経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その65  2018年4月10日

「エネルギー基本計画」の政策形成手順がアベコベである
〜大島堅一さんが国会エネルギー調査会(準備会)で指摘〜
 4月3日に「原発安い?再エネは高い?〜電力コストの情報公開〜」と題して第70回国会エネルギー調査会(準備会)が開催され、大島堅一さん、松原弘道さん、飯田哲也さんが、国会議員や資源エネルギー庁や原子力委員会と参加者に話し、質疑応答。
 大島さんが「政策形成の手順がアベコベである」と非常に重要な指摘をしたので紹介する。残念ながら、資源エネルギー庁は何も答えなかった。


「政策形成の手順がアベコベである」(大島堅一)
○政策形成のあり方
・供給面と需要面での多面的評価を行い、計画を策定するのが常識
―需要面省エネの可能性
―供給面経済性、環境への影響(温暖化、大気汚染、放射能汚染…)、
供給安定性、安全性、倫理性、持続可能性
・評価に当たっては、エネルギー利用に関する利害関係者を含めないことが必要
○政策決定のあり方
・本来なら多面的評価=>基本計画=>エネルギーミックス<需給見通し>
・エネ庁のやり方はアベコベ
2014年エネルギー基本計画(根拠無しに原子力は安価)
2015年発言コスト等検証WG(結論ありきの経済性評価)
2015年エネルギーミックス
2018年エネルギー基本計画(エネルギーミックスを前提、経済性評価無し)
○2015年以来の変化
2014年以来、エネルギーをめぐる情勢は激動している
例えば原発のみを見ても…
・福島第一原発事故費用の増大
・東芝の経営危機―安全規制の強化、―建設コストの高騰
・原子力の一層の衰退―進まない再稼働
・電力システム政策による競争の激化
・高速増殖炉路線からの撤退
・六ヶ所再処理工場操業の再延期
○したがって
・今次のエネルギー基本計画の策定プロセスには問題が多い
・2015年エネルギーミックスを実現するための計画作りなど、論外である
・エネルギー需給、エネルギー政策の評価を客観的に行う必要がある


 確かに、今回の「エネルギー基本計画」策定開始時(2017年8月)に世耕経産相は「(前回の計画から)基本的には骨格を変えるということではない」として、前提条件をあいまいにしたまま小幅な計画修正見直しに留めようとした。おまけに検討する委員には原子力マフィアからあるいは経済界からの「利害関係者」を多数含み、2018年3月26日の最新の資料でも、非現実的な2030年エネルギーミックス達成(原発20〜22%)をとなえている。
 経産省・資源エネルギー庁は原発推進ありきの強引なアベコベ政策策定を直ちに止めるべきだ。
以上