経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その231 2024年10月31日
「核のゴミ」に対する唯一のそして真の解決策は「核のゴミを生
み出さない」ということ

〜山本義隆<核燃料サイクルという迷宮?核ナショナリズムが
もたらしたもの>から(3)〜
 核兵器の軍事技術を「平和利用」と称して「商業利用」を開始した核発電(原子力発電)が膨
大な核のゴミを排出することが分かっていた。通産省や電力会社はそれを無視して核発電を開
始し、半世紀以上経た今もこのいわゆる「トイレなきマンション」状態は続いている。
 再生可能エネルギーが進展普及してきた今、核燃料サイクル破綻が明らかになった今、核発
電を直ちにとめるべきだ。 以下は、主として山本義隆<核燃料サイクルという迷宮?核ナショ
ナリズムがもたらしたもの>の序章からの引用(文責は私)。

核兵器軍事技術から核発電(原子力発電)
「現在の原子力発電所は、その生まれも育ちも原爆技術の落とし子であり、その故に欠陥続出
なのである」(水戸巖)。
100万kwの原発を1年間稼働すれば、使用済み核燃料が30トン残され、そのうちに含まれる死
の灰は約1トンで、これは広島原爆が撒き散らした死の灰(1kg弱)の約千倍。1日あたり広島
原爆の約3個分。
本来であれば、事故に対する安全性が十分に保障されると同時に、「核のゴミ」の安全で確実
な処分方法が確立されていなければならなかった。

核燃料サイクルの破綻
再処理とウラン濃縮そして高速増増殖炉での発電過程を「核燃料サイクル」という。
再処理を行うことは、放射性廃棄物の種類を増やし、量を増やし、それらの処理、輸送、一時
貯蔵、最終処分と、あと始末をいっそう面倒にする。
「核燃料サイクル」は核廃棄物問題をもっと先の将来に持ち越すため。
日本政府と産業界は既に1980年代後半には再処理費用は直接処分より不利との結論を得て
いた。
再処理では、原子炉の外に取り出された使用済み核燃料が被覆管も剥ぎ取られペレットも溶
かされ、死の灰が完全にむき出しにされた状態で処理される。
六ケ所再処理工場の試験運転開始直前の2004年に、経産省の若手官僚グループが再処理
事業からの撤退を訴えて立ち上がったことがあった。経産省内部での造反である。再処理施設
はひとたび稼動すれば放射能で汚染され後始末が格段に困難になるため、撤退するなら稼働
前という判断。
鈴木達治郎も「事実上破綻している核燃料サイクル政策」と語っている。
高速増殖炉の開発は、プルトニウム生産によって核兵器の拡散につながる危険。
日本は既にプルトニウムを約48トン(プルトニウム爆弾6千個分)保有。

半世紀経っても核ゴミ問題「トイレなきマンション」は未解決
核のゴミ問題は半世紀以上全く解決していない。
「トイレなきマンション」状態をずっと続けながら未だに核発電をし続け、ウンチやシッコと比較に
ならない「核のゴミ」(死の灰)を貯め続けている。
廃棄物処理法では、産業廃棄物を法律及び政令で定める20種類と定めて排出者の責任で処
理するものとしており、梱包材料に至るまで厳しくチェックしている。ところが、政府は核発電に
よる放射性廃棄物は特別扱いで未だに全く先が見えないのに、核発電装置(原発)による廃棄
物の生産を許している。

核のゴミに対する唯一のそして真の解決策は「核のゴミを生み出さない」ということにつきる。
核発電(原子力発電)を直ちに止めるべきだ。
以上