原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その31 2014年12月16日 「あれはあれ、これはこれ」と東電を支援する規制委会 福島第一原発事故は「水に流し」柏崎刈羽の再稼働を認める? |
○次の2つの記事をご覧いただきたい。 ・「汚染水「処理後は放出を」=田中委員長、福島第1視察−規制委」 原子力規制委員会の田中俊一委員長は12日、東京電力福島第1原発で増え続ける放射能汚染水について、「(放射性物質濃度が)規制基準以下になった水を捨てずに、廃炉をできるはずがない」と述べ、浄化装置で処理した汚染水は海に放出する必要があるとの考えを示した。第1原発を視察後、福島県楢葉町で記者団に語った。(時事ドットコム、2014/12/12-19:16) ・「柏崎刈羽を現地調査 福島原発と同型で初」 原子力規制委員会は12日、再稼働の前提となる審査を進めている東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の設備や事故対策について現地調査した。担当の更田豊志委員長代理は「ケーブルやホースのつなぎ方に改善がみられ、福島第一原発事故の反省や教訓を生かそうとする緊張感が垣間見えた」と評価した。 (東京新聞12月13日) ○ 同じ12月12日に、田中委員長が福島第一原発を視察して汚染水の海洋放出発言をし、更田委員長代理が(審査会合の一環として)柏崎刈羽の現地調査をして「反省や教訓を生かそうとする」東電を褒めた。 昨年9月に柏崎刈羽原子力発電所原子炉設置変更許可申請が東電から出た時に、10月2日の原子力規制委員会定例会合で、田中委員長は「福島第一原子力発電所の汚染水問題が極めて喫緊の課題であることはまず認識していただく必要があるということであります。東京電力はもちろん、規制庁においても、汚染水問題を含む廃炉問題が万が一にもおろそかになってはいけないと思いますので、その点を十分に配慮していただきたい」と述べ、更田委員は「東京電力には、廃炉作業、それから、十分な汚染水対策を実行することによって、福島第一原子力発電所におけるリスクの低減を最優先と捉えるべきであって、これから生じるリスクを十分に抑え込むことができているかどうかという活動よりも、今そこにあるリスクへの取組が優先されるべきであるというのは当然のことだろうと思います。とにかく別の話だ、あれはあれ、これはこれと考えるわけにはいかないだろうと思います。」と話して早や1年2カ月。 ○ この舌の根も乾かぬ昨年10月から柏崎刈羽の審査を開始し、この1年間に、審査会合を20回以上、非公開の事業者ヒアリングを85回も実施しているのだ。 おまけに、福島第一原発近傍の海水のモニタリングでは、日常は検出限界値が高い方法で測定して海洋汚染を隠している。 東電への対応を見れば、原子力規制委員会が私たちの安全や環境保全よりも事業者優先規制を実施する「再稼働推進組織」であることが良くわかる。 最後に、前30号で紹介した『原発と大津波 警告を葬った人々』(添田孝史著、岩波新書、2014年11月20日発行)が12月12日の福島原発告訴団の行動でも大きく紹介されていた。 東電も原子力安全・保安院も原子力規制委員会も同罪だ。是非ご一読を。 |