原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その25 2014年10月30日 不可思議なブリーフィング担当の交代 隠したい?原子力安全・保安院の責任 |
原子力規制委員会は、週に1回の田中委員長記者会見とともに、週に2回規制庁ブリーフィング(記者会見)が行われている。先の10月21日にこのブリーフィング担当が2人目の片山審議官から3人目の米谷長官官房総務課長に交代した。発足後2年少しなのに3人目で不思議な人事だ。 昨年2月に事業者との秘密会合と報告案漏えいで名雪審議官が更迭され、その後規制庁内で昇格した片山啓審議官が、環境省に戻った森本次長に代って規制庁ブリーフィングに登場し、田中委員長記者会見も補佐し出したのが今年の4月。 片山審議官は、典型的な官僚でクールなしゃべりと卒のない物言いで、ブリーフィングの場をより冷ややかにした。この片山審議官は、3.11事故当時の原子力安全・保安院の企画調整課長で筆頭課長として福島原発事故に重い責任を負っている。このことをブリーフィングの質問で2度も記者に言及された。 私は、この半年後の交代は、規制庁内で旧原子力安全・保安院の台頭が目立つ中で、川内原発の再稼働を目前にして、イチエフ事故についての原子力安全・保安院時代の責任追及をきらった人事ではないかと思う。 なお、森本元次長が環境省に戻り、大尼の処分を受けた名雪元審議官が文科省に戻ってそれぞれ要職を得ていることは、原子力規制委員会設置法の附則に記され衆議院・参議院で附帯決議された「ノーリターンルール」(「原子力規制庁の職員については、原子力利用における安全の確保のための規制の独立性を確保する観点から、原子力規制庁の幹部職員のみならずそれ以外の職員についても、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めないこととする」)に反していることも許しがたい。 イチエフ廃炉工程の5年延期が発表された。水汚染対策も破綻している。 川内原発再稼働について「原子力マフィア」たちは地元同意に前のめりであるが、工事計画変更と保安規定変更の事業者ヒアリングが終わり審査が始まったばかり。 現地における再稼働阻止の闘いとともに、原子力規制委員会の旧原子力安全・保安院出身の無責任な官僚たちを監視・糾弾し続けないといけない。 |