経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その89 2018年8月27日
トリチウム汚染水の海洋放出に反対する7つの理由
〜資源エネルギー庁「多核種除去設備等処理水の取扱い」への意見〜
 資源エネルギー庁が8月30日(富岡町)と31日(郡山、東京)に「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る説明・公聴会」を開催する。私も東京で傍聴する。書面での意見を募集しているので、先ほど次の意見を提出した(締切は31日)。少々長いですがご参考に。

私がトリチウム汚染水の海洋放出に反対する7つの理由
1 トリチウムをどこにも放出するべきでない
 人類は、産業革命以来一人でできること以上の過大な力を得て、地球上のすべての命に多大な被害を及ぼしている。中でも核兵器はその破壊力とともに発生する放射性物質も厖大で、核実験により地球を放射能汚染し続けている。更に、核分裂反応によってお湯を沸かす装置である原子力発電が地球上に400基以上もあり、放射能汚染し膨大な核のゴミを製造し続けている。
 このようなことは許されない。人類は可能な限り核のゴミを地球上にまき散らさないようにするべきだ。トリチウム汚染水についても可能な限り地球に放射能被害を与えないように処理するべきだ。
 半減期が12.3年のトリチウムについては、長らく人工のタンクなどに保管しておき放射能が減少するのを待てば良い。タンクに貯まった汚染水もイチエフからこれから生ずる汚染水も、自然災害などに耐えられるようにして長期に亘って保管するべきだ。

2 タスクフォースも小委員会も信用できない
 「安全」を主張し続けてイチエフ事故を起こした経産省と東京電力は事故の責任をとらず、今また原発を推進し、柏崎刈羽や東海第二の再稼働を後押ししている。こんな組織は全く信用できない。
 その経産省・資源エネルギー庁が「国民」の意向を無視して自分たちで好き勝手に選んだ委員を使って実施してきたタスクフォースも小委員会も全く信用できない。 英、仏、加、印、日など世界中で多くのトリチウム汚染による被害が報告されているのに、タスクフォースではそれらの調査・分析をしていない。小委員会では、科学的(生態学・医学など)安全性確認を無視して、社会的影響(風評被害)のみを論じており、全く不十分である。

3 風評被害がなぜ起こるか?
 風評被害がなぜ起こるかあなた方は考えたことがありますか?
 前述の長らくの嘘と無責任とともに、経産省が後押しする安倍政権が、「国民」に嘘をつき続け、官僚の記憶を無くさせ記録を捨てさせ改竄させ、国民主権をないがしろにする政策を実施しているからだ。あなた方に風評被害を論じる資格はない。それでも、小委員会で検討をし続けるのであれば、福島県の地元の反対の声をしっかりと受け止め海洋放出を断念するべきだ。

4 「安全性の確保」は濃度規制でなく総量規制で
 タスクフォースの概要として「安全性を確保した上で」海洋放出したり水蒸気放出したり水素放出するとあるが、どのようにして「安全性を確保」するのか? 危険な核物質を「放出」することは地球上の総ての生き物から許されない。濃度規制でなく総量規制により、そして科学的に安全性を確認するために十分な時間をかけて「安全性の確保」を図るべきだ。

5 他核種も処理できていないアルプス
 本年8月に次の報道があった。
<トリチウム汚染水(処理済み水)には他の放射性物質が除去しきれないまま残留していて、一部で排水の法令基準値を上回っており、放射性物質の量が半分になる半減期が約1570万年の長寿命のものも含まれている。トリチウム以外の放射性物質の存在についてはほとんど議論されていない。>
 3系統あるアルプスの機能を再確認し「処理水」の各核種放射能を測定し直すととともに、過去7年間の放射能汚染水の発生・流出・貯留・海洋投棄のそれぞれの量を明らかにして、再度タスクフォースに遡って委員を選び直して議論をするべきだ。

6 エリア確保必要は海洋放出の口実
 イチエフ「廃炉の進捗及びリスク低減のためのエリア確保等の必要性」の説明がある。確かに多数の汚染水タンクが廃炉作業の障害になりかつ新たな災害の原因になりうるかも知れない。しかしながら、本当にエリアが必要ならば別の場所にタンク貯蔵場所を確保しそこに移してしっかり管理すればよい。まわりに放射能汚染され除染もできない山野が一杯あるではないか。
 専門家もエリア確保は海洋放出の口実であると認めている。

7 トリチウム汚染水が安全というなら経産省ビルと東電ビルで飲め
 トリチウム汚染水は安全なのに「風評被害」があって海洋放出できないと皆さんが主張しているが、本当に安全ならば東京に運び経産省と東京電力のビルの水道水として使ったらどうか?
 24回も完成を延期された六ヶ所再処理工場が稼働し出したら、大量のそして高濃度のトリチウム汚染水が出てくる。これらもアルプスで処理すればふんだんに皆さんの飲み水が供給できるぞ!