経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その76   2018年6月9日

第5次「エネルギー基本計画(案)」で未だに核燃料サイクル政策推進
〜経産省よ、高木仁三郎の25年前の「再処理を中止せよ」を聞け!〜
第5次「エネルギー基本計画(案)」の

4.原子力政策の再構築
(4)対策を将来へ先送りせず、着実に進める取組
@使用済み燃料問題の解決に向けた取組の抜本強化と総合的な推進
A核燃料サイクル政策の推進
1)再処理やプルサーマル等の推進

を見るとあきれる。
@で18000トンの使用済み燃料、ガラス固化体25000本相当などと(分離プルトニウム47トン、他プルトニウム100トン以上は記載無)書きながら、Aで「再処理やプルサーマル等を推進する」としているのだ。
 もんじゅ廃炉が決まりフランスの高速炉開発も大幅縮小で核燃料サイクルの破綻はより明らかになった。にも拘らず未だに「再処理もプルサーマル」も続けようとしている。
 このことを既に25年も前に高木仁三郎さんが危惧して「脱プルトニウム宣言 1993年1月3日」で書いていた。「市民科学者として生きる」(岩波新書)から「脱プルトニウム宣言」の中の「再処理を中止せよ」を紹介する。
<再処理を中止せよ(脱プルトニウム宣言から)
 国際社会の中で、いま日本に求められる決断は、再処理方針を放棄することである。英仏への委託再処理、東海工場での再処理、そして将来六ヶ所工場での再処理が計画通りに実現すれば、日本は今後20年間で120トンを超えるプルトニウムを取得する。高速増殖炉や軽水炉でのMOX燃焼などのプルトニウム需要計画は、経済性の悪化で停滞するであろうから、日本の取得するプルトニウムの大半が余剰となる可能性が大きい。
 このような大量の余剰プルトニウムが、将来日本の核武装につながる可能性を否定しきることはできない。日本が核武装をしなくても、そのプルトニウム計画は、他の国々を刺激して同様のプルトニウム保持計画を推進させ、世界の不安定化を促進する効果をもつであろう。日本は世界平和のためにも再処理を放棄すべきである。
 ドイツが委託再処理からも撤退することが明らかになった現在、セラフィールド、ラアーグ、の英仏の再処理工場を存続せしめるカギをにぎるのは唯一日本である。再処理は環境にクリプトンやトリチウムをはじめ大量の放射能をたれ流す環境汚染源であり、地球環境の保全のためにも再処理の世界的操業停止が今強く望まれる。それは、日本が再処理方針を放棄することによって達成されるのである。
 日本から海外への使用済み燃料の輸送も、プルトニウム輸送と同様に危険であり、中止されるべきである。委託再処理を止めることによってそれは達成される。

 25年前の高木の主張は正しくそして今でも生きている。
経産省・資源エネルギー庁よ、今がチャンスだ。高木仁三郎の「再処理を中止せよ」を良くかみしめて、直ちに再処理・核燃料サイクルを断念せよ!