原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その16   2014年8月25日

汚染水対策をえらそうに批判する資格はないぞ! 規制委・規制庁批判
放射能汚染水隠しに加担する規制委
 8月24日(日)のTBSサンデーモーニングで、金子勝さんが話した。汚染水対策は全くうまくいっていない、凍土壁でいいのか、ALPSも12月に稼働するかどうかと言っている、東電まかせでなく国が責任を持って乗り出すべき、除染後のフレコンバッグが漏れ出したら収集がつかなくなる、と。
 もちろん、放射能汚染水対策の今の絶望的な状況の責任は、ブロックできている・コンロールできていると世界に大嘘をついた安倍首相と安倍政権、監督官庁である経産省・資源エネルギー庁、東京電力にある。が、2年弱前に発足した原子力規制委員会の責任も重大だ。水汚染対策よりも原発再稼働を優先し、水汚染対策問題を政治的に隠すことをずっとやってきたからだ。
 「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資すること」を目的として設置されたはずの規制委が、水汚染対策でどんな悪さをしたかを振り返ってみよう。
○「特定原子力施設監視・評価検討会」
 規制委は標記検討会を2012年12月21日に発足、2013年に14回、2014年に11回、計26回開催している。東電福島第一原子力発電所を「特定原子力施設」と命名するのも福島第一原発事故影響隠しだ。大事なことは、規制委は2012年12月から福島第一原発とその汚染水対策を規制・管理する立場にあったことだ。
○参議院選挙直後に明らかになった汚染水海洋流出、規制委は4日前に聞いていた!
 昨年(2013年)7月21日の参議院選直後の22日(月)に東電が海洋流出を発表したことは記憶に新しい。実は、規制委はこの事実を東電から7月18日に報告されて知っていた。規制委の指示があったからか、東電が正式に発表したのは、その4日後の22日だ。そして、規制委は8月に「水汚染対策ワーキンググループ」を発足させた。「科学的・技術的」でなく実に「政治的」に「発表」を規制する原子力規制委員会である。
○ストロンチウム500万ベクレル検出を東電が半年間隠蔽、規制委も加担
 東京電力が今年の2月6日に、福島第1原発1〜4号機の海側にある観測用井戸で、昨年7月に採取した水から、過去最高値の1リットル当たり500万ベクレルのストロンチウム90を検出したと発表した。この事実隠しにも、規制委が加担している。福島第一原発汚染水漏れが頻繁に報道されるようになって、上記「評価検討会」の下部「汚染水対策ワーキンググループ」を2013年8月に発足、8月に5回、9月に2回、10月に2回開催した。が、11月開催予定を急に延期しそれから3か月間休んだ。ストロンチウム90検出に苦慮して隠し続けるためだ。
○放射能汚染水汚染対策要員を増やさない規制委・規制庁
 規制委員長や規制庁との公開記者会見でも、「なぜ汚染対策のための要員を増員しないか?」と頻繁に記者から問い続けられているが、再稼働審査の為の要員を増員しておきながら、福島第1原発現場担当は十人程度のままだ。
○それでも柏崎刈羽原発の再稼働審査?
 東電が柏崎刈羽原発の再稼働審査の申請を出す前には、「あれはあれ、これはこれとはいかない」と言っておきながら、規制委は東電の申請を受け付け、審査を続けている。現に、8月26日(火)の「第132回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合」でも、規制委は東電を呼び柏崎刈羽原発6,7号機の審査を実施する。

 再稼働阻止全国ネットワークでは、規制委発足後早くから「再稼働よりも汚染水対策を!」と訴えてきたが、規制委は「国民」の生命・健康・財産と環境保全のため」に最も重要な汚染水対策をいつも後回しにしてきた。
★8月27日(水)昼の原子力規制委員会抗議では、このことも糾弾しよう。