原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その46   2015年4月30日

ストレステストを義務付けていない「新規制基準」
「新規制基準」は「緩やかに過ぎ」、「合理性を欠く」

  去る4月21日(火)の「川内原発の再稼働審査を糾弾する!原子力規制委員会院内ヒアリング」(再稼働阻止全国ネットワーク主催)で、中桐裕子原子力規制庁安全規制管理官(PWR担当)管理官補佐が、「ストレステストは審査要求していないから」と言い逃れするように何度も繰り返した。

 そうだったのだ。「新規制基準」にはこんな重要な欠陥もあった。福島第一原発事故の教訓から原子力安全・保安院が実施し、大飯原発のストレステスト意見聴取会では井野博満さんや後藤政志さんが厳しく追及していた、あのストレステストを原子力規制委員会は「新規制基準」で義務付けていなかったのだ。

 このことは2013年3月19日の第33回原子力規制委員会の議題8「発電用原子炉の新規制施行に向けた基本的な方針について」で決められた。

まず市村安全規制管理官が「シビアアクシデント対策を含む新基準については、ハード・ソフトを一体的に確認することが合理的であることから、設置変更許可、工事計画の認可、保安規定認可に関する申請を同時期に受け付け、並行して審査を実施することとする(原子力安全・保安院により実施されたストレステストは手続き上の要件としない)。」と括弧付け文で提案し、5年猶予バックフィットとともにこの日に決定していた(中村泰子さん情報)。

  それにしても、原子力規制委員会が、「2011年3月11日の東日本大震災により引き起こされた福島第一原発でのシビアアクシデントを受けて、EU各国が既存の原発の安全性を再確認するために作った」(ウィキペディアから)「ストレステスト」を「新規制基準」から外していたとはひどい。

 4.14福井地裁が指摘しているとおり、「新規制基準」は「緩やかにすぎ」、「合理性を欠くものである」ことのもう一つの証明だ。

 なお、前述の規制委の定例会議の議事録によれば、更田委員が「いわゆる欧州型のストレステストですけれども、安全裕度に関してそれぞれの発電所がどれだけの裕度を持っているかということを、きちんと定量化していく。そういったものを含めた最終的な安全解析文書というものの届出をしてもらおうと考えています。」と発言している。

 この「安全解析文書」の作成とその公開を追及していかねばならない。