原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その23 2014年10月14日 国会事故調を敵視し「吉田調書」を無視する規制委 事故の分析に係る検討会」中間報告書確定 |
規制委は、先の10月8日の定例会合で「東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」中間報告書を確定した。「新規制基準」がほぼ固まった後の2013年5月にこの検討会を開始し、6月、8月、10月、11月と開催した後、ずっと休んでおいて2014年7月に第6回を急遽開催し、中間報告書案を提出して確定したものだ。 中間報告書は国会事故調が指摘したことに対して検討した結果が記載されているが、田中三彦氏(元国会事故調委員)の言葉を借りれば「内容的には、国会事故調の問題提起をことごとく否定するものになっている。平たくいえば、未解明問題は少しも未解明ではなかった、特別な問題は見いだせなかった、と一方的に断じた報告書」である。 国会事故調の委員を呼んで意見を交換することもせずに、国会事故調の現場証言聴取に対して「強要」「不正」と述べ、抗議を受けて発言を撤回をした奈良林直委員など「原子力マフィア」側の委員で決めてしまったのだ。 また、2014年5月に吉田昌郎所長の供述記録すなわち「吉田調書」が朝日新聞の報道で明るみに出て、9月11日に他の「調書」とともに公表された。この「吉田調書」に対する規制委の対応もおかしい。「調書」をしっかり調べて事故検証をし規制基準に反映することが、「科学的・技術的」な組織のあるべき姿である。にも拘らず、「吉田調書」を活かす考えがあるかを記者に問われて田中委員長は「…改めてそれだけの労力を割くということはする予定はありません」と否定した。 福島第一原発事故の原因究明と検証をなおざりにして、「新規制基準」を作り審査を進めるという、「科学・技術的」に非常に不可解な行動をする原子力規制委員会である。 (参考)吉田調書の意義を見失ってはならない―事故を直視するために(原発規制庁審議ウォッチ・グループ、岩波「科学」10月号) |