経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その56 2018年1月18日 行き詰まるプルトニウム問題! 完全に破綻した再処理プログラム 〜岩波「科学1月号」の特集「プルトニウムと再処理 日米の40年」から〜 |
岩波「科学1月号」の特集「プルトニウムと再処理 日米の40年」の5つの論文が再処理を続ける日本政府の愚かさを示している。以下はその一つ。 「行き詰まるプルトニウム問題:米国と日本の40年」 田窪雅文(「核情報」主宰)、フランク・フォンヒッペル(プリンストン大学名誉教授)著 ○カーター政権(1977〜81年)以来、日本のプルトニウム分離プログラムに対する経済、環境、核不拡散の面で反対論の説得力が強まっている ○プルトニウムを分離してこれを燃料として利用する方法は、経済的競争力を持ちえない ○MOX燃料は、同等量の低濃縮ウラン燃料の12倍の費用がかかる ○日本は経済性の悪さにもかかわらず再処理を放棄するに至っていない唯一の非核兵器国 ○日本の増殖炉計画―元々の再処理計画の正当化に使われた―は息絶えている ○日本が参加するというフランスのアストリッド(工業的実証用改良型ナトリウム技術炉)は、予定が10年間で13年延び、責任者は運転開始は2033年以降と語っている ◎日本政府が電力会社に膨大な再処理費用を受け入れさせる理由は、第一に地元自治体と交渉することの政治的難しさ、第二に官僚機構が政策について大きな力をもっている、第三に電力供給が規制の強い地域独占の形をとってきたゆえ再処理の余分な費用を消費者に回せる、の三点 ○フランスの政府所有の電力会社は、選択の権利があるところでは、再処理から抜け出すことを明確にしている ○年間8トンのプルトニウム(核弾頭千発分)を分離するという六ヶ所再処理工場の設計能力は、核兵器オプションのために必要なレベルをはるかに上回っている ○日本が核兵器オプションを維持しているという話自体が日本の安全保障にとって悪影響をもたらす(周辺国に疑念を抱かせ、韓国でも核兵器オプションを取得すべきだと言う議論を正当化し、核軍縮にとって障害になる) ○完全に破綻した再処理プログラムを政府の提供する高額の救命措置から外すという決定をフランスと日本が行えば、中国にその政策を再考するよう説得できることになるかもしれない 河野外務大臣が、7月に30年の期限を迎える日米原子力協定について、自動延長は通告で6カ月後に協定を終了させられるため「不安定だ」と慎重な姿勢を示した。が、まずは、上記「政府が電力会社に膨大な再処理費用を受け入れさせる理由3つ」を取り除き、再処理も原発稼働も断念して日米原子力協定を破棄するべきではないか。 以上 |