原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その102   2016年7月16日

「新規制基準」は世界最低水準?!
もっかい事故調が「日本の原子力安全を評価する」と1.7点(その1)


 先の「その101」(たんぽぽ舎です。!ZTMM:No2832】)は、7月15日に島崎さんが規制委に抗議メールを出し急遽記者会見を実施し、「再計算でも過小評価」、「見直せば、現在の基準地震動は超えてしまうだろう」と話し、興味深い展開になってきた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160715-00000081-mai-sctch
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201607/CK2016071602000135.html

 週明け19日午後に規制委と島崎さんとの面会(公開)をするそうなので注目しよう。週末に両者の変な密約が無ければ、基準地震動見直しにかかわる重要な議論を観ることができそうだ。

 さて、本題は7月8日に施行3年を迎え、今も再稼働推進審査の元になっている「新規制基準」の評価について。「もっかい事故調」(もう一回国会事故調を)が岩波書店「科学6月号」に64頁に及ぶ大論文特別企画「日本の原子力安全を評価する」を発表した。

14科目について9人が評価したところ、5点満点で1.7点になった。安倍首相が「世界最高水準」と言ったが全くそうではないのだ。点数はともかくとして、今の日本の原発が「具体的に何が問題で、何が未解決なのか」を整理し確認させてくれる重要な資料だ。手元に置いても良いと思う。

 リード文から興味深い記述を紹介する。
<「新規制基準」は、40年も前の老朽化原発から7,8年前に稼働し始めた“最新”の原発まで、すべてを救おうという前提でつくられている>(私たちもずっとそう主張)

<中国はいま、原子炉を2重の頑丈な壁をもつ格納容器の中に収め、万一のコアメルトダウン対策に「コアキャッチャー」を装備した、世界最先端の原発を建設中だ>

 また、2011年秋のMIT専門家の論文「世界の原子力発電所の地震による影響の受けやすさ」によれば、日本は圧倒的に世界一の座を占め、そのスコアは、2位(台湾)、3位(中国)、4位(米国)、以下8位までの合計に相当し、当時世界にあった222の原発のうち、第1位女川をはじめ多くが上位を占めていて、東電福島第一原子力発電所は第5位だった、そうだ。

 多くの専門家や私たちが訴えてきたように、前述の島崎氏の危惧も当然である。

 この特別企画「日本の原子力安全を評価する」の中味については次回に。

以上