原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その17   2014年9月1日

規制委を果敢に攻める雑誌「科学」
田中委員長に「質問通告」岩波に続くメディアはないか?
○岩波書店の雑誌「科学」が原子力規制委員会を果敢に攻めている。
まず、川内原発の再稼働審査書案パブコメにおいて、意見の写しを同誌HPに掲載している。http://www.iwanami.co.jp/kagaku/index.html
 また、8月29日(金)午後の規制庁ブリーフィング(記者会見)では、雑誌「科学」の記者が面白い試みをした。田中委員長宛の「質問通告」をして約2週間後の回答を求めたのだ。
以下は、岩波記者の質問の概要を示す。
規制庁ブリーフィングの速記録は http://www.nsr.go.jp/kaiken/ にすぐにアップされる。

雑誌「科学」記者の質問と田中委員長への「質問通告」
 今次の審査では、過酷事故シナリオの選定、分析が不十分です。例えば、より頻度も相対的に高いと考えられ深刻な被害になると予想されるTI−SGTRと呼ばれる格納容器をバイパスして放射性物質が放出されるシナリオは見過ごされている。詳しくは雑誌「科学」9月号に論文掲載。
第1の質問
なぜシナリオの選定に失敗したのか審査プロセス自体の検討が必要ではないのか?
また、既存の情報収集体制の失敗が今回のことによって明らかになったので、規制委員会・規制庁自体が情報を随時受け付けて検討する体制が必要ではないのか?
第2の質問
 「科学」編集部では川内原発審査書案へのパブコメの写しを募り、公開を始めている。それらのパブコメから、編集部は、事故が起こり得ているとされている以上、被害を受ける立場を考えて欲しいという痛切な訴えを読み取った。避難計画の問題について、規制委員会として政府に勧告する考えは現在無いようだ。再稼働の判断主体がどこにあると考えているのか、改めて談話を発表するつもりはないかどうか?
 また、現在の混乱は、誠実に法を執行する行政の間において生じているから、立法府に対して、再稼働の判断に係る議論と新たな立法を促すと言う談話を発表するつもりはないのか?
以上のどれも当然の重要な質問で、「質問通告」に対して田中委員長がどう答えるか注目しよう。

○なお、先の8月27日の田中委員長記者会見では、別の記者の質問「火山のモニタリング会合で予知が難しいとの専門家意見が多々あった。今回の川内原発の審査への影響を与えることになるのか?」に対して、田中委員長は「直接審査に影響を与えるようなことはないと思います」と答えた。審査をやり直すつもりは全くない、非科学的政治的対応だ。
 私たちもこれらのことをしっかり追及せねばならない。また、岩波書店以外のメディアの記者達の鋭くしつこい質問を期待して見守りたい。