原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その66   2015年10月2日

原子炉格納容器内の水蒸気爆発の危険性
ここにも世界最低水準「新規制基準」と事業者任せの甘い甘い「審査」の落とし穴

  原子力規制委員会の判定にはこんなに危険なリスクも抱えている。岩波書店「科学9月号」の「原子炉格納容器内の水蒸気爆発の危険性(高島武雄、後藤政志)」から紹介する。

 水蒸気爆発は、「燃焼のような化学反応ではなく、高温溶融物と接した液体の水が瞬時に蒸発する物理現象」で、熱したフライパンに水をたらした場合に激しくはじけ飛ぶ事象が身近な例。水が瞬間的な蒸発で体積が1600倍にも増大して爆発するのだ。また、昨年の御嶽山噴火でも本年5月の口永良部島噴火でも水蒸気爆発が起こっている。

 この水蒸気爆発事象が、加圧水型原子炉格納容器の過酷事故シナリオの典型例で発生が危惧されるのだ。

  ここでは、同論文の結論のみを記載する。

  「九州電力、関西電力、四国電力ではシビアアクシデント対策として、溶融燃料を水のプールに落下させて冷却する方法を採用している。これは水蒸気爆発を発生させる可能性が高く、自殺行為と言わざるを得ない。

 これを避けるためにヨーロッパではコアキャッチャーを設けることを標準としたのである。水蒸気爆発に関する根拠のない憶測にもとづく審査はただちに改めなければならない。」

  このことは、本年5月に私たちが川内原発工事計画認可への異議申立をし意見陳述した折に、後藤政志さんが「水蒸気爆発を無視する非科学性・非倫理性」を原子力規制委員会にプレゼンテーションして指摘した。が、原子力規制委員会は未だにこの異議申立に対して回答せず、1号機の再稼働を容認し、2号機も容認しようとしている。更に高浜も伊方も。'