原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その95   2016年5月21日

中央構造線断層帯が火を吹いている 川内原発を直ちに止めるべきだ!
原子力市民委員会の声明・記者会見から

 5月18日午後の原子力規制委員長記者会見でも、

「川内原発を停止しなかったという判断は、正しかったという認識は、今も変わらないですか。」

との記者の質問に対して、田中委員長は
「正しいです。正しかったと思いますし、正しいと思います。」
と答えた。

 非科学的・政治的判断をする原子力規制委員会だ。

その前日17日に原子力市民委員会が声明
「熊本地震を教訓に原子力規制委員会は新規制規準を全面的に見直すべきである」
を発表し記者会見したので紹介する。

http://www.ccnejapan.com/?p=6794

 立石正昭さん(新潟大名誉教授、新潟県「…技術委員会」委員、地質学)が「熊本地震の特性を踏まえ、川内原発の即時停止を求めます」と訴えた。

熊本・大分地震の特徴と問題点
 「移動する震源」で震源がどのように移動するのか現在の知識では予測ができない(2)「規模の大きな余震活動が頻発」しており、次の点を解明する必要がある。
・従来の耐震設計は一回の大きな揺れを想定していたので重要構造物がどうなるか未検証・2004年の中越地震を上回る大きな余震が起こっているが地震動の発生機構と地震波の伝搬と増幅過程が未解明
・レベル4に達する長周期地震動を記録したので改めて検証が必要

また、筒井哲郎さんが、現基準地震動620ガルは初期設計時の2倍近くであるのに躯体や機器の構造が変わっていない、火山噴火予知・免震重要棟取りやめ・避難計画・立地指針・水蒸気爆発・水素爆発を審査から除外していることを指摘。

後藤政志さんが、地震動とものの壊れ方を説明、鉄筋コンクリート構造は“き裂”が入ると固有周期が長周期側にずれる、衝撃破壊・座屈の可能性を論じ、炉心溶融が起きると事故収束できなくなることを説明した。

また、満田夏花さんが、原子力防災が屋内退避に頼っているが、地震と原発などの複合災害においてはそれが不可能であることを訴えた。

 以前から指摘してきた新規制規準と審査の問題点とともに、吉岡斉座長のもとで熊本・大分大地震により明らかになった新たに問題点を指摘する良い記者会見であった。

 残念なのは、川内原発を直ちに止めろと主張しなかったこと。新規制基準の見直しを訴えることは当然だとしても、原発の稼動も原発の審査も同時にストップするべきであると訴えるべきだったのではないか。