原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その48   2015年5月23日

工事計画審査は「ひそかに」決定!?「白抜き偽装」「耐震偽装」のまま
「原子力規制部長の専決処理」と規制委員会に諮らず川内2号機合格

   
5月22日に原子力規制委員会が川内原発2号機の工事計画を認可した。
     http://www.nsr.go.jp/disclosure/law/PWR/00000039.html
あれ、規制委員会にかけないのか? と一瞬驚いた。

 さすが再稼働推進組織、この日の規制庁ブリーフィングで記者の質問にすらすら答えた。既に川内1号機の工事計画を認可した3月18日にこのすり抜け方法を確立していたのだ。

 3月18日の原子力規制委員会で規制庁担当が次のように説明し、規制委がそれを認めていた。

 引用〜なお、少し手続的な説明でございますけれども、そもそも工事計画認可といいますのは、設置許可の基本設計に従いまして個々の詳細な設計を定めるものでございますので、原子力規制委員会の文書管理要領において、「重要なものを除いては、工事の計画認可は原子力規制部長の専決処理で行うことができる」とされてございます。

 川内原子力発電所第1号機については、最初のプラントということでございますので、原子力規制委員会での決定をお願いしたいと思ってございます。

 しかしながら、今後、新規制基準適合に係るものでありましても、今回と同じように一定の規格基準に従って強度等を確認するというものであれば、高度な技術的判断が必要とは特段予見されないと思いますので、原子力規制庁で上記の要領に従いまして専決処理ができるのではないかと思ってございます。〜引用終了

  この馬鹿丁寧な官僚説明で、「工事計画認可」は細かい計算なので規制庁に任せて5人の委員に諮ることをしないことを確認したのだ。

 しかしながら、この「工事計画認可」が大問題だ。山崎久隆さんが調べて2回の規制庁院内ヒアリングで明らかにしたように、川内原発の工事計画審査では、九電の資料の重要部分を「黒枠白抜き」マスキングして第3者に見せないばかりか、30年以上前に基準地震動270ガルで設計・製造した施設が、今の基準地震動620ガルに耐えられることを全く証明できていないのだ。

 それ故に、去る5月15日に九州の方々や、山崎久隆さん・広瀬隆さん・後藤政志さん他計24人が、「川内原子力発電所第1号機の工事の計画の認可処分(平成27年3月18日)」に対して、行政不服審査法に基づく異議申立をした。

 この申立では、2000ガル以上の地震動を記録した柏崎刈羽等を考えればあまりに低すぎる基準地震動の設定であるが、規制委が認めたこの甘い甘い基準地震動さえ工事計画審査で耐えられることが証明できていないことを糾弾する。

 高浜、伊方と続く工事計画審査においても「白抜き偽装」「耐震偽装」が行われているであろうことに対しても厳しく監視し糾弾しなければならない。

※事故情報編集部より参考記事

 ◆川内2号機も工事計画認可 規制委

  原子力規制委員会は22日、九州電力川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に必要な工事計画を認可した。2号機の再稼働は、九電が優先して作業を進める1号機より1カ月から1カ月半程度遅れる見込みで、8月以降になる見通し。九電は週明けにも、再稼働前の最終手続きとなる使用前検査の申請を規制委に提出する方針。  (後略)  (5月23日東京新聞より抜粋)