原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その41   2015年3月13日

安倍「アンダーコントロール、ブロック」の嘘、田中「不検出」の嘘
田中委員長は安倍首相IOC嘘発言を支援、同罪だ
 今回の福島第一原発放射能汚染水問題発覚で、安倍首相発言の嘘が再認識された。
 安倍首相が2013年9月8日のIOC総会で「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」、「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」と明言したが、現実は全く違っている。
 田中原子力規制委員長もこの安倍の嘘をしっかりと支援していた。田中委員長は、外洋では汚染が検出されていないのでと安倍発言を指示しつつ、メディアの批判報道を批判し、モニタリングにはしっかり関与といいながら、結局放射能汚染水外洋たれ流しを隠してきた。さらに、今回の発覚に対しては「国の関与」は経産省の役割と逃げている。
これらのことは、田中委員長記者会見から明らかで、以下に一部を抜粋する。

IOC安倍発言の前(2013年9月5日)
 日経記者の「東電の汚染水問題の件で、定例会合の中で、怒りを感じるとおっしゃっておられましたけれども」の質問に答えて「誤った情報を発信することの中で、国際社会にも迷惑をかけているということがあったので、それを私は非常に遺憾だという意味で申し上げた」(IOC発言前ゆえ国際評価を気にする)
 「外洋の汚染というのはないのですよというか、要するに、有意な差は出ていないですよということなのです」(大海で有意な差が出たら大問題なのに、いつもこの「不検出」で逃げる)
 「今はそんなに心配しなければいけない状況ではなくて、逆にいうと、風評的なものが非常に大きくて、福島県の漁民の方が困っている」(いつもの非科学的・政治的発言)
 「事業者がしかるべきモニタリングというか、信頼できるデータを出していないところがあるので、そこについては、規制庁として少し踏み込んでいかざるを得ないだろうということで、今後、経産省とも相談しながら、技術的な点では全面的にサポートしていきたいと思っている」
 「モニタリングについては、私たちがある程度関与していこうということです。」(ここまで言ったのだから、今回の放射能汚染水問題に責任があるはず)
IOC安倍発言の後(2013年9月11日)
 「今のイチエフの状況は、心配しなければいけないような状況ではないということは、私もそう思っています。今、海の汚染はほとんど港、安倍総理でいうと0.3平方キロメートルの外では、ノンディフェクタブルな状況に近いですから、言葉の端々をあげつらっても、何の意味もないのです。」(しっかり安倍擁護)
 「メディアの影響は、被害者である福島の人たちに対して、もっと心を寄せてほしいというのは、私の率直な気持ちであります。」(安倍同様にメディアに圧力)
 「環境のモニタリングは私たちの仕事であるし、そのことについて、きちっと評価をして、責任あるデータを出していくということをやっていますということです。」
 「基準内での海洋放出、基準をどう決めるかですけれども、放出について、放出しているのは世界各国みんなやっているわけですから、それは国際公約に反すると考える必要は全くないと思います。」(これが本音、世界中の核推進者が海洋を汚染している、日本も)
 「汚染水の問題で多分住民が非常に気をつけなければいけない状況は、私は起こらないだろうと思っています。」(これも安倍発言批判への批判)
放射能汚染水発覚の後(本年3月4日)
 「どれぐらいの量が出ていて、どれぐらいの濃度のものが出ているというのを東電は最近になって、ここ数日になってようやく我々の目に届くようになってきたわけ」
「言うなれば箸の上げ下ろしまで我々が技術指導をするという立場でもないし、そこまではできない」
 「基本的に確認させて頂きたいのは、その場合の国の関与というのは、担当するところは経済産業省なのです。規制庁も規制委員会も国の一つの機関です。ですけれども、それは立場が違うのですよ、その場合の関与の仕方が。そんなことを言っていないで一緒にやれよと言いたいのでしょうけれども、そういう意味では随分踏み込んで、規制ののりを越えて随分やってきているのです。」
 「コントロールというのは、国会で官房長官も総理自身も答えているけれども、環境への影響がないという意味でコントロールされていると言っていて、海に全然出ていないということは言っておられませんね。そのことについて、私から何か言う必要はないと思います。もともと少しのものが出ているし、告示濃度以下のものだったら、捨てる以外はないでしょうということも申し上げています。」
 (2013年9月の「私たちの仕事」、「責任あるデータを出していく」のかけ声は消え失せ、言い訳ばかり)