原子力規制委員会は再稼働推進委員会! その7 2014年6月 年間20mSvで帰還を押し付ける原子力規制委員会を批判する とんでもない数値だ。法律は年1mSvだ |
○原子力規制委員会は「科学的・技術的」で無く、政治的な提言をいくつも出している。 ここでは20mSv帰還を紹介する。 「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方(線量水準に応じた防護措置の具体化のために)」(平成25年11月20日、原子力規制委員会)だ。 この中で「我が国では、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告等を踏まえ、空間線量率から推定される年間積算線量(20ミリシーベルト)以下の地域になることが確実であることを避難指示解除の要件の一つとして定めている。」、但し「長期目標として、帰還後に個人が受ける追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう目指すこと」と追記して。 この「基本的考え方」は2013年9月に開始した「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」最後4回目の11月11日の検討会合を終えた後に出された。検討チームの春日文子委員が「表現が他人事のような印象を与える」と指摘しているように何ともおかしな表現であるが、年間20mSvを明記した「基本的考え方」を決定することが重要だったのだ。 ○この20mSvは、日本の法律に照らしても、とんでもない数値だ。法律で定められた一般市民の被曝限度は「年1ミリシーベルト」であり、放射能マークが掲示され一般市民の立ち入りが禁止されている放射線管理区域は「年5.2ミリシーベルト」であり、原子力発電所等の労働者がガンや白血病で亡くなった場合の労災認定基準は年5ミリシーベルトから(累計5.2ミリシーベルトで認定された事例あり)であり、放射線業務従事者の基準(5年間で100ミリシーベルト)と同レベルであるからだ。 ○また、チェルノブイリ事故から5年後の1991年、ソ連崩壊後のロシア・ウクライナ・ベラルーシで決められた「移住の義務=年5ミリシーベルト」、「移住の権利=年1ミリシーベルト」に比べても、あまりに危険な年間20mSvである。 ○なお、この年11月10日の毎日新聞報道〜この検討チームが実施を決めた住民への聞き取り調査を、田中俊一委員長が撤回、代わりに自治体の首長から聴取するよう指示し、提言案に「避難住民の意見は反映されない見通しになった」〜に対して、原子力規制委員会が毎日新聞記者の記者会見参加を拒否したことも忘れてはならない。官公庁が誤報を理由にメディアの会見取材を認めない措置をとるのは異例で異常だ。 (参考) 「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」: http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kikan_kentou/ 「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方(線量水準に応じた防護措置の具体化のために)」(平成25年11月20日、原子力規制委員会): http://www.nsr.go.jp/nra/kettei/data/20131120kikan.pdf |