原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その87   2016年3月18日

川内原発のモニタリングを見直せ!
「犯罪的」と朝日新聞を恫喝する田中委員長の方がずっと「犯罪的」


  昨朝日新聞が3月14日の朝刊の「川内原発周辺の線量計、半数が性能不足 避難判断の目安」(http://www.asahi.com/articles/ASJ346QWDJ34UTIL076.html)で「運転中の九州電力川内原発周辺に設置されたモニタリングポストのうち、ほぼ半数が事故時の住民避難の判断に必要な放射線量を測れないことがわかった。…」と報道し、15日の社説「放射線量計 事故の教訓はどこへ」も追報した。

 これに対して原子力規制委員会がかみついた。翌15日に原子力規制庁名で「平成28年3月14日朝日新聞朝刊の報道について」(http://www.nsr.go.jp/news/160314.html)を発表し、「(朝日新聞の)読者の方に誤解を生ずるおそれがありますので、事実関係を説明します。…」と検出器、原子力防災会議、モニタリング体制の継続的に充実を記した文書を発表した。

○東京新聞も14日夕刊で「避難基準放射線半数測れず 川内原発周辺 監視不十分で再稼働」と追報したし、朝日の記事は間違ってはいないが、確かにセンセーショナル過ぎたきらいはある。測定器には対応できる測定範囲(スケール)があり、平常時の日々の放射線量の増減を知るための0.1マイクロシーベルトレベルの測定と、緊急時に異常の検出や避難するしないの判断をする為のミリシーベルトレベルの測定と両方が出来る検出器は無い。「半数が住民避難の判断に必要な放射線量を測れない」のは事実だとしても、「半数が性能不足」は言い過ぎで、東京新聞の「半数が避難基準を測れず」が妥当なタイトルだ。勿論、測定器配置や量の適否は別として、全モニタリングポストに2種類の測定器を置くなどの改善が必要だと思うが。

○それにしても、16日の規制委定例会議での田中委員長発言「…無用な不安をあおり立てたと言う意味で非常に犯罪的だと思っています」や、記者会見での「きちっとした釈明なり、対応なりを朝日新聞に求めたいと思います」はひどい。

 安倍政権の朝日新聞叩きを真似しているようだが、緩やかに過ぎる「新規制基準」で、甘い甘い非公開の審査で、免震重要棟など密約しながら、合格証を出して再稼働を推進している原子力規制委員会の方がずっと「犯罪的」だ。

 この田中委員長の恫喝に、朝日新聞ほかのメディアが負けないように願っている。