経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その41  2017年8月24日

原子力発電は「ゼロ・エミッション」ではない! 「死の灰」を生む「海温め装置」・温排水大河だ
〜「エネルギー基本計画」策定で間違った判断をするな〜
 8月9日に総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で、新たに「エネルギー基本計画」の検討を開始し、事務局作成資料の3ページ目に「30年ミックスの進捗〜着実に進展。他方で道半ばから」と題する表があり、そこで「ゼロエミ電源比率」の行で原子力発電をゼロ・エミッションと扱って原発稼働増により2030年にはゼロエミ比率が上がるとしている。
 しかし原発はゼロ・エミッションでは絶対に無い。例えば、ウィキペディアには次の記述がある。⇒ https://goo.gl/WDRPKS
<ゼロ・エミッション(zero emission)とは国連大学が1994年に提唱した排出ゼロ構想である。
原子力発電は二酸化炭素の直接排出はないが、ウラン採掘から放射性廃棄物投棄まで、様々な局面で化石エネルギーを使用しており、総合的に見るとかなりの二酸化炭素を排出している。また、原子力発電の際に大量に発生する放射性廃棄物が、どのようなエミッションに当たるかは議論されるべきものであるし、数十万年以上放射性廃棄物を安全に投棄する技術が、未だ確立されていないという課題も残っている。>

 さらに「隠される原子力 核の真実」(小出裕章、創史社、2010年12月)から重要な記述を紹介する。
◆地球温暖化の原因は多様であり、二酸化炭素だけが原因ではありません。そして本当に大切なことは、生命環境を守るためにはエネルギー浪費を減らすことこそ必要なのに、それがむしろ見えなくされてしまっています。
◆原子力発電もまた大量の二酸化炭素を放出する
以下は、図23「100万kwの原発を一年間運転するのに必要な作業」から
・ウラン鉱山 残土240万トン、ウラン鉱石13万トン
・製錬 残滓13万トン、低レベル廃物、天然ウラン190トン
・濃縮・加工 劣化ウラン160トン、低レベル廃物、濃縮ウラン30トン
・原子炉低レベル廃物ドラム缶1000本、使用済み核燃料30トン
・再処理 高レベル廃物固化体30本、中レベル廃物、低レベル廃物、プルトニウム300kg
◆たしかに「発電時」核分裂現象は二酸化炭素を生みませんが、その代わりに生むものは核分裂生成物つまり死の灰。
◆膨大な温排水で生態系に悪影響、原子力発電所は「海温め装置」
・300万kwのエネルギーを出して、200万kwは海を温めている、残りのわずか三分の一を電気にしているだけ。
・100万kWhの原子力発電所の場合、一秒間に70トンの海水の温度を7度上げる
・原子力発電所を造るということはその敷地に忽然として温かい大河を出現させること。

 最後の大河出現について、例えば「原子・原子核・原子力」(山本義隆、岩波書店)によれば、川内原発2基の排水量は合計毎秒133トンで、川内川(九州第2の一級河川)の平均流量毎秒108トンを上まわっている。
 今期中にまとめるという「エネルギー基本計画」検討をしっかり監視して、経産省・エネ庁の横暴を止めよう。