原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その43   2015年3月31日

原子力規制委員会は原子力マフィアの為に「独走」する3条委員会
工事計画の非公開認可、使用前検査開始、有識者意見の軽視、汚染水の海洋垂れ流し推進、メディアに知らせないで地元説明

  前回に書いたように、原子力規制委員会は3月18日(水)に川内原子力発電所第1号機の工事計画認可を決定した。「黒枠白抜き」マスキング(※)だらけの資料公開で基準地震動620ガルを本当に達成できたかどうか第3者には全く判断できない状態で。今後は規制庁の専決処理ゆえ委員会には報告のみと今後一層非公開と宣した。

 原子力規制委員会は、独立3条委員会であることを悪用して、更に原子力マフィアの為の「独走」を速めた。

〇川内1号機の使用前検査開始

 3月30日に川内1号機の使用前検査を開始する。2号機と共用部分の工事認可もまだで、検査内容は不透明のままで、何としても年後内に開始の実績を作りたかったようだ。

〇有識者会合を軽視して規制委・規制庁が独自判断

 大飯、敦賀、東通破砕帯の調査について、規制委は「最終的には規制委員会で判断」すると田中委員長が言った。有識者は「国の方に知見がないから有識者に依頼をして調査をしてきたはずなのに、規制委員会が結論をひっくり返すような立て付けにするというのは非常に残念である。使命感があったからこそ重い負担にも耐えられたのに、一体何のためにこれまでやってきたのだ、もう規制委員会に協力するのはごめんだ」という声が何人かからあがっている。

〇東電福島第一原発放射能汚染水の海洋垂れ流しを放任・推進

 2013年には安倍嘘発言コントロール・ブロックを支援容認しておいて、早く(2014年春)から海洋への垂れ流しを推奨する田中委員長。

 最近は、放射能汚染水問題について漁業者に説明する意志があるか?トリチウム水を海に流す合意形成の仕方がどうか?と問われると、「それは私の立場でやるべき仕事ではないので、廃止措置を薦める責任は東京電力にあるわけだから、東京電力がそういう覚悟を持ってやる以外は方法がない」と逃げる。

 IAEAの指導を受けて海洋モニタリングしているが、外洋に影響が出ていないと隠す方法を教わったのであろう。

 総量規制について問われても田中委員長は「総量規制は、多分、現段階では無理だし、そういうことをする必要もない」と否定した。

〇高浜審査の地元への説明はメディアにも秘密

 27日の規制庁ブリーフィングでテレ朝が尋ねて次のことが明らかになった。

・26日に京都府に説明をした

・27日に関西広域連合に説明している

・30日に小浜市環境安全対策協議会に説明に行く

・高浜町のビデオ配信に対する質問・回答は高浜町・規制委HPにこそっとアップ

 これらのことを記者会見で事前に発表せず、尋ねられて初めて答えた。

 原子力規制委員会の隠して「独走」する姿勢を如実に現している。


(※)マスキング(masking):覆い隠すこと。包み込むこと。