経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その82  2018年7月22日
「水素社会」の幻想と権益にこだわる経産省!
〜燃料電池自動車FCV推進施策の失敗もそのまま「エネルギー基本計画」に〜
 第5次「エネルギー基本計画」には、「水素社会実現に向けた取組の抜本強化」が盛り込まれ、文字「水素」が140回近くも出現する。脱原発と省エネ・再エネを訴える中で、気にしながら無視していた「水素」も実は大問題だ。
 そのことを「週刊金曜日1191号(7月6日)」の特集<「水素社会」の現実>が教えてくれる。
★ 燃料電池車の幻想(上岡直見)
 ミライ(トヨタ)やクラリティ(ホンダ)の燃料電池車(FCV)は、省エネ・環境面で効果は乏しく、燃料供給設備(水素スタンド)の普及見込みなく、価格が高すぎて補助金なしでは成り立たない。1km走行あたりについて、エネルギー消費量は、FCVは1.5ジュールで電気自動車EVは0.9ジュール、CO2排出量はFCVが87グラムでEVは49グラム。何よりもFCVは水素スタンドがなければ走れないが、EVは電気が来ていればどこでも充電可能。
 FCVの現状は、<巨額の費用を投入しながら稼働せず放棄されたうえに、その後始末にも長期にわたって巨額の費用が必要となる高速増殖炉「もんじゅ」を連想させる。もはや燃料電池車に未来はない。>
★ 水素はエネルギー問題を解決できない(小澤祥司)
 「クリーンで無尽蔵」という水素エネルギーのキャッチフレーズには、決定的なごまかしがある。水素は単体では地球上に存在しない。現在、水素の供給源はほとんどが天然ガスで、熱分解時に二酸化炭素を排出する。
 水素対バッテリーの戦いでは、英仏で事実上のEV化宣言、中国はいま国を挙げてEVの開発と産業化に力を入れていて、世界は一気にEVになびいている。
 昨年暮れの「水素基本戦略」では「国内再生可能エネルギー由来水素の利用拡大」が柱のひとつだが、<再生可能エネルギーで起こした電気で水素をつくり、それをまた電気に変えるのは、ムダにムダを重ねる行為>で、水素戦略は絵に描いた餅。

<福島原発事故を経てなお、原子力発電にこだわり、水素社会という絵に描いた餅を掲げ続ける経産省と安倍政権は、いったいどこまで傷口を広げるつもりだろうか。>
 諸悪の根源=経産省、亡国の省=経産省、をここでも実感させられる。
(参照)「エネルギー基本計画について」(資源エネルギー庁)
http://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/