経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その98   2018年12月2日
新小型原発開発で負の遺産をこれ以上増やすな
〜温暖化対策名目の国際的枠組みNiceFutureによる原発新増設を許すな〜
 11月13日の経産省のニュースリリースが気になっていた。
<米国との間で「原子力分野における研究開発及び産業協力に関する協力覚書」を発表した>http://www.meti.go.jp/press/2018/11/20181113003/20181113003.html
そこには次の5項目が記載されている。
 1.革新炉を含む原子力研究開発協力
 2.廃炉及びバックエンド燃料サイクル管理の協力
 3.安全性向上のための産業協力
 4.世界の原子力利用への貢献
 5.継続した対話のための枠組み
 
 東京新聞がこれを受けて調査した結果が次のトップ記事(12月1日)だ。
<新小型原発、開発へ 温暖化対策を名目に経産省
40年までに実用化目指す、「新増設凍結」方針と矛盾、将来に大きな負の遺産>
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201812/CK2018120102000131.html
解説が的確にまとめているのでそのまま引用する。

<(解説) 東京電力福島第一原発事故から八年目、今も多くの人が避難生活を強いられている中で、政府は新型原発の開発方針を打ち出した。「温暖化対策」という国際的な約束を盾に、再生可能エネルギーとの共存を模索する。原発の生き残りを図ろうとする「原子力ムラ」の思惑が透けて見える。
 政府は、二〇三〇年度に発電量の20〜22%を原発で賄う目標を立てたが、稼働期間を最長の六十年としても、達成は難しい。さらに、世界的に再生可能エネルギーが安くなり、事故対策でコストがかさむ原発は採算が合わない。
 そこで経済産業省が持ち出した理屈が「温暖化対策のための原発」。国際的な枠組み「NICE Future」参加国の政府や原子力産業などとの連携をもくろむ。今のうちに新設のめどを付け、将来にわたり原発を一定規模、維持する道筋をつける狙いだ。
 だが、地球温暖化問題では、今の世代が責任を持って、いかに「持続可能な社会」を実現するかが問われている。原発は発電時に温室効果ガスを出さないが、核のごみがたまる。小型原発でもこの点は同じだ。
 核のごみの最終処分場は、日本では見つかる見通しすらない。原発でごみを増やし続けるのは「持続可能」どころか、将来に大きな負の遺産を残す。矛盾を抱えた政策に巨額の税金を投入することに、国民の理解が得られるとは思えない。 (伊藤弘喜)>

経産省が、「パリ協定」実現を口実に、「原子力ムラ」生き残り策を米国と覚書を交わし非公開の国際会議で発表したのだ。1953年のアイゼンハワー大統領の「核の平和利用」を受けて原子力発電に邁進した過去の過ちをまだまだ続けるつもりなのだ。
 東電福島原発事故を経験した私たちは、「安全・安い・無いと電気が足りない・クリーン」などと大嘘をつきとおす経産省・資源エネルギー庁によるこの愚かな「原子力ムラ」生き残り策を何としても止めねばならない。
以上