原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その80   2016年1月23日

免震重要棟を作らないなら直ちに川内原発1,2号機を止めよ
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ことを許すな!

  既に稼働中の川内原発1,2号機について、2015年12月17日に九州電力が規制委に設置変更許可申請を出した。

 何とそこで、次のように免震重要棟設置をしないと宣言したのだ。

「川内原子力発電所1、2号機の更なる安全性・信頼性向上への取組みに係る原子炉設置変更許可申請について」において、

≪3.緊急時対策所の変更(1,2号機共用)

当初、「緊急時対策所の機能」と「それをサポートする機能(支援機能)」を持つ「免震重要棟」を設置することとしていた。

 新規制基準で要求される「緊急時対策所の機能」は、現在運用中の「代替緊急時対策所」で満足しており、今回、自主的な取組みとして、支援機能を持つ「耐震支援棟」を同対策所の近傍に設置することとし、「代替緊急時対策所」の名称を「緊急時対策所」へ変更する。≫

 原子力規制委は直ちに川内原発1,2号機の稼働を止めるべきである。

その理由は次の通り。

(理由1)東電福島第一原発事故では、中越沖地震の影響を踏まえて設置された免震重要棟があったので、何とか事故対策ができた。

(理由2)甘すぎる「新規制基準」においても、かろうじて5年猶予を残しながら、「バックアップ施設−原子炉から100mの場所に電源、注水ポンプ、これらの緊急時制御室を常設化(特定重大事故等対処施設)」を要求している。

(実用発電用原子炉に係る新規制基準について

  −概要− http://www.nsr.go.jp/data/000070101.pdf )

(理由3)免震重要棟設置は、規制委の「設置変更許可」の許可条件である。

 ちなみに、規制委の「九州電力株式会社川内原子力発電所1・2号機の設置変更の許可について」(2014年9月)

  http://www.nsr.go.jp/disclosure/law/PWR/h26fy/0910_01.html

 にある「審査結果」ファイルには、「免震重要棟」が3回、「緊急時対策所(免震重要棟)」が37回も記述されている。要するに設置変更許可の条件になっているのだ。

(理由4)福島第一原発事故の教訓を風化させてはいけない。

 毎日新聞(1月19日)によれば、全国16原発26基の事故対策拠点「緊急時対策書」について、約半数(7原発15基)で免震構造によって作る当初計画を撤回して免震構造を耐震構造に変更しあり、再検討を進めたりしている、そうだ。

 原子力規制庁は「機能を失わなければ免震、耐震どちらでもかまわない」と説明しているらしい。

(理由5)「安全文化」が皆無

 設置許可の条件を規制委も事業者も回避するとすれば、田中委員長がいう「事業者の安全文化」なんて全くのデタラメであることを証明している。

 ともかく、原子力規制委員会も電力事業者も「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ことを許してはいけない。