制委員会は再稼働推進委員会!」その31)。しかしながら、今年になって東電が施設の耐震評価の方法を変え、資料提出が遅れる為にしばらく優先審査を休んでいただけだ。現に原子力規制委員会は8月30日の審査会合で東電柏崎刈羽原発の耐震設計を予定している。
原子力規制委員会が柏崎刈羽原発6,7号機を優先審査しているのは間違いない。これを隠す田中委員長はあまりに姑息だ。
柏崎刈羽原発を優先審査、規制委(8月23日ロイター)
http://jp.reuters.com/article/idJP2016082301002055
原子力規制委員会が、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型原発の再稼働に向けた審査で、東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)を優先して進める方針を固め、2基と並行審査中の原発を持つ電力会社に伝えていたことが23日、分かった。審査が順調に進めば本年度内にも合格する可能性が出てきた。
第1原発事故後にできた新規制基準に基づく審査に合格し、これまでに再稼働した原発は全て加圧水型で、2基が合格すれば、東電の原発では初めて、全国的にも沸騰水型では第1号となる。
ただ第1原発事故は収束しておらず、事故の当事者である東電の原発が優先されることは議論を呼びそうだ。
原子力規制委員会記者会見録(8月24日)
http://www.nsr.go.jp/data/000161442.pdf
○田中委員長 報道は知っています。今日いっぱい、たくさん出ていたから。でも、報道されているような事実があったとか、そういう相談を受けたことも何もありません。私の理解では、柏崎刈羽については、耐震設計のところでまだ残っているということもありますし、いくつか大きな課題が残っていて、そもそもが東京電力という実施事業者という問題もありますし、いくつかこれから問題があると思うので、優先になるかどうかというのは分かりません。
以上
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